19→9 奈良市で外郭団体の整理統合について伺う

 市議会総務委員会で、外郭団体の整理統合について奈良市役所を視察させていただいた。奈良市では、平成17年で19まであった外郭団体を平成24年4月に9までに減らしている。しかも、3年という短期間での実現だ。どのようにしておこなったのか。その結果、市の財政にはどのように影響があったのかなどを伺った。

 外郭団体の整理統合を行ったのは、指定管理者制度が導入されたことで外郭団体も民間と競争できるようにすること。公益法人制度の改革が行われたことで外郭団体をどうすべきか問われていたこと(期限内に公益財団に移行できないと一般的な民間会社と同じ税率となり公でやるメリットが少なくなる。移行は公の事業を行っているかなどが条件で、できないと一般財団法人になる)。景気の低迷と市の厳しい財政状況があったことが理由。

 短期間で実現できた理由は、平成21年9月に就任した仲川市長のマニフェストに記載されていたこと。外郭団体の職員待遇を変えない(給料などは同じ)としたこと。民間の会計事務所、司法書士、社会保険労務士のバックアップがったことが大きかったのだそうだ。
 なぜこのように多くの外郭団体ができてしまったかについては、明確な答えはなかったが、施設を作るごとにその運営のために作ってきたことが大きいようだ。そのため、外郭団体の規模は小さく、このことが人事の停滞も招いていたという。

 整理統合による財政的な変化は、役員が10人から1人になったことで約1900万円の役員報酬の減、業務廃止による臨時や嘱託職員の削減による約1400万円の減があったが、個人的な事情により退職者が1名いただけで、他の職員が全員同じ待遇で新財団へと移ったことで大きな変化はない。
 各団体が持っていた基本財産を市へと戻した(出資者は市なので)ことで約8億5000万円が市の収入に単年度限りであったことが変化といえば変化といえるものだった。つまり、整理統合による財政面での大きな変化はなかったことになる。
 一方で団体を統合することでスケールメリットを得られたことや人事の停滞を防げるようになることがメリットになるという。現在、経営を担う人材を民間から募集していることや今後は市以外から事業を受託すること、専門性が必要とされる業種では新規採用はするが、新規雇用をしないことで職員数を減らしていくことで経営改善をすることが考えられていた。

 概要をうかがった後で意見交換をさせていただいたが、外郭団体の整理統合によるスケールメリットはたかが知れている。職員の質をいかに高めていくかが課題。これまでの反省点とすれば、安易に外郭団体を作りすぎた。外郭団体の職員は、準公務員としての意識を持ち甘えが出てしまう。市職員は常に説明責任を求めれているが、そこがないのが外郭団体。意識改革をどれだけやっていくかが重要になる。今の給与も奈良市の財政状況を見るとやっていけない。外郭団体は民間であり、荒波は受けてもらわなくてはならないとの考えもあることも分かった。

 武蔵野市には現在、13の外郭団体がある。他の自治体に比較すると圧倒的に多い数だ。市と連結した決算状況を見ると奈良市のように危機的な状況にはなっておらず、それぞれの団体の事業内容についても評価はできると考えている。しかし、今のままで持続可能とはいえないだろう。武蔵野市の外郭団体は、総合体育館や武蔵野プレイス、文化会館度など指定管理者制度により運営しているが、何年後かには民間との競争が考えれており、今後も受託できるかどうかは分からない状況だ。奈良市のように民間と競争できる組織体制にすることも求められていると思う。今回の視察を参考にさせていただきたい。

奈良市の外郭団体の整理統合は下記のように行われた。

○新財団の奈良市総合財団へ統合
(財)奈良市文化振興センター
(財)ならまち振興財団
(財)杉岡華邨書道美術財団
(財)奈良市都祁地域振興財団
(財)奈良市スポーツ振興事業団
(財)奈良市勤労者福祉サービスセンター
(財)奈良市武道振興会

○廃止する団体
(株)都祁総合開発
(財)奈良市商業振興センター
(財)奈良市防災センター

○経営改善のうえ存続する団体
(株)奈良市清美公社
 奈良市市街地開発(株)
(社福)奈良市社会福祉協議会

○法人格変更のうえ存続する団体
(財)奈良市生涯学習財団
(社)奈良市シルバー人材センター
(社)奈良市観光協会

○その他
(財)奈良市駐車場公社→ 経営検討委員会において検討する
(財)奈良市学校給食会→ 今後の学校給食のあり方を踏まえて検討する

※土地開発公社は、この9月で解散

【参考】奈良市外郭団体の統廃合に関する指針(pdf)