市民が財政を勉強すると

 12月2日に小金井市で開催された「連続講座~こがねいの補助金の仕組みと役割を考えよう」に参加した。この会では、大和田一鉱さんの基調講演の後、国立、小平、武蔵野市で市民が作成した財政白書の報告があり、参加者からの質問、意見交換となった。そのさい、印象的だったのが、市民が財政白書を作ると行政や議会はどうなったのか、との質問だった。

 この質問には、それぞれの市からの報告のほか、講演をされた大和田さんからも各地の状況が話されていた。簡単にまとめてみると、議会で市民が作った財政白書を元に質問する議員がいたり、刺激されて議会が財政についての特別委員会を設置するといったポジティブな影響を与えることがある一方、無視された。議員から市民のくせに、との思惑を感じたなど微妙な影響になった例もあるという。行政も市民が過去のデータを求めると嫌そうに出さない自治体と喜んで出してくれる自治体に二分されているようだった。

 財政分析やそこから浮き上がる課題を解決する手法を考えるのは、本来であれば、議会の仕事だろう。特に決算委員会はその場でもあると思う。市民が財政白書を作ることで、議会の力量が試されるのかもしれないと思った。同じように、行政の度量も試されるのかもしれない。うがった見方をすれば、隠したいことがあるのかも、と思ってしまうからだ。

 ちなみに武蔵野市の場合は、基本的な情報はネットに掲載されており、決算データ以外にも市独自の財政分析も毎年行っている(年次財務報告書)。ネットにないような過去の決算カードも快く提供していた。あとは、議会。きっとこれから、活用されるのだろう。

 大和田さんによると、行政が作る財政白書を作ると、それこそ白書で味も素っ気もない。さらに、市民に分からせてやろうとの意思を感じるという。逆に同じデータを使い市民が財政白書を作ると、広く読んで欲しい、売らなくてはならないとの思いがあり、分かりやすく作られることになる、とその違いについて話されている。納税者であり行政サービスに受け手でもある市民。その市民が判りやすくする作ることのほうが行政が作るものとは別次元で、市民による財政白書の意義は大きいということだろう。

 大和田さんの調査によれば、多摩26市で市民が財政白書を作っているのは、八王子、日野、あきる野、西東京、多摩、町田、国立、昭島、東村山、狛江、小平、小金井と武蔵野市の計12市(他に日の出町がある)。やっと半数に近づこうとしており、武蔵野市も追いついたことになる。今後、他の市がどうなるかも気になる。