議会による行政評価と議会基本条例  議員力シンポジウムから<1>

 長野県塩尻市で議会基本条例をテーマにしたシンポジウムに参加した。目黒章三郞会津若松市議会議長の基調講演の後、長野県内の議会改革度ランキング上位議会から議会基本条例の活用状況とこれからの地方議会改革を展望するという内容だった。主催は、議員力学会(議員力検定議員1級合格者の会)。

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基調講演で目黒議長は、中学校の公民の教科書(東京書籍)に議会基本条例、二元代表制、栗山町議会のことが書かれている。実際の議会は、中学生が学んでいるような議会なのか。笑われないような議会なのか、と問題提起をされていた。このブログでも何度も書いていることだが、地方分権一括法以来、飛躍的に自治体議会の責任が重くなっているのに、議会は時代が求めていることに応えているのか。何よりも、理解している議員がどれほどなのかを改めて考えてしまった問題提起だった。

 目黒議長は、議会改革は多くの議会で行われているが、その多くは議員定数や報酬を減らすことになり、これは議会改革の本筋ではない。住民自治をいかに成し遂げるか、成り立たせる議会なのかが問われている。これからは税収が増えない時代であり、住民に我慢を強いる時代。その 最終判断をするのが議会になる。住民にどのような問題があるのかをきちんと理解してもらい納得できるようにしなくてはならない。議決したことをどうやって住民に説明するかが、重要になると話されていた。

 住民に議会が説明する機会として議会報告会があるが、会津若松市議会の場合は、報告するだけではなく、住民から寄せられた課題を議会としての政策へとつなげていくことが特徴だ(意見交換会としている。参考:会津若松市議会「市民との意見交換会を開催します)。いろいろな議会で報告会が行われているが、たんに報告するだけで終わりというケースもある。何も報告するしないよりかは数段良いとは思うが、報告から先を考えていくことのほうが重要だろう。

 これらの話しは何度か聞いていることだが、現在では、今は市が行っている行政評価を議会としてもやろうとしているとの話もあった。
 議会による行政評価は、数は少ないもの改革が進む議会で実施されているものだ。例えば決算審査で課題を指摘しても、その内容を活かすシステムがない。議会として行政評価を行うことは、議会が改善点を明確にすることで次年度の予算に反映させることが可能になるなど最も議会としての機能を発揮できると私は考えている。議会基本条例を制定したはいいが、具体的に何をしていくかを考えていくと、最有力な議会機能とも思っている。議会改革の先頭を走っている会津若松市議会に今後も注目したいと思った。

 武蔵野市議会の議会改革懇談会でもこのようなことをすべきと提案している。先はどうなるか分からないが、さらに考えていきたい。

    ◆

 議会改革白書によると、2010 年中に議会が評価主体となる行政の評価を行った議会は下記がある。

【都道府県】
・茨城県「事務事業評価」
・福井県「事務事業評価」
・広島県「事務事業評価&施策評価」
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【市区町村】
・北海道福島町「事務事業評価&施策評価&政策評価」
・北海道沼田町「自治体計画の進捗評価」
・茨城県鹿嶋市「事務事業評価」
・東京都多摩市「事務事業評価」
・神奈川県茅ヶ崎市「事務事業評価」
・長野県飯田市「事務事業評価&施策評価」
・長野県阿智村「事務事業評価」
・岐阜県高山市「事務事業評価」
・静岡県藤枝市「事務事業評価」
・愛知県田原市「事務事業評価」
・京都府亀岡市「事務事業評価」
・島根県江津市「事務事業評価」
・徳島県小松島市「事務事業評価」
・福岡県久留米市「政策評価」
・熊本県合志市「事務事業評価&施策評価」

 2010(2009年中の実施状況)調査では、下記の議会のみであったことを考えると議会の新たな潮流といえると思う。

・北海道福島町議会「事務事業評価」(試行)
・東京都多摩市議会「事務事業評価」
・神奈川県茅ヶ崎市議会「事務事業評価」(試行)
・長野県飯田市議会「事務事業評価&施策評価」
・京都府亀岡市議会「事務事業評価」(試行)
・兵庫県篠山市議会「事務事業評価」
・徳島県小松島市議会「事務事業評価」
・熊本県合志市議会「事務事業評価&施策評価」

(出所:自治体議会改革フォーラム「全国自治体議会の運営に関する実態調査2011」結果速報・資料 2011 年3 月)

【参考】
自治体議会改革フォーラム 
   全国自治体議会の運営に関する実態調査2011 調査特設コーナー

議会改革と議会基本条例  議員力シンポジウムから<2> 

※シンポジウムは、10月14日に開催したもの