議会で審議すべきか?  国家斉唱時に起立しない教職員への厳罰を求める陳情  

 9月11日の市議会文教委員会で国歌斉唱時に規律しない教職員に、より厳しい処分をすることなどを求める陳情が審議された。起立の是非は別として考えるとしても、議会で審議すべきかについて疑問が残された審議だった。

 陳情は、「10.23通達の強化を求める意見書の提出に関する陳情」で、下記項目を求めていた。

1.違反者の累犯者には、より厳しい罰則を求めること。
2.悪質な違反者には、解雇を含めた罰則を求めること。
3.不起立をなくすために、違反の類型者は、都立高校、都立付属中・高等学校、都立特別支援学校に異動させること。
4.再発防止研修の内容を強化すること。
5.再発防止研修を受けても再度不起立をした者に対しては、退職勧告を行うこと。
6.嘱託教職員が不起立を行った場合は次年度以降の契約を打ち切ること。
7.都立学校において不起立が予想される教職員については式に出席させないこと。

 審議のなかで武蔵野市の公立小中学校で不起立などで処分された教職員はいない。人事権は東京都教育委員会にある。どのような処分があるのかの質問については、内心の自由もあり現在最高裁判所で議論されているため具体的には定められていない、との答弁だった。

 質疑が終わり採決が行われた結果、自民党会派のみの賛成で不採択(否決)となった。

◆陳情書「3」の理由を「しもの世話をしているような学校へ移動させて改心させるべき」という陳情者の意見(議事録に残らない形で委員会が陳情者に聞いたもの)への批判が審議のなかであった。10.23通達の是非の問題ではなく、このような考えでの罰則はすべきではないと私も思う。
 このことだけではなく、何よりも市議会が罰則強化を求めるべきなのか。権限として良いのか、そもそも審議すべきことかの疑問が残った審議だった。このこともあり、不採択は納得できることだ。
 武蔵野市議会は陳情(※)について、個人情報に関することや誹謗中傷する内容については審議しないとしているが、基本的にはすべて受け付け審議することにしている。今回の陳情のように市外の人からの陳情でも同様だ。陳情を審議しない議会もあるなから、これは武蔵野市議会の良識だと思っている。しかし、同じような陳情が今後も提出されると、事前に整理し審議しないことになってしまうかも、と思ってしまった。多くの課題を示した陳情ともいえるだろう。同様の陳情は他自治体の議会にも提出されているようだ。それぞれの議会がどのように判断するかも注目したい。
 
 同じ日の文教委員会では、同じ人からの提出された「公立学校の教職員の政治活動の制限強化を求める意見書等の提出に関する陳情」も審議された。
 審議に先立ち、傍聴者に対してどのように調べたのかの質問があったが、国会の答弁であったもの。武蔵野市内で行われたかの事実は確認していないとの答えだった。審議でも質問があったが、武蔵野市内でこのようなことはなく、処分者もいないとの答弁だった。

 採決の結果、こちらも自民党のみの賛成で不採択(否決)となった。

※市民が議会に対して意見を述べ課題解決のための審議を求めるもの。「請願」と「陳情」がある。「請願」は、日本国憲法で規定されている権利で、議員の紹介が必要。「陳情」は、議員の紹介がなくても提出できるので提出へのハードルは低い。