学童保育の利用児童数が過去最高に。全国的な課題と武蔵野市での課題

 全国学童保育連絡協議会は、全国の学童保育調査の結果を公表した。数字は、2013年5月1日現在のもので、学童保育数は2万1635か所、入所児童数は88万8753人と前年比789か所増、入所児童数は4万8753人増となっており、NHKニュースでは過去最多になったと伝えている。
 各地で開設され続けていることから利用する児童数は増えるは当然だが、課題は残ったままで、新たな課題も見えてきている。

 全国的な傾向としては、待機児が増えており。さらに『条件整備が遅れているため、利用したくても利用できない「潜在的な待機児童」(低学年でも推定40万人以上)がいる』(同調査結果より)ことから、まだまだ施設が足りないこと。都市周辺では施設を整えても希望者が多いことから大規模化になり詰め込み保育になっていることが課題になっている。
 また、国からの補助金が少ないため、財政的に安定しない施設が多く、自治体運営の施設でも事業費担が大きく、拡充できない課題もこの調査でも浮き彫りになっていた。

■武蔵野市の場合

 一方、武蔵野市の学童クラブ(武蔵野市は保育でなくクラブとしている)の場合は各小学校にあり、現状では待機児がいないため全国的な傾向とは違う。しかし、この調査結果を読むと今後に課題が出てくることがうかがえる。

 そのひとつは、小学校高学年をどうするかだ。これまでも書いているように法律が改正されたことで、平成27年4月からは現在の3年生までではなく6年生までが対象になる。学童クラブを利用していた児童が全て6年生まで続けるとは思えないが、この全国調査によると、2003年調査の高学年入所率7.2%が2013年調査では12.2%と増えてきているなど高学年の利用希望は強いとしており、現在待機児が現状ではいないとはいえ、今後、出てしまう可能性があるからだ。

 6年生まで受け入れるととなると、障がい児の入所対応も考えなくてはならない。武蔵野市では、障がい児を6年生まで学童クラブに入所させて欲しいとの要望に対して、3年生のとの体力差があることからできないとしてきているが、法律が改正されたことで受け入れを拒むことができなくなった。施設や指導員の体制拡充が、まずは必要になるが現状では明確な方向性は出されていないからだ。

■学校よりも長い学童の時間。中身を保護者は知っているか

 調査では、小学生が学校で過ごす時間よりも学童クラブで過ごす時間が年間で460時間も長いとしていた。ただしこの数値は、全国の平均的な時間で計算したとしているが、学童で過ごす時間を平日で午後6時20分まで、土曜日も午後5時56分までとしているなど武蔵野市の場合とは異なっている。とはいえ、小学校で過ごす時間よりも多いのは事実だ。
 となれば、より充実した学童クラブでの生活時間を考えなくてはならないはずだが、どこまで考えられているだろうか。これは、市だけではなく保護者がだ。

 学童クラブは、行政サービスのなのだから市が考えればいいとの意見を聞くことがよくあるが、そもそもを考えると、そうではないはずだ。保護者が働くために家庭にいない日中、子どもが安心して過ごせる場、生活できる場として学童クラブは始まっている。武蔵野市でも、当初は市が始めたのではなく保護者が必要だからと始めており、これは他の自治体でも同様だ。
 国の考えも雇用対策、男女共同参画のための事業の色合いが強く、保護者が働くために子どもの環境を整えるとの考えから出発している。となれば、働く者、保護者がどのような環境で子どもが過ごすべきかを考えるべきだろう。自分の子どもが過ごす場所、環境、それも、小学校よりも長く過ごす学童クラブでの様子をどの程度、知っているのか、感心を持っているのだろうか? 一歩引き下がって、サービスとして考えたとしても、その中身を分かって入所させているのだろうか、と思う。

 このことは別の機会にするとして、過ごす時間という尺度であまり考えたことがなかったので、この調査結果は興味深い。今後の中身の議論で着目したい。