火炎瓶放火へ対策はできるか 宝塚市役所視察

火炎瓶による放火事件があった宝塚市役所を視察してきた。放火により市民2名、職員が4名が負傷し、今でも市役所の一部が使えないままとなった事件について、その後の対応などについて伺った。

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事件は、2013年7月1日午前9時35分頃、宝塚市役所庁舎1階東側、市税収納課付近で発生した。報道によると、犯人は固定資産税の督促状が届いたため文句を言いに市役所を訪れ、『税金滞納を指摘され激高。市税収納課付近で火を付けずに火炎瓶1本を投げ、その後、火を付けた別の火炎瓶を投げつけ、書類に燃え移ったという』(産経新聞 2013.7.12)。市の説明によると、火炎瓶だけではなく、20L程度のガソリンも周辺にまいたことで大きな火災となった。
 職員は消火器による消火を行なう一方で119番通報、火と煙の中、職員の誘導によりバルコ二一等を使って市民などを誘導非難し9時50分に庁舎内から全員避難完了(市民52名・市職員642名)。10時52分には鎮火した。犯人は職員が取り押さえている。

 負傷者の方にはお見舞いを申し上げるが、幸いにして死者はなかったのは何よりだろう。被害が思いの他、少なかったのは、火災が発生した直後、市職員が排煙窓を開けたこと、宝塚市役所は市役所の周囲をベランダが取り囲む形状となっており、このベランダがあったことで2階以上でも避難できたことが幸いしたとの説明だった。
 このような事件に対しては、通常行っている非難訓練、火災訓練では想定していなかったという。焼損面積は1,442.2平米。被害総額は約2億6600万円だ。

 火災による業務への被害は、発生直後から全庁で業務停止。火災や消化の水などにより庁内情報ネットワークに障害が起き業務継続となったが、連休が明けた16日には定時から業務を再開できたとしていた。現在(視察は10月20日)では、火災が起きたフロアが改装工事のため使用できず、このフロアにあった担当部署の業務は、議会棟や市役所内の会議室などで行っていた。

■再発防止はできるか

 視察のさい、再び同じようなことが防げるのだろうかと聞いてみると、対策として行っているのは、ガードマンを1名増やし防犯カメラを増やしたこと、そして、接遇の改善を考えているとしていた。市役所は多くの人が訪れる場所。荷物検査をするわけにもいかないので、このような対応がベターなのだろう。宝塚市役所の構造は、市民が訪れやすくするために、多方面から入れる構造になっていることもあり、私も他に対策は思い浮かばない。
 
 同じようなことは武蔵野市役所でも起きる可能性はある。他の公共施設も含めて完全に防ぐことはできないと思うが、通常火災だけではなく、ガソリンによる放火も想定に入れた、もしもの想定をして訓練を行うことも必要なのだろう。当然だが、接遇方法の改善も考えなくてなならない。

 また、火災直後の写真を見せていただいたが、書類庫の扉を閉めていたケースでは書類の消失が防げており、明けていたところでは消失したことも分かった。データ管理をしておくことは大前提だが、重要な書類が消失しないことも考えておくべきだとも分かった。

 このこと以上に何ができるか今の段階では思い浮かばない。今後の課題だ。まずは現状の火災訓練などの想定を再考しなくてはならない。被害を少なくした宝塚市職員の対応も参考になる、そう思えた視察だった。

写真は放火があった場所。今でも天井近くに黒煙が残っていた。

【参考】
産経新聞 号外(pdf) 宝塚市役所 火炎瓶で放火

読売新聞 宝塚市役所放火 窓口業務の配置見直し