それでも原発推進? 事故リスクを加えれば電気代は20倍

 小泉元首相の脱原発言が波紋を広げている。現実的にいつゼロにするかの課題はあったとしても、この主張は歓迎したい。さて、なぜ脱原発に舵を切るべきかの理由はいろいろあるが、先日、飯田哲也さん(NPO環境エネルギー政策研究所所長)の話を伺い、より明確に舵を切るべきとの思いを強くした。その理由は、原発災害の被害総額を保険でカバーすると電気代が今の20倍になるというからだ。今の電気代が月に1万円とすれ20万円になっても原発を進めたいと思う人がどれだけいるのだろうか。

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 飯田さんの話は、咢堂塾21で伺ったもの。電気料についいては、ドイツの例からで17基ある原発災害損害額を16兆円から680兆円として保険料を算定したことがベースとなっていた。日本にそのまま当てはめるとどうなるか詳細を聞くことはできなかったが、事故賠償を電力会社が負担するとすれば、当然考えなくてはならないリスクで、今の電気料を見直さなければならないはずだ。原発事故補償だけでなく、今でも決まっていない最終処分場の費用も含めるべきで、そうなると、いったいいくらになるのだろうか。

 飯田さんの資料には、ジョセフ・E・ステイグリッツコロンビア大学教授(経済学者・2001年にノーベル経済学賞を受賞)のコメント、「設けは電力会社、リスクは国民という不公平なギャンブルをしている」も記されていた。電力会社が事故賠償をできないとすれば税金=国民で負担することになる。このことも考許されるのかも考えるべきだ。

 とはいうものの、廃炉の技術、最終処分方法も決まっていないことを考えれば、ゼロだけを言うわけにはいかない。立地自治体や東電で働く人の今後も考えなくてはならない。まずはゼロの方針を決め、現実的にどうのように実現するかを今すぐに考えていくべきだ。その意味でも、現職国会議員ではないとしても小泉元首相の発言は大きな力になるはずだ。今頃言ってもと批判的な意見を聞くことがあるが、誰でも考えを変えることはある。結果として国民のためになればいいのであって、過去がどうだからで今を批判すべきではないとも思っている。原発推進派を脱原発への考えを改めてもらわなければ、ゼロへの進まないのだ。

画像は、総合資源エネルギー調査会総合部会基本問題委員会での飯田哲也委員提案資料より