武蔵野市 警察と学校との相互連絡制度の運用へ  

 武蔵野市の教育委員会は、警察と学校との相互連絡制度を今年度内に協定を締結したうえで運用を始める。この制度により、市外で起きた児童、生徒の非行の問題行動について迅速に解決ができるとしているが、武蔵野市はこれまでは運用をしてこなかった。方向転換となる。

 この制度は、問題行動の広域化やいじめの陰湿化などにより学校や市だけでは解決できない例が多くなったことから学校と警察とが連携することで非行や犯罪被害の防止、早期解決を目的としている。例えば、刃物を使った傷害事件や薬物、学校間抗争、ネットへの書き込みなどは学校だけでは解決が難しいためとされている。平成16年度より警視庁少年育成課長と市区町村教育委員会教育長との問で順次締結されているが、都内では、武蔵野市のほか、国分寺市、国立市のみが運用していなかった。今回、この三市とも運用する予定。制度は東京だけではなく全国的に行われているものだ。

 武蔵野市が運用することにしたのは、現状で懸念することはないが、将来への予防とすること。先行して運用している自治体では特に問題になっていないためとしている。運用するにあたって、市の個人情報保護審議会に諮ったところ、警察と学校との相互連絡制度ガイドラインを作成し、児童・生徒等に関する個人情報保護対策を明確に規定することという意見が付き承認されたことから今年度内に運用をすることにしたとしている。

 警察から学校への連絡されるのは、逮捕事案、家庭裁判所、児童相談所への送致(通告)されるもの、その他、警察署長が学校連絡の必要性を認めた事案。学校から警察へ連絡されるのは、学校内外における児童・生徒の安全確保及び犯罪被害の未然防止等のため、校長が警察署との連携を特に必要と認める事案としている。
 市教育委員会は、情報を警察へ提供する場合は、本人や保護者に丁寧にすることや提供された情報が、その後に不利益にならないようにしたいとしている。この報告は、2月4日の市議会文教委員会であった。
 

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 警察と学校との相互連絡制度については、学校が問題行動だと判断すれば、児童、生徒本人や保護者が知らないまま警察に情報が提供されてしまい、その後は警察だけがこの情報を判断し捜査に使ってしまうのではないか。監視社会がより広まってしまう。本来、学校が問題解決をしなければならないのに、警察任せにならないかなど制度が始まった当初は懸念する意見もあった。確かに警察へ情報提供されることには抵抗感があるが、今では懸念する意見をあまり聞かないので、現状では問題がないのかもしれない。しかし、情報はどこでどうなるか分からない。今後も、注意深くこの制度を注視していきたい。

【資料】
2013年02月04日文教_警察と学校との相互連絡制度に係る協定の締結について.pdf