全児童対策事業と学童の運営主体一体化  方向性は良いが気になることもあり

 武蔵野市小学生の放課後施策推進協議会が7月8日に開催され、中間取りまとめ案について協議が行われた。資料を読む限りではいい方向に向かっているように思えたが、一方で財源は? と思えた内容だった。



 協議会は、「地域子ども館あそべえ事業、学童クラブ事業、桜堤児童館事業などを含めた小学生の放課後と土曜日の過ごしかたについての検討及び各事業における施策の課題等について研究します」(市のサイトより)というもの。
 武蔵野市では平成27年4月からあそべえ(全児童対策事業)と学童クラブ事業の運営主体の一体化を予定しており、26年度に試行を行うとしている。26年度4月から試行開始となれば、26年度予算が固まる25年度の秋前に協議会としての課題抽出や意見などを示す必要が出てくることから、今回の議題となったのだろう。

 中間取りまとめ案は市のサイトでまだ公開されていない(7月11日現在)ため、公開されてからご確認していただきたいが、傍聴者に配布された資料を読むと、あそべえと学童クラブは、事業目的が異なりながらも同じ機能を多く持つことから連携協力することで機能充実ができ、『多様な遊びの充実とともに、障害児 等の受入れ、児童や保護者の相談といった相談支援機能等の向上を目指す。また、中長期的には、子ども施設が地域参加のきっかけとなり 、地域活動を応援する機能や(地域特性を踏まえた、)子ども達の課題に対して取り組みを行う機能を備えた施設となることも目指していく。このことを果たすための手段として、運営主体の一体化を行う』と記されていた。

 また、事業内容の良し悪しを決定する重要なポイントになる職員については、『高度な役割を担う館長・スタッフ・指導員の質の向上。(研修の充実。採用に当たっての資格要件の設定。利用者や地域住民等による評価の導入)』や『館長と指導員の一括採用。(相互の職に就く可能性あり。児童厚生員任用資格(教員免許・児童指導員任用資格・保育士資格・社会福祉士など)』とあり、一定の専門性を持つ人を採用したいとも記されていた。
 機能を充実するには、相応の人材が必要であることが記されていると考えれば、現状よりもさらにステップアップした事業にしたいとの意気込みだと感じられた。
 しかし、そう考えれば現在のような非常勤職員でいいのかが問われることになる。これまでの計画では、正規職員化(公務員としではなく、市の財政支援団体である子ども協会での正規化)について記載がされていたが、今回の案にはこのような記載が見当たらない。正規化となれば当然、人件費は上がることになり現状の事業費以上の予算が必要になってしまう。

 全児童対策事業と学童クラブ事業は同じような機能があるから一体化して事業費を削減するというのが多くの自治体で行われてきている。その結果、どちらにも中途半場な事業になってしまったり子どもが育つ環境として不安な状況になってしまったりすることもある。夢が膨らむような計画を並べるのはいいが、具体的に実行できるのか、するにはどうするのかが問われてくる。財源の問題を考えなくてはならないのだ。
 事業費が増えても子どものためであり、それが将来の武蔵野市のためになると判断すべきだと私は考えているが、実際にはどのように判断し、実現するだろうか、と気になってしまった。

 また、法律が改正され、運営主体の一体化がスタートする27年4月からは、学童クラブの対象児童が現状の3年生までから6年生までに拡大される。学童クラブに入所している児童が全て6年生まで入所するとは思えないが、今以上に児童が増えることは予想され、施設面積が足りるのか、待機児が出ることが考えられるが、このことについても記載がなかった。

 もっとも、このようなことは市や議会が考えることと言われれば、そうなのだろう。あくまでも「研究する」ことがこの協議会の目的だからだ。全体としてはいい方向に向かっていると思えたが、気になった点だ。

※運営主体の一体化は、両事業を一体化するのではなく、人材の雇用元を一体化するのとイメージ。事業は別々だが、同じ会社(組織)の職員が行うというもの

【参考】
武蔵野市 第2期 小学生の放課後施策推進協議会