時代とともに見直しが必要   那珂市の事業仕分け

9月29日に行われた茨城県那珂市の事業仕分けに仕分け人として参加してきた。仕分けの結果は、すでに那珂市のサイトに速報が掲載されており、後日、詳細な内容やビデオも公開されるというので参照したいただきたいが、仕分けをしていて思ったのは、昔から続いてきている事業を再検証する必要性だった。

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 那珂市の事業仕分けは、昨年当選された海野徹市長が選挙公約として掲げ政策の見直しとして実施したものだ。判定方式は、5人の仕分け人と無作為抽出で選ばれた市民判定人により結果を決める市民判定人方式だった。
 私が担当した班(図の右)では、民間交通安全指導員設置事業、しどりの湯管理事業、市税前納報奨事業が「不要」となった。他にも必要性をゼロベースで考えるべきとの結論も多かった。
 
 今回対象になった事業で共通していたのは、始まった当初は、意味があったかもしれないが時代の流れで必要性や目的に合わなくなっている事業が多かったことだ。昭和20年代、30年代に条例や要綱が作れ、そのまま実施してきた事業があり、また、施設では施設の維持管理費を算入していない例もあった。

 例えば、民間交通安全指導員や青少年相談員には、日額5800円の報酬が支払われているのに(実質的には1時間程度の実務)、なぜ報酬が必要なのか、報酬がないと人が集まらないのか。交通安全協会やPTAでも同様なことをしているのに、なぜ必要なのかなど、そもそもの必要性が明確ではなかったものもあった。これは、各種審議会委員の報酬と横並びにしていることや茨城県内の他の自治体でも同様であることから支払われいたようだが、県外から来た仕分け人にとっては報酬を出すこと自体に違和感があり、なぜかを確認したのだが、この違和感自体を理解されていなかったようだ。

 民間交通安全指導員は、道路で立哨などを行うのだが、この制度ができた当初は交通戦争と言われていた時代だ。今では道路が整備されたことなどで交通事故が激減していることを考えると同じことを続けるべきかとなる。青少年相談員は盛り場のパトロールだが他でも同じことをしていること、盛り場が他の地域に移っていたり、ネットや携帯で連絡を取っている現状を考えれば非行を防げるのか。何よりもパトロールが目的で誰も相談をしていないことも分かった事業だった。どちらも、始めた当時は必要性はあったのかもしれないが、時代が変わってきていることに対応する必要があるはずだ。

 しどりの湯は日帰り湯で市の外郭団体(社会福祉協議会)が指定管理者となり運営していた。しかし、400円の利用料に対して実質的な経費は一人当たり1059円かかっていること。平成8年にオープンしているが減価償却費を算入しておらず、これから必要になる大規模修繕の計画も作られていなかったことから、現実的にはより巨額な事業費が必要となることが明らかになり、この事業が必要なのかとの議論になったものだ。参加されていた市民からは、必要ないと手厳しい意見も出されていたほどだった。

 那珂市の事業仕分けで市の幹部の方の話を伺ったが、県北の“のんびり”とした気風の自治体で事業仕分けをするべきかという議論があったそうだ。それをあえて実施したという“心意気”が実は行政改革にとっては重要なのだとも思った。今回の説明にあたった職員の方々は、指摘されたような観点で調べたことがない、計画もないと分からないことは素直に分からないと素直に話されていた。自らの事業を守りたいがためにアレコレと言い訳をするような自治体があったことを考えると好感を持てた対応だった。今後に期待ができると思う。

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 武蔵野市でも、先の決算特別委員会で示された「平成23年度決算等審査意見書」には、
『国の地域主権改革に対応し、市として必要な条例制定や条例改正が着実に進められている。これを契機に、今回の改革とは直接関係のない条例、規則、要綱等についても、それらの規定と実際の行政実務との整合性が確保されているか、市民にとって分りやすいものとなっているかなどについて、職員の法務能力の向上という観点からも、総点検を行うよう検討されたい 』
 と記されており、武蔵野市でも実際に運用されていない要綱などがあることが指摘されていた。

 武蔵野市の場合は、事業費に直接関係影響はしていないものだったが、今一度、本当に必要なのか、時代にあっているのか、目的を達成できるものなのかを事業や条例、要綱も見直すべきなのだろうと思った。