保育料の値上げ案を提案  保育料審議会

 11月7日にあった武蔵野市保育料審議会を傍聴した。この会では、低所得者層には配慮し、中高所得者層の見直し(=値上げ)をする方向性が示され、改定によって得られる財源を待機児対策や認可保育園に比べて数倍となる認可外保育施設への負担軽減を実施すべきと議論されていた。

 傍聴者に配布された資料から見直しについての概略をまとめてみると下記のようになる。

●なぜ改定するか?
・16年間保育料を改定してこかなった間におきた武蔵野市の保育課題の解決を行うため
・保育所運営事業に対する市負担額を軽減することによる子育て施策全般の充実のため

 具体的には、改定により増える財源は下記へ充てることを想定。

 1.新たな保育ニーズや保育の質の向上に対応するための財源など
 2.新たな待機児対策への対策
 3.第三子減免の実施(3人在籍世帯への減免制度の実施)
 4.グループ保育室へも他の認可外保育園と同じ負担軽減策を実施する
 5.認可保育料の負担軽減策の実施
 
●改定において留意する点
・低所得者への配慮を行い、なるべく徴収増を行なわない。最低保育料は、給食食材相当額を想定
・年収に占める保育料割合を考慮すること
・複数児童在園世帯への配慮(武蔵野市では行われていない保育園に3人の子どもを預けている場合の減免など)

●保育料改定の概要
・保育料は、3歳未満、3歳、4歳以上の3本
・低所得者層へ配慮しつつ、中間層部分に対する保育料改定も行い。全階層において一定程度の改定を行う。

●改定額案
 全体の改定率は、14.72%。年齢層ごとの改定率と改定額案は下記だ。ただし、実際には所得によって保育料は変わり、次回の審議会での修正もあると考えられる。あくまでも平均であり、現時点の案なので注意が必要だ。

・3歳児未満=10.8% 2564円
・3歳児=  30.6% 4013円
・4歳児以上=14.1% 1808円

 

    ◆

 保育料を値上げるすることで増えた財源を他の保育施策の充実や認可外保育料への財源にしたいとの方向性が出されたことは評価したい。しかし、委員から発言もあったが、この不況下で上げることがいいのか。そもそも、今の国の子育て施策でいいのか、武蔵野市の子ども施策はどうあるべきかの議論こそが必要だと思う。
 審議では階層によって他の市の半額程度の保育料となっているが、これはなぜなのか。武蔵野市の保育の理念を示していたのではないか。このような武蔵野の理念を明確にしないことには、上げるべきかどうか判断できないとの指摘もあった。ここが最も重要なことだろう。審議会では、なぜこのような差になっているのか明確な答えはでていなかったからだ。

 また、審議の最後のほうで、「武蔵野らしさ」は何かの議論があったが、他市と同じにするでは、「らしさ」どころではない話だろう。全国一律、国に言われるがままでは地域主権や地方分権とはならないことになる。何度も書いていることだが、保育料云々の前に武蔵野市としての子育て施策、保育全体の理念を明確にしたうえで、認可保育園の議論はすべきだ。現時点での方向性としてはいいと思うが、そもそもで考えていくと、なぜこの額なのかのよりどころがなくなってしまわないかと危惧をしてしまった。
 
 次回の保育料審議会は、11月14日。吉祥寺にある商工会館4階会議室で開催される。この会で委員から、低所得者層は値下げしてもいいのではないかなど指摘されていた事項などへの対応などを考慮した改定案が示されると思う。予定では、12月議会に保育料改定の条例案を出す。このタイムリミットを考えれば、次回で確定する必要があるだろう。注目だ。

【資料】
保育料審議会で配布された資料。保育料などの数字は今後、修正があるので確定したものではない。要注意。