秘密保護法案審議を傍聴して

特定秘密保護法が成立した。何が秘密なのかが秘密などと言われ多くの問題点が指摘されている中での強行採決だった。5日の参議院での審議を傍聴しに行ったが、肝心の採決のさい、委員長が何を言っているのか全く分からないまま、決められていた。これで本当に成立したのかと思うほどだった。

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IMG_2577 当日は傍聴券を手に入れたものの傍聴席が満員となり委員会室の外にある中継テレビで審議の様子を見ていた。審議内容は、野党議員が次々に矛盾をについて質問をしていたがよく分からない答弁のままで、いったい何がどう変わるのかが全く分からない審議内容だった。ただ、強行採決はするなという質問が多く、事前に強行採決は織り込み済みだったのかと思えてしまった。最初から数の力に負けていたようにも思えた。
 
 多くの議員が質問にたったが注目したいのは、福島みずほ議員の質問だ。内閣情報調査室に提出させたという資料を示し、事前に詳細に政府内で協議されているのに国会には示されないままで審議を行うことはおかしいと指摘していた。審議すら秘密のままに行ったのだろうか。委員長に委員会としてこの資料を提出されるように要求をしていたところ、理事会で協議しますと返答したが、強行採決を決めていれば、その気は全くなかったことになる。
 この資料はBLOGOS「参議院国家安全保障特別委員会で秘密保護法強行採決」にあるのでご参照を。

 強行採決が行われる直前に質問にたった佐藤正久議員(自民)が、自民党国会議員には法案の説明資料が配布されているが、国民にも分かりやすい言葉で知らせるべきではないかという趣旨の質問をしていた。法案に疑問を持つ身としてもそのように思う。問題がないという法案ならマスコミが批判していることへの反論を示し、問題視する国民への理解を得られる努力をすべきではないだろか。疑問視するすべての人は無理としても、姿勢として必要だろう。数の力で推し進めることに一番の問題がある。
 
 法案が参議院で成立した後、6日午前の記者会見で菅官房長官は『秘密保護法案に各界から反対が出ていることについて、「法案内容をまだご理解いただいていないのだろう。成立から1年後の施行までに真摯に説明すれば必ず理解いただけると思う」と強調した』(毎日新聞 2013年12月06日 13時02分)と報道されているが、決めてから説明するのでは意味がない。多くの疑問を国会で払拭してから決めるべきなのだ。

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■委員会は成立したのか

 採決のさい、何も聞こえないままで突然、散会となり何が起きたのか全く分からなかった。これで本当に成立したのかと疑問を持ったほどだ。聞こえなければ議事録を作れないだろうし、発言がなければ議事は成立しないのが議会だからだ。

 IWJ Independent Web Journalでもこのことが指摘されていた。速記録が示されており、そこには、

「石井浩郎君 ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」
「委員長(中川雅治君)……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」
[委員長退席]

 となっていて何も記録されていない。
「参議院規則第156条「会議録には、速記法によつて、すべての議事を記載しなければならない」と規定されていることも強行突破すればいいということか。

 ここまで強行的に進めるその背景には何の秘密があるのかと疑ってしまう。明らかになる日は来るのだろうか。国民が選択した政権とはいえ、このまま進ませていいのか? この先に来ることも想像してしまう一日だった。もっとも、昨年の総選挙(遠い昔のように思うが昨年だ)で国民の信頼を得られなかった民主党の責任がより大きいのは確かだ。

写真は5日の参議院周辺