2年で300人。待機児対策はいいが、他に気になること ~市長施政方針から~

10月の市長選挙で再選され三期目の市政を担うことになった邑上守正市長の施政方針演説が11月20日の本会議であった。今後の任期4年の方向性を示すものだ。内容のほとんどは市長選挙で訴えていた公約どおりだが、いくつか注目したい内容もあった。



 そのひとつは待機児ゼロに向けた取り組みだ。『保育園等入国希望者数は、今後も増加するものと推計しており、認可・認証・グループ保育などの整備をさらに進めることにより、今後2年間で300名程度の定員を確保する目標を掲げ、待機児ゼロの実現をめざします』と明言していた。どのような施設をいつ整備(誘致)するのか、具体的なロードマップについては示していなかったが、政策を分かりやすく伝えるためにも、計画を実現するためにも数字は大きな力になる。私も主張してきたことなので、2年で300という数字を出したことは評価できることだ。

 ただ、他の施策については具体性がないのが気になった。

 例えば、原発に依存しない環境共生都市の創造として、省エネ・創エネ・スマートシティへと演説していたが、具体的にどのように実現するのか。そもそもスマートシティとは何かが分からない。電力の効率化ができるまちとすれば、都市基盤から考え直すことが必要だろうし電気自動車の普及も必要条件になるかもしれない。以前視察した豊田市では、車メーカーとの協力に加え都市再開発を含めて行う大規模なものだった。具体性がないとそこまで市が行うべきかと疑問が出てしまうからだ。
『市民の健康寿命の延伸を推進します』ともしていた。考え方は良いとしても、これも具体的にいつまでに何をすると実現できるのかが明確ではなかった。
 また、選挙の時は自校方式の給食を進めるとして、この日も主要な施策として学校給食における食育の推進を上げていたのだが、『今後、長期的に学校の改築が見込まれますので、その際には学校内調理場の設置可能性についてコスト面も含めて検討します』と一段階、トーンが下がった印象を持ってしまった。すぐにできないことは理解できるが、市長任期の四年でどこまで実現しようとしているのかが、この日の演説では分からなかった。
 政策の目玉ともいえる自治基本条例については、『制定をめざします』としていた。これも、いつまでなのかが分からなかった。

 施政方針でもうひとつ気になったのは、『生産年齢人口の増加が予測できないことから、市税の根幹となる勤労者世代からの個人市民税が伸びていく要因はなく、現在の歳入を上限として、行財政改革を行いながら財源確保をはかるなど、健全な財政運営に努めます』としていたことだ。
 指摘していることは正しいと思うが、その結果はサービスカット、負担増につながることになる。公共施設の廃止、統合を含む再配置は来年には明らかになっていくことも考えれば、市民にどう納得し理解してもらうのかが、実は今後四年間の最も大きな課題だと思う。そのための自治基本条例というのならまだしも、関連性や対応策も見えなかった。
 このことは、議会としても考えなくてはならないこと。考えていきたい。

 いろいと書いたが、施政方針の大筋は賛同できる内容であるし、実現していくべきことだ。詳細については、22日の各会派代表質問への答弁や来年度の予算審議などで明らかになるのだろう。今後の議論に期待したい。