武蔵野市 グループ保育室2園開設と認可園改築で定員増 一方で開設の遅れも

 

 12月12日の市議会文教委員会で、緊急待機児対策として新たなグループ保育室2園の開設と児童館の保育室の改築への補正予算が審議され、全会一致で可決した。これらの保育室とJR中央線高架下に建設される認証保育所の開設により、来年4月1日までに148名の保育定員が増えることになる(平成25年4月1日との対比)。さらに、現在よりも定員を増やす認可保育園の改築への補助金議案も全会一致で可決し、27年4月1日に開設されることも決まった。
 明るい話題だが、一方で、9月議会で可決した補正予算による新たな認証保育所が来年4月1日の開設ができないなど暗い話題も分かった。



 新規に開設するグループ保育室は下記。

 ●「吉祥寺南町すみれ保育園(仮称)」

 場所:吉祥寺南町3-6-2
 定員:0歳児=5名 1歳児=5名 2歳児=5名
     計15名
 申込み:26年2月から市保育課で受付

 ●「にことこ2(仮称)」

 場所:関前3-41-14
 対象:0歳から2歳
 定員:9名
 開設時期:26年3月1日
 申込み:2月から市保育課で受付

 改築を行う認可園は、ありんこ保育園(西久保1-11-10)。現在は0歳から2歳までを保育しているが、改築することで現在の0~2歳までから5歳児まで可能として以下のように定員を増やす。来年度は西久保1-8-9の市有地に仮園舎を建設し、27年4月から新園舎での保育が始まる。

 0歳児=6名(現在は3名)
 1歳児=12名(9名)
 2歳児=12名(10名)
 3歳児=12名
 4歳児=12名
 5歳児=12名

  計66名

■児童館では32名

 児童館は、境こども園の工事事業者が倒産したことで緊急的に使用していた2階の保育スペースを子どもが使いやすいように改築するもの。簡単な調理ができる調理スペースや子ども用トイレ、育成室の手洗いの回収やベルコニーの転落防止装置などを取り付ける。
 一階の空調設備が老朽化しているため、この工事とともに行うため、児童館は1月~3月中旬までは休館となる。この施設をいつまで使うかは未定。第五期長期計画では、将来的に0123(乳幼児施設)と書かれているが、いつまでかは、周辺地域の子どもの人口に傾向を見据えたうえで判断するため、当面は保育施設として使う予定だ。

 1歳児=6名
 2歳児=6名
 3歳児=20名

  計32名

 これらは緊急待機児対策として形になってきたことで評価したい。しかし、一方で残念なことも分かった。そのひとつは、上記児童館近くのUR都市機構で開設していたグループ保育室『まあーる』が閉鎖され、このことで定員は10名減ってしまう。

■新規認証は来年4月に間に合わず

 質疑のなかで9月議会に上程された補正予算を可決したことで3園の認証保育所の開設が可能になったが、現在ではどのようになっているかを確認した。すると、1社のみが開設へ向けて動いているだけで、他の2園について現状では決まっていないことが分かった。開設へ動いている園についても、来年4月の開設は無理なようだ。この3園で120名分の定員が増える予定だったが、待機児対策の動きが停滞したことになる。

 このことを確認したうえで、予定していた定員が増やせなかったのだから、児童館と同様に境こども園の工事事業者倒産で緊急に開設した市民会館の保育施設を使い続けられないのか、と質問したところ、緊急的な対応であり本来は社会教育施設であるため教育委員会に戻している。遅れていた認証保育所は26年度内に開設できる見込みもあるので、現在のところ保育施設としては使う考えはないとの答弁が戻ってきた。

■市民会館をなぜ使わない

 市民会館に設けた保育設備は、緊急的であるため給食設備がないなど満足できる保育施設ではないかもしれない。だが、これまでにも保育を行ってきたこと、利用者から問題を指摘する意見を聞かないこと。ベストとは言えないまでも駅に近いことも考えればベターな設備だと考えれば、使わないのはもったいないことだ。
 何よりも26年度内に新規の認証保育所が開設するかもしれないが、4月1日に保育園に子どもが入園できるかどうかで、保護者は仕事を続けられるか、仕事ができるかが決まってしまう瀬戸際だ。このことを理解しているのか。この重要性を考えれば、緊急的な施設でも構わないから、さらに一年程度、再び使うべきではないか。利用者、市民の立場にたって考えるべきだと再質問をした。

 答弁では、設備的に難しい面はあるが、今後の待機児数を見て考えたい。市民会館を管理する教育長からは、教育施設として使いたいが、そのような声があるのであれば考えてみたいという趣旨の答弁が戻ってきた。煮え切らないように思えるが、可能性はありそうに思えた。

 待機児ゼロは、一朝一夕にはできない。いろいろなアイデア、施設をフル活用することで可能になる。市民会館の施設を再利用すること。ありんこ保育園で使う仮園舎を一年でなくしてしまうのももったいない。さらに使い続けることも考えるべきだ。
 短期に開設ができるグループ保育室をさらに増やすことや遅れてしまった認証保育所の早期開設も含め、全力を尽くすことが求められている。市のこれまでの姿勢は評価したいが、さらに一歩の前進を期待したい。

【資料】
2013年12月12日文教_ありんこ、すみれ、にことこ保育室について.pdf

2013年12月12日文教_児童館における緊急待機児対策事業について.pdf