タブレットが議会を激変させる!?

 iPadなどタブレットを導入する議会が全体からみれば少数だが増えてきている。その先例について伺うと、議会活動が変わった、経費削減に役立ったとの話がある一方で、何か新しことをしようとするとやらない、やりたくないとの意見が強いのが議会。何も進まないという嘆きの声も多い。

 タブレットは、佐賀県議会や岡山県議会、小松島市議会、飯能市議会などで導入している。横浜市会の自民党会派や京都府議会の民主党会派など会派単位で導入している例も増えてきている。

samit 導入したことにより何が変ったかと言えば、業務効率の向上と経費削減があるという。以下は、ローカルマニフェスト推進地方議員連盟主催マニフェストサミットで伺ったものだが、例えば佐賀県議会では、50~100万円の年間通信費と紙代削減が削減され、資料がモノクロではなくカラーになるので見やすくなったのだそうだ。それまでは、佐賀県議会の全議員に一枚のFAXを送るのに議会職員が1時間かかっていたというのだから、タブレットを導入しメールで送信することになり大きく業務改善されたとも聞いた。他にも議員に配布する書類をネット上に置く(クラウド)ことでの効率化もできたという事例もある。
 ICT活用の最先端を行く流山市議会の例ではペーパーレス化による印刷費と郵送料、議員への通知による人件費を含めると年間で334万円の削減になったという。導入経費は37台導入で207万なので大きな経費削減になったことになる。
 行政の無駄をづかいを議会が批判をするのなら、まず議会自らこのような効率化から始めるべきではないだろうか。 

 
 ところが現実はなかなか進まない。国内の法人では32%がタブレットを導入し(※)、情報通信業は50%を超え、大企業は半分以上だそうだが(ソフトバンクモバイル調べ)日本の地方議会での導入率は1%だという(早稲田大学マニフェスト研究所調べ)。この原因には、新しいことはしたくない、余計なことはやらないという議会独自の意識があるのかもしれない。一部の議員が、俺は使えないから他の議員には使わせるな、となり実現できないこともあるそうだ。 

 タブレットやパソコンの利用について、議員によって能力の差が大きく、全議員が使いこなせるのかとの疑問はある。しかし、このサミットの事例報告では、一回の説明だけですべての議員が早期に使いこなせるようになった、2歳の子どもに何も教えないで渡したら使っていたという例が聞いたので杞憂かもしれない。
 今や会社の仕事でパソコンを使えないとなれば仕事にならないはず。その前に会社で雇ってはくれないだろう。議員も同じではないだろうか。使えないから、全員を使わせないのではなく、使える議員はどうぞ使っていい、とすべきなのだと思う。経費的な面だけでなく、スケジュール確認だけをタブレットで行ったところ、パソコンを使えない議員でも役立ったと好評だったとの話もあるほどなので、一歩を踏み出すことが何よりも大切だと思った。

 武蔵野市議会の場合は、本会議場でのパソコン使用はできないが、委員会室での使用はできる。ネットの接続もOKで当然ながらタブレットも使用可能だ。議会全体で考えれば先進部類に入りそうな位置にいる。本会議場での使用を以前から私は求めているが、今後の課題だろう。もっとも、機器の導入がゴールではなく使いこなして成果を出すことが求められているのは言うまでもない。
 タブレットひとつで、議会、議員の考え方が分かるということ。興味深い例だ。

写真は、タブレットを議会に導入することによる議会活動についてを話されている「ipadの伝道師」、ソフトバンクモバイルエヴァンジェリストの中山五輪男氏の講演の様子。

※ マイナビニュース 法人のタブレット端末導入率は32%にまで上昇 – 矢野経済研究所