かつては本当に日本一? 放漫経営なのか 【武蔵野市長選挙】

 武蔵野市長選挙が始まった。立候補者は事前に表明していた3名で、市議からの2人の候補者は辞職せず、市議補選をしても2名の欠員がでることが決まった。議会の仕事には、市長の仕事を監視、評価する機能があるが、自らが市長になったさいの対抗する機能を弱めさせるこの行動には大きな疑問を持つ。何よりも自らの議席は必要ないということは、自らの議員活動を否定していると思う。
 このことは、別としていくつかの論点について記してみたい。

■昔は良かったのか

 今回の市長選挙では、かつては武蔵野市はすごかったが、今は停滞しているかのような批判が出ている。確かに前市長自体には、ムーバスなどいろいろな施策を全国に先駆けて実施している。武蔵野市の名を全国に広めたのも事実だ。このことは、評価すべきことで敬意を表したい。
 しかし、その一方で中学校給食をあえて実施しなかったこと(牛乳だけの給食はあり)、認可保育園を新設しなかったこと、学童クラブの土曜日を強行閉所してしまったこと。障がいを持った子どもが、市立保育園に入れて市立の学童クラブへ入所できず転居したところ、他自治体の学童クラブには入れたことなどもあった。1位と言えば、放置自転車がワースト1だったこともある。このような時代に戻ろうというのか。昔が良かったからと言って、今から同じようにできるのだろうか。
 今や時代は変わり、税収が伸びていく時代ではない。減っていくか横ばいだろう。この状況下でどのように市政を進めていくのかが問われているはずだ。税収が増えていく時代ならいろいろな政策を実現できるが、今は減らしていくことが求められている時代だ。昔は良かったと郷愁にひたっていても何も得られないのだ。
 

■放漫経営か

 現職のむらかみ候補に対して、放漫経営と批判する候補もいる。外かく団体職員が大幅に増えたのがその理由で、選挙公報によれば500人が増えているとされている。この数字が正規職員なのか、非正規(嘱託、アルバイト)を含めているいるのか、その内容と根拠がよく分からないのなんとも言えないのだが、監査法人トーマツによる「武蔵野市財政援助出資団体の調査及び在り方に関する検討報告書」に平成22年度と24度の職員数の比較があるので、これを見てみると、給食・食育振興財団で106名、こども協会で123名、生涯学習振興事業団で76名の職員が増えていることが分かった。
 しかし、給食と子ども協会は、市が直営で行ってきた事業を移管したもので、給食の調理士や公立保育園の保育士が移ったことになり、その分、市の職員数が減ったことになる。給食は中学校給食を始めたのだから、その分の人件費は当然増えている。生涯学習振興事業団は、武蔵野プレイスという新たな公共施設ができ新たな事業が始まったことで職員が必要なり増えることは誰でも分かることだろう。

 職員数は、給食や図書館、保育などどのような事業、市民サービスを行うかで決まってくる。民間委託すれば、経費削減と言う人もいるが、委託とばれば、人件費ではなく他の費目(物件費など)でその分が増えてくる。間違えやすいのだが、民間がやろうが市が行おうが、事業を行うのであれば費用は発生する。経費を削減したいのなら、効率化はするとして、人件費を削るか、事業をやらないか(例えば給食をやらない)が最も大きな要素になる。人件費を削るとなると、非正規にするのが最も手っ取り早い。それでいいのかが問われるのだ。放漫経営と批判する候補は、学童指導員を現状のままの非正規でいいとしていることを考えると、いわゆる官制ワーキングプアをさらに拡大していくのかも問われるはずだ。
 指定管理者制度による民間活用で経費削減とよく言われるが、スタート当初は費用が安かったとしても実績を上げてくると(利用数の増など)、指定管理量を増額となることもある。その分、市民サービスが良くなったのだから当然のことで、民間にすれば費用はなんでも削減できるとは限らないのだ。人件費は、その成果分の市民サービスができているのかをまず問う必要があるはずだ。

 市の職員と外がく団体の職員人件費をトータルで計算すると、結果的に約10億円を削減しているとむらかみ候補の法定ビラには記されている。市の基金(貯金)を92億円増やし、市債(借金)を65億円減らし、トータルで157億円の財政改善になっているのが数字としての事実だ。放漫経営ではない、と私は判断している。

※川名はむらかみ守正氏を応援している。そのバイアスはあることはご承知おきください。