市長、議員の報酬は据え置きに  報酬審議会答申

 議員へ報酬審議会の答申が配布された。審議会は2年に一回、行われるもので特別職(市長、副市長、議員など)の報酬(給料)が適切な額かを市内の商工関係者、研究者、税理士、労働組合関係者、議長経験者などで協議するもの。

 武蔵野市議会議員の報酬(給与)は平成8年から改定はなく、額は据え置きされている。経済状況や公務員の給料が減額傾向にあるなかにあって、引き上げは考えられないとして、据え置くか、減額するかが問われたのだと思う。
 答申書を読むと、『市政運営のための活動が広範囲に渡り活発であることや、現在の職務及び仕事量などを総合的に考慮した結果、現行の額を据え置くことが妥当』としたことで据え置きとなっている。

 議員は減らせ、報酬はもっと減らせという意見は多く聞く。しかし、議員が実際に何をするべきなのか。その規定が明確ではないなかで適切な数字は出せないと私は思っている。議会基本条例など、このような仕事をするからと明確に示したうえで、適切な報酬額を考えるべきではないか、とは私が所属する会派として審議会には主張をさせていただいた。
 また、有権者が議員は、地域や業界団体代表で何かの時に役立てばいいと考えるか、あるいは、市政全般に目を光らせ政策を作る専門職として考えるかでも変わると思う。
 現状では任期4年の非正規雇用。他に正業がある人や独身、リタイヤされた方など報酬をあてにしなくてもいいのならまだしも、安定した会社から転職するにはあまりにもリスクが大きく議員になることは勧められないと私は思っている。

 答申書の最後に『昨今の地方議会改革をめぐる動向を踏まえ、本市議会においても議会や議員の役割に関する自律的な議論が今後活発に行われることを前提に、今回は据え置きの判断に至った』とわざわざ記されていた。議論をすることが前提での据え置きということだ。この重みを議員は認識し、具体的な行動と結果を示すべきだろう。

(参考)
 日本☆地域番付による全国の議員報酬ランキングで武蔵野市議会議員は161位となっていた(2012年4月調査ベース。月額税込で55万円)。これは、三鷹、調布、府中。小平など周辺市と同額。

 以下が答申書の内容。

  平成24年度武蔵野市特別職報酬等審議会答申

 1 はじめに

本審議会は平成24年11月29日、武蔵野市特別職報酬等審議会条例第2条の規定に基づき、武蔵野市長から市議会議員の議員報酬の額、市長及び副市長の給料の額並びに市長及び副市長の退職手当について諮問を受けた。本審議会は、都内の他市区や類似団体における報酬等の状況や最近の社会経済情勢など、本市の特別職の報酬や市長及び副市長の退職金に関連する諸情勢について、広範な角度から審議した。

 2 審議会における論点

 社会経済情勢は、東日本大震災の復興需要を背景として緩やかに回復しつつあったが、現状では世界経済の減速や金融資本市場の変動等が景気を下押さえしている。また、非正規雇用の増加や生活保護世帯の増加など、賃金動向や雇用面においては改善が見られていない。このような状況下で特別職の報酬を引き上げることについては、市民の理解を得ることは厳しい状況にある。

 市長及び副市長等の給料額については平成8年9月1日以降改定が行われてこなかったが、前回(平成22年度)の本審議会の答申に基づき、平成23年4月より、過去10年間の常勤一般職の減額改定率を反映させ、市長は4万円、副市長は3万5千円、監査委員は3万円の減額改定が行われた。その後の2年間をみると、常勤一般職については、累積0.56%の減額が見込まれる状況であり、今回この要素をどう捉えるかとの議論があったが、改めて、現在の市長の職務の範囲や職責の重みを考慮すると、据え置きが妥当との意見が多くあった。なお、副市長と監査委員については、常勤一般職も含め、それぞれの職責差を踏まえた給料額のバランスについて、今後検討していく必要があるとの意見があった。

 一方で、退職手当については、平成23年度より給料額が下がったことにより、実額は減額されているが、支給率をみると、市民感覚としてはまだ高いのではないかとの意見があった。

 議員報酬については、平成8年度以降改定が行われていないが、議員ヒアりングを実施した中では、今の社会経済情勢を考慮すると、一定程度減額することが望ましいとの意見があった。一方で、専従の議員が増えていること、また、今後も市政運営にとって有為な人材を確保していくためには、公選職としての議員の社会的地位についても配慮し、減額すべきでないとの意見もあった。議員活動が活発化すれば、交通費をはじめ様々な経費が増え、これについては現状では費用弁償等がないこと、また、政務活動費としても支出が困難な場合があることなどから、生計上はかなり苦しい現状があるとの複数の意見があった。

 全体を通して、議員のバックグランドは様々であり、世代の幅もあることから、個々の生活実態と照らした様々な意見があったが、本審議会での報酬の捉え方としては、改めてその職務や仕事量に見合ったものかどうかという視点で考慮すべきとの意見があった。

 3 結論

 今回の本審議会では、市長、副市長及び市議会議員の特別職の職務・職責、議員ヒアリングを通して認識した議員の活動や生活の実態などを総合的に勘案し、以下のとおりとすべきとの結論に達した。

 市長、副市長及び監査委員の給料額については、平成23年度から減額改定しており、減額後の社会経済状況を考慮に加えても、据え置くことが妥当であると判断した。
 また、市長及び副市長等の退職手当については、給料額を減額したことに伴い、実額で減額となっていること、及び他団体との比較においても、均衡を逸していないことから据え置くことが妥当であると判断した。

 議員報酬については、昨今の社会経済状況から減額についての議論もあったが、市政運営のための活動が広範囲に渡り活発であることや、現在の職務及び仕事量などを総合的に考慮した結果、現行の額を据え置くことが妥当であると判断した。

 4 付記事項

 議員報酬や政務活動費については複数の異なる意見があったが、議論の結果、本審議会としては、昨今の地方議会改革をめぐる動向を踏まえ、本市議会においても議会や議員の役割に関する自律的な議論が今後活発に行われることを前提に、今回は据え置きの判断に至ったことを付言しておく。
 また、先行きの不透明な社会経済情勢や状況の変化に即応した報酬等のあり方を審議するため、引き続き2年に1度を目途に、定期的に開催するべきであることをあわせて付言しておく。

【資料】
2013年01月22日報酬等審議会答申書.pdf