経営者なら分かる。原発はどう計算しても高い ~三上湖西市長の計算から~

 原発のコストには間接費が入っていない。原発立地自治体への交付金や使用済み核燃料の10万年にわたる保管料、さらに事故が起きた時の賠償保険料を算入すれば201円/kWhになる。この数字を見ても原発を続けるべきか、推進すべきかと考えれば、答えは明らかではないだろうか。

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 この数字は、11月6日に武蔵野公会堂で開催された「eシフトシンポジウム どう計算しても原発は高い」(主催: eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会))の講演で登壇した三上元静岡県湖西市長が計算したもの。費用は下記とされていた。

・原発の直接発電コスト
・研究・安全点検費
・迷惑料(原発のある自治体への交付金、核燃料税など)
・六ヶ所村コスト(再処理工場事業費、もんじゅの費用、MOX燃料加工費、輸送費など)
・10万年の核廃棄物の保管料
・廃炉保険料
・事故賠償保険料

 既存のデータで計算できないものは三上市長が独自に計算している。三上市長も話されていたようにざっくりとした計算だが、この程度であれば経営者なら計算できるはずとされていた。火力の9.91円/kWh、太陽光の40円/kWhと比べても大幅に高いのが原子力発電だ。国の役人も計算しているはずだが、それを出していないのはなぜかとも指摘されていた。この問題もよくよく考えてみるべきだろう。
 事故への保険料は原価だそうで、本来の保険であれば、保険会社の利益や事務費用を計算する必要があり、通常であれば原価の倍が保険料になるとされていたので、実際の発電コストはさらに高くなる。本当の費用を反映した電気料をどれだけの人が払いたいと言うのだろうか。

 三上市長は脱原発を考えるきっかけになったことについて、2001年9月11日にアメリカで起きたテロが発端だったともされていた。戦争になれば標的になり核爆弾をさらしているようなもの。世界平和を願い核兵器廃絶を訴えるなら原発をなくすべきだとも主張されていた。このことも同感だった。他に脱原発の8つの理由も資料に書かれていた。この主張も分かりやいものだ。

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 シンポジウムでは 吉原毅城南信用金庫理事長の講演もあり、アベノミクスで経済が上向いているというのなら、原発が稼働していなくても上向いていることになり、原発と経済は関係ないことになる。アメリカではシェールガス革命もありコストに見合わないために計画を打ち切っている。原発を間接費も入れて損益計算をすれば、原発が必要ないことはマトモな経営者なら分かること。現状は、粉飾決算状態だと指摘されていた。
 そして、ビジネスは誇りを持って行いたいとも話されていた。“誇り”を持って原発を推進できるのかも考えていくべきだ。

 原発の廃炉技術、原発ゼロと決めても使用済み核燃料の保管場所、処理方法も決まっていないのだから、やはり、原発をなくすことを今からでも明確にすべきとあらためて思ったシンポジウムだった。シンポジウムでは、脱原発をめざす首長会議が後援していることもあり、邑上市長が冒頭のあいさつを行っていた。

【参考】
三上市長の資料「どう計算しても原発は高い」のデータはこちら(PDF eシフトのサイトより)

三上市長のブログ

当日の様子は、youtubeで公開されているのでご参照ください。