武蔵野市議会 24年度決算を認定

 12月9日の武蔵野市議会本会議で先の特別委員会で審議された平成24年度決算の採決が行われ、全会一致で認定(賛成)となった。

 以下は、会派を代表して行った私の賛成討論。

 民主生活者ネットを代表し平成24年度決算認定へ賛成の討論を行います。

 今回の審査にあたっては、第五期長期計画の一年目として、長期計画に掲げられた目標や課題解決に結びついているか。執行した事業がどのような成果になっているのかに着目しました。
 このことは、限られた財源を効果的に執行すること、今後、歳入が大幅に増える見込みがない一方で、扶助費などが増えていく時代にあって、どの事業が目的に対して有効なのかを判断するために必要だと考えるためです。今後、求められている事業の縮小や廃止、統合などを判断する重要な観点だと考えての審査でした。

 24年度の一般会計及び各特別会計を合わせた全会計の歳入決算額は875億207万9千円、歳出決算額は 841億 3,745万円で、ともに前年度比1.5%の増加。歳入歳出の差引額から翌年度への繰り越し財源を差し引いた実質収支額は、32億8,137万9千円の黒字で、前年度比0.9%の増加でした。昨今の経済状況、財政健全化法による各健全化判断比率から見ても健全な状況と判断でき、市政運営を高く評価します。
 一方で、経常収支比率は88.8%と前年比2.3ポイントの悪化をしていました。多摩の各市と比較すれば、最も良い数字であり、すぐに財政危機になるとは考えませんが、今後は予断を許さない状況となりつつあります。

 この状況下で、本市では緊急待機児対策として、保育定員を増やす政策を実行しています。このことは高く評価をしますが、保育園児1人あたり月額約13万4000円を市は負担しています。300人増やすとして単純計算すれば、年に約4億8240万が増えることになります。他にも扶助費が増えることを考えれば、今後の経常収支はより悪化することが予想されます。そのため、事務事業の見直しは早期に行わなければなりませんが、そのさいは、民生費だけ、あるいは子ども施策の枠内で見直すのではなく全事業で行うべきとまずは提案をします。

 事務事業の見直しは、見直しのさいの判断基準は、対象者は誰で、成果目標が何で、執行が効果的なのか、どこまでやるのかを判断することが重要になると考えての、今回の審査でした。

 なお、決算付属資料には、今回から事業名に、款の名目と担当課の記載がありましたことは評価したいと思います。決算の付属資料などのほとんどは、予算額と執行額、執行件数といったアウトプットが中心ですが、目標数に対してどうだったのか、事業目標に対しての成果は何だったのかの視点を盛り込むことで、議会だけではなく、納税者であり主権者である市民への説明、理解へとつながりますので、この視点を入れることも含め、今後も改善を提案します。
 
 では、審査内容ごとにいくつか、評価と提案をさせていただきます。
 
まず総括では、長期計画に掲げられたまちづくり目標への進捗状況を確認しました。長期計画が始まった一年目であることを考えれば、4つの目標に対して着実に動きがあることは評価をします。今後、自治基本条例を考えるのであれば、「自治と連携によるまちづくり」にあるように、「本市ならではの自治と連携のまちづくりを推進する」を具体的に実行しなくてはなりません。
 24年度の施政方針には、「日頃からのコミュニティ形成を育み、地域の絆を深め、地域の力を増していく必要があります。」とありましたが、具体的な成果は示されていいませんでした。今後、最も重要なテーマとなりますので、今以上の事業が必要ではないでしょうか。市民の身近なところで、日ごろから自治を考える、コミュニティの拡充につながる仕掛けづくりが必要だと提案をします。

 次に総務費です。

 24年度予算施政方針には、 市民自治の観点からも、必要な情報収集とともに、情報を必要としている市民に的確に届けるための機能を強化してまいります」とあり、市ホームページの改善やSNSによる情報発信が拡充されたことは評価をします。しかし、市民目線でとなると、課題が残されています。例えば、どのタイミングで公表するのか。なるべく早めに出すこと。そして、適正に提供されているのかを確認できるように、今後も拡充するように提案をします。

 平和事業では、若い世代への啓発を行ったとされていました。このことは評価をしますが、具体的にどのような基準で判断しているのかが明確ではありませんでした。今後とも必要な事業であり、邑上市政の特色でもあることから、施策の拡充とともに目標数の設定やどのように浸透しているかを今以上に確認できるように提案をします。

 国際交流事業では、例年、希望者が少ない傾向がありましたが、説明の手法を改善することで参加希望者が増えたことが審査のなかで分かりました。周辺諸国との現状を考えると、このような交流は今後にとって価値が出てくると考えられますので、改善方法について評価をします。今後は、交流をしたのち、どのように市民に還元するのか、一時期だけの交流で終わらせないことを今以上に拡充するよう提案します。
 次に民生費です。

 高齢者見守り支援事業では、約800万円の予算に対して約400万円と執行率の低さが課題となりました。付属資料には件数が示されていましたが、必要とされている人数、目標数の記載がなく、この数が適正なのかが分かりませんでした。事業を行うことは良いとしても、効果的なのかを考えると、この数では疑問が残ります。本当に必要なのか、他に効果的な事業があるのかを見直すべきと提案をします。

 生活保護では、武蔵野市でも不正受給が行われたかのような報道がありましましたが、答弁では適正な対応だったと判断をします。不正には厳しい対応が必要ですが、今後とも、最後のセイフティネットとして現状の対応を続けることを提案します。

 子育て支援事業は、子ども協会の事業を含めて市民には好評であり、数字的にも評価をします。今後は、行ったことが何につながるのか、地域コミュニティのベースにすることや自治へとつなげていくことなど、その先の展開を考えての事業へと進めることを提案します。

 24年度の3月、そして、先月と学童クラブのおやつが原因となり児童が食物アレルギー反応を起こしてしまいました。市として対応を行っていることは評価しますが、学童クラブ事業としての位置づけのあいまいさに一つの原因があります。食育をすすめる本市として、早急に育成内容に位置づけ、再発しないようにすることを提案します。

 本市から入所者がいる西東京市の知的障害者入所施設で起きた虐待問題では、他自治体と連携して対応をする旨の答弁がありました。そもそもで言えば施設が足りないことが大きな課題ではありますが、今後とも、二度と起きないことはもちろんのこと、入所者にとって最適な環境になるよう連携と評価を行うよう提案します。

 次に衛生費です。

 食育事業については講演会の開催がありました。内容については評価しますが、想定される対象者数への効果を考えると事業方法には課題が残ったと考えられます。25年度では対象者を変えるなど改善を行っていることは評価をしますが、答弁にもありましたように、給食食育財団との連携やそれぞれの対象者の整理が必要であり、今後もより効果的に進めていくよう提案をします。

 新たなエネルギー活用検討事業では、報告書の内容は今年度事業へと継続して行っていることは評価をしますが、コンサルに支出した約800万円が適切な額だったのかには疑問を持ちます。市民による検討会にすることなどで、市民への気づき、自治へとつなげることも考えられたはずです。今後の活用に期待をしたいと思いますが、費用を含めて、コンサルの適切な活用についての検討を提案します。

 次に、資源ごみの回収についてです。本市は、集団回収を進める方針であることを考えたうえでコストを考えれば、現状の市による回収頻度を下げることこそがより効果的です。月に二回から一回にすること。リサイクルを市の責任から、生産者の責任とするなど法改正も必要であり、国への働きかけも含め早期に検討されることを提案します。

 次に商工費です。

 決算審議でよく議論になるのが有限会社武蔵野交流センター、麦わら帽子です。ひと頃よりも赤字が減少しメディアでの露出が増えているなど改善されてきたことは評価をします。しかし、いつまで続けるのか。アンテナショップとしての出口を考える時期になっています。答弁では人材を育てることを短期的に行うとしていました。このことは認めますが、中期的には、いつまでにとの年限を付けて、将来像を決めるべきです。市の今後の財政状況を考えれば、少なくとも財政的に自立ができないのであれば、解散を視野に入れるべきと考えます。

 観光推進事業については、期待をする事業ですが、広告効果など成果についての説明が必要であること。また、イベント開催が目的化しないように何のための事業なのかを再確認することも提案をします。

次に土木費です。

 この12月から施行されている自転車の右側通行への罰金化への対応について、自転車講習会などで周知を行っていることは評価をしますが、例えば、かえで通りなどの表記には課題があると言えますので、他の市道での表記など早期の検証を提案します。

 ムーバスについては、単年度では赤字になっていることを考えれば、消費税増税後の収支悪化への対応を含めて、料金をどのようにすべきか。ルートが現状でいいのかも含めて早期に検討を行うことを提案します。

 最期に教育費です。

 先の市長選挙でも論点になっていた学校給食の調理コストの資料が委員会には提出されました。一食当たりの単価が24年度決算ベースで711円から980円となれば、確かに高いと考えてしまいがちです。しかし、このコストはどのように計算をしているのか、食育事業を含めているのか、給与の今後の見通しはどうなのか。何よりも、質とコストの関係を明確にしたうえで、市民へも分かりやすく説明すべきこと。コスト削減は必要ですが、何よりも食育としての現状の質を保ったうえで行うべきと提案をします。

 教育相談事業としての不登校対策については、確実に成果が出てきていることを評価します。しかし、実際の現場の雇用体制には課題があると指摘させていただきます。嘱託職員のままでは、雇用期間が限られること、経験を積むことが難しいこと、勤務時間の短さ、柔軟さがないことが考えられます。本来は都の事業であること、市が直接雇用することは難しいとは思いますが、外郭団体を活用するなど雇用面での改善を提案します。

 むさしのサイエンスフェスタについては、参加者数が多く、参加者の評価が良いことなどから高く評価をします。今後は、学校授業へのフィードバックを今以上に拡充するなど、次へのステップへ進むことを提案します。

 図書館事業については、基本計画で示された評価システムや人材育成計画を早期に作成することを提案します。

 以上、一般会計のみですが、評価と提案をしました。私たちの会派だけではなく、他の委員からの意見もご参考にされ、26年度予算編成を行うよう求めて、賛成討論を終わります。