スマホのアプリを新たな市民参加、協働に

 千葉市でスマートフォンのアプリやパソコンを活用した新たな行政への市民参加の実験が始まる。ちば市民協働レポート実証実験(ちばレポ)というもので、7月16日~9月末までに行われる。道路に穴が開いていたり、公園のベンチが壊れていたら、市民がその場でスマホで写真を撮り、専用のサイトに送信するという内容だ。

 

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 実証実験なので送信するまでしか行われないようだが、本来は送られてきた情報がサイト場の地図の上に表示されると、市が確認し解消に着手→問題が解決と段階的に情報が変わり、市民の提案から解決までの流れが「見える化」になるものだ。誰からの情報化、問題箇所の位置情報(スマホで緯度経度名が記録される)が同時に送られるため、電話を受けて対応するよりも正確に早く動き出せ、行政効率が上がるというものだ。すでにアメリカでも多くの自治体で採用されているという。このようなアプリの代表的なのがフィックスマイストリート(FixMyStreet)だろう。英国で開発されたアプリですでに日本でも公開され使用ができるようになっている。
 アメリカのカリフォルニア州などでは、心臓発作を起こした人がいるという情報を送ると、発作した人の近くにいる市民に情報が発信されるアプリを消防署が採用しているのだ層だ。心臓発作は一分一秒を争い対応が早ければ杯ほど助かる率があがる。そのため、救急隊員が来るまでの間、AEDで処置をしてもらおうというのもあるほどだ。

 しかし、このようなアプリがあると何でもかんでも行政に処理を頼むようになり、かえって行政コストをあげてしまう懸念もある。そもそも、市民の目の前にごみがあれば、自ら拾って捨てればいいだけのことを行政にやらせようとなってしまうからだ。 Open Knowledge Foundation Japanのサイトでは、例えば壊れたビニール傘を処理することを行うと、それだけで8800円のコストになると試算している。あれもこれもやっていたら財政はパンクしてしまうことになる。
 ところがそうならないのが、このアプリの面白ところだ。いろいろな情報が寄せられると、行政もすぐに行うもの、行わないものを判断をして、それがサイト上に明らかになる。市民側も例えばビニール傘を処理して欲しいという情報があれば、コストを明らかにしておけばそれは必要ないだろうと考えるようになり行政の考え方を支持するようになる。さらに、その程度なら私がやるよ、と他の市民が処理を行うことも起きてくるのだそうだ。ベンチが壊れていたら、その程度なら直せるという市民が出てくることも考えられるという。
 
 つまり、アプリによる新しい形の市民参加、協働になる。

 スマホだけではないが情報機器は使いようによっては大きな可能性がある。そこで、情報機器を新しい市民参加、協働のための道具と位置付けて活用を図るべきではないか、と先の一般質問で提案をした。
 武蔵野市には、総合情報化基本計画があり、現在、25年度までの第三次計画が実行中だ。この計画を読むと、情報機器(ICT機器)をどのように使うかに主眼が置かれており、何のために使うかがほとんど書かれていない。そこで26年度からの時期計画では、細かな技術的な課題やセキュリティ対策、デジタルディバイド対策が必要だとしても、情報公開、市民参加、協働を進めるための新たな道具、そして、新たなコミュニティにもなると考えらるのが情報機器とする理念をつくり、そのためにどのように活用するかという計画につくり直すべきではないかとの内容だった。
 
 市長は答弁で、次期計画を今年度中に策定する予定だが、市民サービスに直結するICTの活用を第一義的な目標と位置づけるが、長期計画にでも掲げいる市政運営への市民参加と多様な主体間の柔軟な連携と協働の推進というテーマに合致するものであり、多様な市民参加の手法の一つとしてよく検討したいとしていた。今年度中に形になると思う。期待したい。

 そして、このようなアプリが広がると議員の“仕事”にも変化が出てくると思う。議員は本来、行政機能の監視や政策提案にあると思うが、市民要望の橋渡しが主な仕事を思っていると“仕事”がなくなってしまう可能性もあるからだ。議員への影響もあるアプリともいえる。

【参考】
NHK クローズアップ現代 ガバメント2.0 市民の英知が社会を変える

画像は、Aberdeen City Council のFixMyStreet