経費老人ホームくぬぎ園 廃園し更地へ

 9月12日の市議会厚生委員会で、武蔵野市桜堤にある経費老人ホーム「くぬぎ園」を廃止したいとの説明が市からあった。
 現在、29名の単身者が入居しているが、支度金(20万円)を用意するなど住み替えの支援を行い平成26年度に入居者の退去を完了、27年3月31日までに廃止したいとしている。

 廃止が明確になったのは今回が初めて。理由は、入居者の身体能力が低下していく中で自立支援型施設として建設・運営されてきた施設の性格上、適切な介護を受けられない施設となっていること。平成23年度決算で約7300万円の運営経費を要しており。費用対効果の面で大きな問題を抱えているとしている。
 また、部屋の広さが4畳半であり施設をリニューアルしたとしても躯体の構造から部屋を広くすることもできないとしていた。
 くぬぎ園は昭和51年に建設された。当初は東京都が実施していた事業で、施設を市が無償で譲り受け、土地も無償貸与により事業を継続してきた経緯がある。そのため、土地は都の所有であり、施設を解体し更地にした後は土地を都に返却する。その後の土地利用については都と協議していくとしていた。

 くぬぎ園は、14年度から入居の募集を停止しており、どのようにするか課題となっていた。第五期長期計画(総合計画)では『高齢者、障害者サービスなど特定の目的に限らない、地域の拠点機能も含めた多機能型・複合型の施設としての整備を検討する』とされており、その具体的な内容が明確になったものだ。市は、入居者29人全員の了承は得られてないが、おおむね了承は得られているという。今後、シルバーピア(武蔵野市福祉型住宅)や特別養護老人ホームへなどへの住み替え支援をしていくとしている。

 都に土地を返した後は、「多機能型・複合型の施設」の建設を市としては希望しているが、このことも含め、今後、都と交渉となる。 

◆高齢者が安価な費用で暮らすことができる住宅として意味はあった事業だと思う。しかし、自立した人が対象であること。社会的に介護を必要としている人が増えていることや入居者自体が介護つきの住宅を必要としていることなどを考えれば、事業の役目は終えたと思う。限られた財源を考えれば、介護がより必要な人へ集中することも求められていることも考えれば、理解はできる。時代が変わったということだろう。

【資料】
2012年09月12日厚生_経費老人ホームくぬぎ園の廃止について.pdf