八丈島で地熱発電拡大計画  原発新設より再エネ拡充を

 東京都は、八丈島で地熱発電による電力を増やし、島内の約9割(86%)を自然再生エネルギーで賄う計画を発表した。東京新聞(2013/1/5)によると『事業主体は公募し、総事業費は数十億円とみられる。都は出資せず、初期投資は国の固定価格買い取り制度を利用して回収する』というもの。原発の新設を検討するよりも、このようなことをもっともっと進めるべきだろう。

 

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 東京都のプレス発表によると下記がこのプロジェクトの概要だ。

●現状
 平成11年設置の出力2,000キロワットの地熱発電所を東京電力(株)が運用

●モデル・プロジェクトの想定
地熱発電の規模を6,000キロワット程度に3倍増
出力調整用の揚水発電(1,200キロワット程度)を導入
⇒再エネ利用率の大幅拡大(試算:約25%⇒約86%)が可能(画像)

●検討スケジュール
平成24年度
 地元関係者、学識経験者等からなる検討委員会の立ち上げ
 事業スキーム、地元への利益還元手法等の検討
 電力系統の安定的運用に係る調整
平成25年度
 フィージビリティスタディ(実現可能性調査)、コスト計算等の実施
 ⇒事業スキームの確定

関係者との調整を踏まえ、平成26年度の整備事業開始をめざす。

 この八丈島の地熱発電だけではなく、国内各地で新たな再生可能エネルギーを増やすプロジェクトの検討が始まっている。その一つに経済産業省が2013年度までに再生可能エネルギーによる発電事業の計画策定を支援するプロジェクト(平成24年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業)がある。1件あたり上限500万円の予算で事業化に必要な調査を行うという内容で、現在、その対象に31件が選ばれており、調査結果を2013年2月末までに報告書にまとめるスケジュールだ。

 このプロジェクトには、この八丈島のプロジェクトのほかエネルギーと農業を組み合わせた体験型プログラムや学校等の公共施設、企業等の商業施設に市民が共同で発電設備を設置するシステムや複数の自治体で市民と一緒に太陽光パネルを設置する事業(どちらも市民も出資するファンド)、潮流発電(淡路市)、以前このブログでも紹介したソーラーシャアリング(南相馬市)など31件が含まれている。そして、そのいずれも地域活性化も同時に考えられているのが特徴だ。

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 この31件を見ると公共施設を活用とする例が3件あった。都市型の武蔵野市とは違う環境の自治体が手を上げており、条件が異なることはじゅうぶん分かるが、武蔵野市からも具体的なことができなかったのかとも思ってしまった(公共施設を使った市民ファンドによる再生可能エネルギーの拡充は提案済み)。

 安倍首相は、原発について『新設に前向きな姿勢を軌道修正した』(東京新聞2013/1/5)そうだが、新設の検討の前にこのようなプロジェクトを現実化することを最優先にするべきだ。