市民スペースは必要?  歴史資料館(仮称)の案を公表 

  旧西部図書館の跡地を歴史資料館にするための説明会が2月2日に旧西部図書館で行われた。参加した市民は、市の西部地区に住む住民と市の中央部や東部に住む住民に大きく分かれて、市から示された案に対しておおむねこの案でいいとの地元住民の意見と市の端ではなく中央部に必要、施設規模も小さすぎるとの意見に分かれていた。



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 歴史資料館は、昭和46年に「武蔵野市郷土資料館建設に関する請願」が議会に提出さたことから始まり、昭和63 年には、開村100年委員会から、「武蔵野歴史資料館(仮称)」と「武蔵野民俗資料館(仮称)」の建設に着手すべきとの提言されたことから、第二期長期計画・第二次調整計画では「歴史資料館の建設」と「民俗資料館構想の推進」と記されたことから延べ床面積4千平方メートルの施設が必要と計画まではできていた。
 その後、バブル経済の崩壊により不要不急な施設は着手しないと市は方針を変更。第三期基本構想・第二次調整計画では、郷土資料と市政情報提供機能を持つ歴史資料館として旧中央図書館などの既存施設を活用する方向で検討するとしていたが、それでも推定で7億円という巨額な建設費がかかること、集客できるのか、そもそも武蔵野独自の民俗資料はどの程度あるかなどの疑問も出されていたことなどで先送りされきた懸案の施設だ。
 しかし、武蔵野プレイスが開館したことで、西部図書館が閉館(プレイスは西部図書館が移転、拡充したことになっている)したことで、跡地施設を活用して歴史資料館にするというのが、これまでの大まかな流れだ。

 前段が長くなったが、これまでに歴史資料館を作る計画がなくなっていなかったこと、求めていた人(それも旧中央図書館跡で)もいた人も少なくはなかったことから、今回の説明会では、このような狭い施設ではなく、もっと広い施設にするべき。これまでに収集したものを収納することや展示できないなどの意見がでていのだろう。
 

 説明の参加者は約30名。市の端では電車賃がかかってしまう。現在収集している民具などは全て入る面積がなく、市は処分を含めて収蔵する民具などを精査するというが、今の世代で決めていいものか。収蔵庫は他につくり、短期的にはここで開設すとしても将来は大きな施設にするべきとの意見もあった。

 一方で、旧西部図書館は子どもの利用が多かった。これまでの市との話し合いでは市民スペースを残すとしていた。新聞が読めるような場所、地域が交流、自由に使える場所が必要だとの周辺住民からの意見も出されていた。これらの意見に対しては、地域エゴではなくグローバルに考えた歴史資料館が必要。交流はコミュニティセンターを使えばいいとの意見。逆に市民に開かれた資料館なら必要との意見も出され、市民スペースを必要との意見ともっと収納スペースを設けるべきとの相反する意見があり、この場ではまとまった考えにはならなかった。
 今後はパブリックコメントをとり歴史資料館の内容が固まっていくことになる。市議会には、2月1日の総務委員会でこの報告があったが、そのさいには、25年度前半で内容を固め、後半で行政資料や旧桜堤小学校にある民族資料から保存すべきものを移転させ、26年4月にはオープンしたいとの市の考えも示されていた。

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 一度、道路計画を決めると何年かかっても作ることが大前提で決してなくすことがない、とは、よく言われる役所的発想をいう表現だ。今回の説明会を聞いていて、このことを思ってしまった。
 それは、一度、歴史資料館を作ると決めたのだから、いつかの時点で作らなくてはならない、タイミングがあれば作るのが仕事と考えていないか、ということだ。

 この歴史資料館が必要としている背景には、法律で公文書を保存しなくてはならなくなったことがある。その一方で、旧西部図書館は都営住宅を作るさいに地元還元施設として都から借りている前提があり、さらにその目的は図書館としてだ。
 公文書の保存は必要なことは分かる。中島飛行機関連の資料もここで保存したいというのも理解できる。それぞれ必要なことだ。と考えると、歴史資料館ではなく、目的を絞った図書館でいいのではないか、と私は思ってしまった。歴史資料館という名称を使うことで、期待が高まってしまうのではないか。純粋な歴史資料館、民族資料館ではないことを理解さないのではないか、と思うからだ。

 市からの説明には、市民に利用されない、20年間も同じ展示内容のままの歴史資料館が他の自治体にはあるが、そのようなことにはしたくない。展示内容を市民と一緒に考えることなどで利用される施設にしたいという内容があった。議会からも武蔵野の文豪の書籍を収集するなどで利用される施設にすべきだとの意見がだされている。私もそう思う。
 歴史資料館という名称の施設を作ることを目的とするのではなく、利用されるにはどうすべきか、何が必要かを考えて、名称は後で考えればいいのではないか。それこそ、“西部図書館”としておき、使われるような内容を考えればいいだけのことではなかったのか、とも思った。十分に満足できる、とは思わないが、これまでの計画よりかは周辺住民への配慮も伺える内容になってきたと思うが、仮称であっても、歴史資料館にすることで問題を複雑化させているように思えてならなかった。

 計画案は市のサイトにある。パブリックコメント2月15日まで。意見をお寄せください。

【参考】
武蔵野市歴史資料館(仮称)整備計画案への意見募集

 画像は、整備計画案にあるフロアの平面図。いつの間にか、ここまで作っていることにも驚いている。