“スマート”なクルマ

豊田市で行われている低炭素社会システム実証プロジェクトを市議会総務委員会で視察した。鉄道やバス、小型電気自動車を組み合わせた全市的な公共交通ネットワークを作ることや蓄電池を備えたスマートハウス、太陽光パネルやエネファームなどを最初から備えた分譲住宅の販売など多様な実験が行われており、簡単に説明できないほど。時間の都合で、さわり程度の話しか伺えなかったが、これらを見て思ったのは、原発に頼らず家庭で自ら電気を作り効率よく賢く使う(=スマート)ことの重要性と日本の新しい産業になるだろうというだった。

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 実証実験は、豊田市と豊田自動車など民間企業19社が『豊田市低炭素社会システム実証推進協議会』(会長 鈴木公平 豊田市長)を設置し『家庭・コミュニティ型の低炭素都市構築実証プロジェクト』として行われている。2010年から5年間行われる予定。
 太陽光パネルなどの自然エネルギーによる発電と蓄電装置、電気自動車のバッテリーの連携だけではなく、効率よく移動しエネルギーの消費を少なくするまち全体の交通システムの実験も行われている。じっさいに生活しながら、技術やシステムでエネルギーを効率よく使い、使用する量を減らすことで生活レベルを落とさず低炭素化社会を実現することが目的となっている。

IMG_1366 太陽光パネルと蓄電状況を見ながら家庭内の電気消費量を見る装置(画像)は他でも行われているので、標準装備として今後の住宅には必要だろうなと思ったが、最も興味を持ったのは超小型の電気自動車、COMS(コムス)だった。メカ好きということもあるが、日常の街中の移動にはこのような“クルマ”で充分じゃないかと思うからだ。
 もちろん、自転車や歩くことを優先すべきで公共交通網の整備も必要だが、どうしてもクルマが必要ならこのような超小型のクルマでことが足りることが多いのじゃないだろうか。四人乗りのクルマに1人で乗ることはかなり多いはずで、積みきれないほどの荷物を運ぶこともほとんどないはず、と考えると隙間産業的な可能性が高いと思う。小型であるため大型のバッテリーの搭載が物理的に無理だが、実証実験では市内中に充電スポットを張り巡らすことで対応する予定だ。
 また、個人所有だけではなくシェアすることも考えらている。「Ha:mo RIDE(ハーモ・ライド)」というもので、街中に充電器を備えたステーション(駐車スペース)を設け、スマートフォンで予約などを行い他のステーションで乗り捨てもできるようにと考えられている。駅から歩くには、ちょっと遠い場所との移動や公共交通機関と公共交通機関の間で利用することで効率よく移動することなどが想定されている。
 実際のCOMSは、ゴルフ場にある電動カートと宅配ピザ用バイクに遊園地のゴーカートを混ぜ合わせてきれいにまとめたとの感じ。ダイハツのミゼットをよりスリムにして荷台を小さくした“スマート”にしたクルマといったほうが分かりやすいかもしれない。いずにせよ、これでことが足りることはおおいのではないだろうか。社会システムとすることで産業になることも考えられるな、と思った。

 これらの電気を再生可能エネルギーでどこまでまかなえるか。できるようにすることが、今、最も求められているのだと思う。そして、各事業者の調整、街のインフラ整備なども必要となり行政の役割が重要だとも思った。

IMG_1354 ドアはオプション。街中や近距離の移動なら雨風防げて寒くなければ十分じゃないだろうか