16年前の保育料審議会で指摘されていたこと

 保育料審議会が設置されたことはすでに書いたが、前回、どのような議論あったのかを調べてみた。市のサイトには掲載されていないので、紙ベースでとなったが、市長が聴くために設置するには、階層段階別の保育料についても答申をしており、ずいぶん細かく答えるのだなぁと感心してしまった。逆にいうと、短い時間でこんなに細かく議論ができるのかとも思った。

 答申書の全文はこちらをご覧いただきたいが(資料をスキャニングしたもの)、読んでみると興味深いことが多く書かれている。
 そのひとつは、『国・自治体の措置義務の強化拡充と保育料引き下げをセットとした公費負担中心の保育サービスは、将来世代の人々に法外なツケ(税負担)を回すことにならないかどうか、一方また、国・自治体の措置義務は保育に欠ける児童に限定し、新たな多様な保育サービスにたいしては利用者負担の原則を活用するという方法が、真に保育を必要とする人々を援り回すことにならないかどうかを、それぞれきちんと見極めることが大切であろう。
 措置義務の拡充を行政に求めるならばそれに見合った保育料の値上げは覚悟しなければならない。行政の側においても、公費の一層の効率的かつ公平な使用を目指さなければ、市民の信頼をつなぎ止めることはできないであろう。もちろん、経済的弱者に対する十分な配慮が前提であることはいうまでもない』
 とあることだ。
 保育は福祉からサービスになったのだから、新しいニーズに対応するためにも保育料は値上げをすべきとしてあったことだ。これは今でも同じことだろう。
 
 そして、次のような指摘を付帯事項でしていた。

(1)「保育料の改定を条例をもって行うことも併せて検討するよう提案する。」

(2) 保育料の改定を定期的に検討・実施するよう提案する。
今回の改定審議は前回の改定から11年を経過しており、この聞に生じた保育園逮営費をはじめ一般的社会経済状況の変化の大きさを考えると遅きに失した感を否めない。今回の改定提案は保育料の相対的な負担の割合をほぼ11年前の水準に戻す程度のものである。今回の改定幅が大きすぎるとの見方がもし出るとすれば、それは11年間改定してこなかったためである。少なくとも4年に1度は見直しを検討するべきである。

 今回、議会で課題としている条例について、すでに16年前から指摘したことになる。ざらに、この時でも11年間も見直さないのは適切ではないとしていたのに、この後、16年間も見直していないのだ。

 どういうことなのだろう?

 市の財政がひっ迫していないから? 政治的な対立を避けたかったから? 保育施策は重要だからあえて見直さなかったから? それとも…

 付け焼刃的に見直すのではなく、前回も書いたが、認可保育園だけではなく、もっと広くいろいろな保育や子ども施策全体としての保育料を考えてみる。どの程度の市民負担が適切なのか。あえて、少なくすることで子ども施策を充実させているという武蔵野市の特色とするのか。あるいは、上下水道のリニューアルなどがひっ迫しているから、取れるところから取っていくとするのか。政治的な判断が、実は最も求められているようにも思った。今後の保育料審議会が注目される。