木質ペレットの可能性

CIMG0910 皆さんの家で冬の暖房のエネルギーは何をお使いだろうか? 電気やガス、そして、石油というのが多いと思うが、一部の電気を除き、どれもが枯渇エネルギーではないだろうか。そこで、暖房の燃料として使える再生可能エネルギー、木質ペレットについて京都市へ視察をしてきた。
 木質ペレットを燃料とするストーブやボイラーを普及させることで、林業の再生、国内で生産できるエネルギーの拡充につながる。なによりも大気中の二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラル資源であり、もっと注目すべきと思っているからだ。

 視察内容は、京都市が行っている普及事業と木質ペレットを製造販売している「森の力京都株式会社」について。

 木質ペレットは、間伐材などを破砕し粉状にしたあと乾燥させて圧縮、粒状の燃料にしたもの。接着剤などの化学製品や添加物など使用しない100%天然の木材燃料だ。木材を燃料とするものには薪ストーブがあるが、燃焼効率が良いこと、自動点火装置など少々便利な装置が木質ペレットストーブにはあることが特徴だ。
 燃料代としては灯油と同じ程度とされている。そのため、灯油燃料のストーブ、あるはボイラーを木質ペレットに変えることで、燃料代が海外へと流れてしまわず国内へと流れることになる。このことによって、木材の利用用途の拡大となり林業再生や木質ペレット製造工場での雇用、流通による雇用などが生まれる国産燃料、資源になると期待されているものだ。
 また、間伐材など未利用の木質資源を原料とするため、伐採後に植林すれば再生可能エネルギーとなる。燃やした際に排出される二酸化炭素は、もともとは木が生長の中で大気中から吸収・固定したものなので、大気中の二酸化炭素を増加させない燃料でもあり(カーボンニュートラル)二酸化炭素排出量も削減するという利点もある。

 課題はストーブの代金。初期費用が掛かってしまうこと。家庭用でおよそ20万円からだ。さらに外気誘導用のユニットを設置しなくてはならず、石油ストーブのように買ってきて燃料を入れたらすぐに使えるというものではない。ただ、煙突を付けるような大掛かりの工事ではなくFF暖房装置のように外気につながる筒を付けるだけのストーブがあり、薪ストーブのようにストーブの周囲に断熱材を設置することも必要ないので、大きなハードルというほどでもないと思う。
 灰は残るが、そう多くはなく肥料に使うこともできる。ファンを回すために少量の電気を使うが、水力などの再生可能エネルギー電力を使うと完全な再生可能暖房装置になるだろう。東日本大震災の被災地で灯油が入手できなかった地域では、この木質ペレットストーブが活躍したとの話もあり防災面でも役立つはずだ。
 何よりも燃えている火を眺めることでの“癒し効果”があること。二酸化炭素を増やさないことや目に見える木材を使うことでの環境教育としての効果もあることから公共施設に設置している自治体も増えてきている(特に林業がある地域)というものだ。

 
 京都市は、訪れるまで知らなかったが、市域面積の3/4を森林が占めているとのこと(合併で広がった)から、林業振興策として木質ペレットの拡充を考えたのだそうだ。それまで森林整備や京都産の木材のアピールなど行ってはいたが、それらだけでは林業振興までにはならない。森林整備を川上とすれば、新たな需要を開拓する川下も含めてトータルな振興策が必要とためと考えたからだそうだ。
 そのため、「地域グリーンニューディール基金事業」として木質ペレットストーブなどの普及促進を始めたのだそうだ。

 具体的には、
・都市において間伐材などを利用した木質ペレットの利用を促進するために市民へのペレットストーブの設置費用助成(補助率1/3。上限20万円)
・事業者へのペレットストーブ導入助成(補助率2/3。上限3000万円)
・公共施設にペレットストーブ及びペレットボイラーを整備→事業主体が「森の力京都(株)」
・年間ペレット生産量3,500トンの工場建設の全額(2億5,000万円)助成。木質ペレット化事業に乗り出す(2010年度)など

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 設置助成をスタートさせたのは平成21年度で102件が応募。24年度で18件の申請があるという。今後は年間を通じで需要のあるボイラー用に木質ペレットの拡充をしていきたいとしていた。

「森の力京都」は、この事業のために設立した会社で若手林業家を中心にしており、新たに現状で5名の雇用が生まれたという。

 木質ペレットは、ストーブなどが普及すれば需要が続くことになり、林業家の仕事につながり、国産エネルギーとして森林が見直され整備も続けられるようになる。しかし、家庭でも林業化でもストーブ購入やペレット工場設立という初期投資がネックとなり事業が動き出せない。だから自治体が税金を使いスタートを手伝ったというのがこの事業の大まかなスキームだろう。かと言って公がいつまでもやるべきこともない。スタートダッシュだけに投資をしたということになる。
 
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  木質ペレットストーブの助成を受けた人の使用感アンケートを見ると、炎を楽しめる、デザインがいいという評価と同じように環境に貢献できるとの項目が高い点数だった。最初のハードルさえクリアできれば、普及が進むことになるのは確かなのだ。
 また、武蔵野市では東京の森を守ることを目的に自然体験などを行う事業として「二俣尾・武蔵野市民の森」を行っている。森や林業へ関心を持ってもらう事業としては一定の意味はあると思うが、林業が経済的に自立していかないことには森を守ることも難しいだろう。木質ペレットの普及で東京の林業にもいい影響が出るのではないかとも考えている。

 木質ペレットストーブは、私も欲しいと思っているが、最初のハードルが超えられないのが実情。東京でも最も普及できることを考えたい。いずれにせよ、木質ペレットは再生可能エネルギーとして、林業再生へといいツールになるはずだ。

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写真は上から
・木質ペレットストーブ
・森の力の工場内
・できたばかりのペレット
・市内で京都産のペレットの販売支援を行うツール
・視察メンバー(ローカルマニフェスト推進地方議員連盟の視察で他自治体の議員と伺った)