政務調査費が政務活動費に。臨時会を議長が招集可能など自治法が改正

 ドタバタの国会で地方自治法の改正案が可決、成立した。改正では大阪都構想が注目されているが、通年議会を可能とすること、政令指定都市など有権者が80万人を超える自治体で議会の解散や首長の解職を求める署名数の緩和。議長が臨時議会を招集できるようにすること。そして、政務調査費を政務活動費と変更することなど自治体議会への影響が考えられる内容が含まれている。

 年間を通じて議会を開催することが可能となることは、こちらを参照のこと。大都市制度、署名数の緩和以外にマスコミが注目していない改正には下記がある。

○再議を全ての議決に拡大
 再議とは、議会が首長提案の議案を否決や修正した場合、首長に異議があれば、審議をやり直すことができるもの。いわば拒否権。同じ議案を可決させるには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要となり、再議前の過半数よりもハードルが高くなる。最近では、河村名古屋市長が行っている。

 現状では予算など重要議案だけが可能だったが、全ての議案が対象になる。このことは、過半数で可決すれば議会の決定となっていたものが、3分の2以上でないと意思決定できないことにもなる。首長の考えしだいという要素もあるが、多数決ありきの議案審議ではなく、3分の2の賛意が得られる議会意志なのかが問われるはずだ。また、再議があることを前提に議会日程を組まないと審議する時間が取れない可能性がある。

○議長が臨時議会を招集できる  
 請求のあった日から20日以内に首長が臨時会を招集しないときは、議長が臨時会を招集することができると改正。
 これまでは、議長が議会運営委員会の議決を経て請求するか、議員定数の4分の1以上の議員が請求することによって首長は臨時会を請求のあった日から20日以内に招集しなければならないと規定されていた。だが、あくまでも招集するのは首長。阿久根市であったように首長が招集しないと議会が開催できなかったことから改正されたもの。首長がイヤだといっても議長が臨時会を招集できることになる。
 そもそも、議会を招集するのが議長ではなく首長というのもおかしいのだか、ここまでは改正されなかった。

○政務調査費が政務活動費に
 当初の議案にはなかったが、議員による修正議案が出され可決したもの。政務調査費から政務活動費と名前が変わる。

 改正内容は下記。
(旧)
地方自治法第100条14
 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができる。この場合において、当該政務調査費の交付の対象、額及び交付の方法は、条例で定めなければならない。

(改正)
 14項中「調査研究」の下に「その他の活動」を加え、「政務調査費」を「政務活動費」に改め、「方法」の下に「並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲」を加え、同条第十五項中「政務調査費」を「政務活動費」に改め、同項の次に次の一項を加える。
議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。

 これは平成22年1月21日付の全国都道府県議長会による「議会機能の充実強化を求める緊急要請」があったことからで、次のように理由がある。
「議会機能の充実強化及び地方議会議員の責務の明確化に伴い、議員又は会派が住民意思を踏まえた活動を展開する上で必要な制度として、現在法文上調査研究活動に特化されている政務調査費制度を見直し、政策立案、議員活動の説明等を加え、幅広い議員活動又は会派活動に充てることができることを明確にするよう法律改正を行うこと」(総務省資料より)。

 これに対して、全国市民オンブズマンは、『「その他の活動」を加えることで、これまでは違法とされてきた、およそ議員の調査研究と関係のない使い方をも合法化できる余地を広範に与えることになる』との決議を行い反対すべきと声明をだしている。
 ようは、ただでさえ不透明で使い方がおかしいのに、さらに不透明な使い方になるとの意味だろう。

 政務調査費を使い不適切な使い方をしていた議員がいたことは確か。だが、使い道は条例で定めることになるため、議会の考え方大きく影響するはずだ。法律だけで縛れるものでもないと思う。

 いずれにせよ、法律が改正された以上、条例の改正も必要になるはずだ。今後の自治体議会がどのように変わるのか。それとも変わらないのか。議会が問われるのかもしれない。

 他に副市長などを専決処分でできないようにも改正された。