保育士の低賃金

 深刻化する待機児への対応として保育園の新設が進められている。しかし、思うようにできない現実もある。その理由のひとつに、責任の重さや仕事の内容に応じた給料ではないため、肝心の保育士が集まらないとの問題が指摘されている。厚生労働省のデータを見ると、確かにその指摘は当たっていた。

『保育の仕事を希望しない理由を複数回答で尋ねたところ「賃金が合わない」が最多で47.5%。厚労省によると、保育士の平均給与(2012年)は月21万4200円で、全業種の平均より10万円以上低かった。』(日経 2014/1/5 求職しない潜在保育士、「賃金合わない」47% 厚労省調査)と指摘されているように、保育士の低賃金は大きな問題だ。また、同じ保育士でも公設公営の公務員保育士と認可外小規模施設の保育士との差も大きい(かつて書いた「子どもプラン 保育園の新運営形態で考えるべきこと」をご参照ください)。

 他の業種との差はどうなのか。厚生労働省は、毎年、賃金構造基本統計調査を行っており、2013年2月公表のデータを見てみた。保育士の「決まって支給する現金給与額」は、報道のように約21万4200円となっている。

tinnginn2 実はこのデータ、介護で働く人の給料が低いという証拠として教えてもらったもの。表を見ると介護支援専門員(ケアマネ)の26万0400円よりも保育士のほうが低いので驚いたのだ。子ども関連の職種を見ると、幼稚園教諭が22万5000円で、決していいとは言えない額だった(働く条件などが異なるので一律に比較はできないが)。
 このデータには学童保育指導員はないが、年収が150万円未満(68.2%) 150万円以上300万円未満(25.9%) 300万円以上(5.8%)で、退職金も定期昇給もない非正規職員の率が78.5%というのが実情だ(全国学童保育連絡協議会2013年5月1日現在の学童保育実施状況調査より)。子どもにかけるお金の問題としても考えるべきだろう。

 保育園をもっと作ることは必要だが、「賃金が合わない」という問題も、もっと考えなくてはならない。現状でも保育料と国からの補助金だけでは保育園の運営はできない。自治体からの補助でなんとか運営できているのが実情だ。それでも、この数字だ。給料が民間にすればいいとの考えでは解決できないのだ。

 解決策が今すぐにないのがもどかしい。

 表は、平成24年賃金構造基本統計調査  一般労働者 職種 より