値下げと値上げがセット 認可保育園の保育料見直し議案 可決へ

 12月12日の市議会文教委員会で認可保育園の保育料を見直す議案が審議され、賛成多数で可決した。19日の本会議で成立すれば来年4月から見直されることになる。
 見直し内容は、先に保育料審議会が提出した答申と同じで、平均改定率は全体で9.03%(3歳未満児9.0%、3歳児15.8%、4歳児以上2.3%)。平均改定額は、3歳未満児3,389円、3歳児3,567円、4歳児以上1,463円の値上げとなる。一方で年収約330万円以下の世帯の保育料は値下げ、二人の子どもが保育園を利用する家庭への減額や第三子は無料となることも行われる。問題となっている認可保育園と認証保育所やグループ保育との保育料格差については、この見直しによる財源増で対応したいとしていた。

 見直しの理由には、全体の運営費に保育料が占める割合が認可園で10. 91%(平成23年度決算)であるのに対して。認証保育所では44.1%、家庭福祉員では34.6%、グループ保育室(A)では31.3%となっており、認可園の保育料割合が少ない課題もあったとしていた。

 見直しで注目したいのは、増えた歳入を何に使うかだ。議案は保育料を見直すもので、何に使うかは直接は関係しない。だが、審議のなかで新たな保育ニーズや認可保育園と認証など他の保育所などの格差を少なくすることなどに充てたいとしていた。

 答申にも書かれているが、武蔵野市の保育には次のような問題がある。

①新たな保育ニーズや保育の質の向上に対応するための財源などが必要
②新たな待機児対策等のための財源が必要
③第3子減免(保育園に児童3人が在籍している世帯への減免制度)がない
④グループ保育室の保育料には認証保育所などにはある助成金がない
⑤認可保育園と認証保育所、認可外保育施設の保育料格差がある

 認可保育園の平均月額保育料は18,900円(0~5歳平均)だが、認証保育所では約66,3 33円(0歳児平均、1日8.5時間利用として)、家庭福祉員(保育ママ)は54,000円(0歳児平均、1日8.5時間として)、グループ保育室(A)では73.980円(0歳児平均、1日8時間利用)と大きな差がある。
 さらに認証保育所の保育料は認可のように所得によって変わるのではなく一律だ。審議会の資料に認証保育所利用者世帯の所得階層があったが、これを見ると所得の高低によって利用する、しないが分かれていないことが分かった。つまり、低所得者が認可保育園に入れず高額な保育料になってしまう認証保育所を利用している実態があることになる。となれば、施設は別としても保育料の格差はなくしていくこと、認証などを利用している低所得者の保育料へのなんらかの助成が必要だろう。
 
 答弁によると、今回の保育料見直しで年間約3000~4000万円の歳入増になると想定されている。この増えた財源は、このような格差や保育、子育て支援に充てたいとの答弁だった(実際には来年度の予算でないと分からないが)。

 審議の結果、賛成多数で可決となった。賛成した会派は、自民党、民主党・無所属クラブ、むさしの未来、市民クラブ。市民の党は反対。共産は委員長なので採決に加わっていない(公明党は委員がいない)。
 また、同時に審議された  陳情は賛成少数で不採択(否決・賛成は市民の党のみ)だった。

■答弁のなかで認可保育園の定員を今後、93名増やすが、この費用だけでも2億5000円からから3億円。認可外への保育料格差への配慮で数千万円はかかるという見通しもあった。保育料の見直しによる歳入増以上に費用はかかることになり、この費用は、高齢者や保育園を利用しない市民全体の税金から支払うことになる。そのことを考えれば、認可保育園利用者の負担が増えるのはダメ、でも保育はもっと拡充しろとはいえない。同じ保育を必要としている家庭にも多少の負担をお願いしなくてはならないと思う。
 このご時世に負担増に反対。保育料格差は別にやるべきだとの考えもあるだろう。そう言うほうがウケはいいだろう。考え方としても分からないでもないが、財源がふんだんにあまっているのではなく、今後も大幅に増えるとは思えない。そう考えれば、待機児対策や保育料格差への財源に使いたいと市長自ら答弁していること、低所得者への値下げもあることを考えれば納得ができる見直しだ。