保育料審議会 認可保育園の保育料だけでいいのだろうか

 武蔵野市保育料審議会が設置され7月30日に第一回が開催されている。市役所内に配布された庁内報によると、①国基準保護者負担率が50%を割り込んできたこと。②保育園運営費決算額(工事費を除く)のうち保育料収入の占める割合が10%程度に至ることが見込まれることから16年ぶりに設置するとあった。審議会の設置期間は平成25年3月までとしているが、12月上旬の答申を予定しているとある。
 ようは運営費が増えて収入が少なくなったから見直す、つまり、値上げをしたい。12月に新たな保育料を決めて来年の4月から実施したいということだろう。この目的の是非は別として、そもそも保育料とは何か、と考えてしまった。

■保育料は認可だけではないはず

 認証保育所や認可外の保育料と比較すれば、認可保育園の保育料は安い(低所得者を除く)ことを考えれば、認可保育園の保育料を値上げすることで財源を得て、認証や認可外保育料への補助をする。つまり、保育を必要とする家庭の負担は、認可であろうが認証、認可外であろうが、同じような額にするとするのであれば、私は見直しはするべきだと思う。当然ながら経済的な弱者への負担は増えないようにすることや認可以外でも所得に応じた保育料にすることも考えてだ。さらに、保育料を上げるのであれば、質の向上も同時に行うべきだと思っている。

 そう考えると、保育料とは、認可保育園だけのことだけではなく、認可外を含めた幅広い保育全体を考え、適切な内容になっているのか。その内容にあった適切な保育料なのかを考えないとならないのでは、と思ったからだ。

 
■自動的に上げるでいいか

 武蔵野市保育料審議会規則の第二条には、「市長は、武蔵野市保育所保育料徴収規則(昭和38年規則第14号)を改正しようとするときは、あらかじめ保育料の額について審議会の意見を聴くものとする」とあり、保育料を見直したときには意見を聴きなさいと規定してある。この場合の保育料は児童福祉法に基ずく市の事業、つまり、認可保育園の保育料のことだ。

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 そして、先の理由のように国からの支出額が減ったから(※1)、あるいは、保育料からの収入割合が少なくなったから見直すとするのであれば、認可保育園の保育内容、質は関係なしに自動的に保育料を上げるとなる。国の制度変更が行わればすぐに変わってしまうことになるし、そもそも保育園の運営費のほとんどは人件費だ。保育士の給料が高くなれば運営費は高くなり、認可保育園の保育料に直接に反映することにもなってしまう。

 ひとくちに認可保育園と言っても、市立もあり民間もある。同じ保育士でも、公務員もいれば民間もいる。早い話、給料はかなりの差がある。
 つまり、公務員保育士、それも年齢が高い人が多いと自動的に保育料が上がってしまうことでいいのかだろうか。そもそも公務員保育士の給料は、職員組合と市が決めている(認めているのは議会)のであって保護者ではない。つまり、保育料を払う側がタッチしていないところで決まった給料を含む運営費が増えたからといって、保育料に転化していいのかと疑問に思うのだ。

 また、認可保育園は民間でも公立でも保育料は同じだ。民間でも公立でも同じことをやっているのであれば、本来は、給料は同じであるべきだと思う。公立の保育園が運営費が高い(給料が高い)としても内容を伴ったことをしていれば、それはそれでかまわないと思うし、公立だからこそできることがあるはずだ(障がい児の対応など)。
 その保育内容を考察したうえで、本来は保育料を決めるべきではないのだろうか。単に数字だけで判断すべきでないのだと思う。

 それに、本来保育といえば、認可保育園だけではなく、認可外、認証、グループ保育や保育ママ、さらに学童クラブ(根拠法は児童福祉法)も含まれるはずだ。トータルとして考え、それぞれの適正な保育料を考えることが、保育料を審議するというのであれば、本来の役目ではないかとも思った。
 そうでないと、単に数字が悪くなっています。値上げせざるを得ません、としか答申ができないのではないだろうか。

 このことまでを考えるとなると、7月に設置して、12月に答申をだすことはとうてい無理な相談だろう。だから、当初から想定していないのかもしれない。数字をみせて、納得させて終わりとなってしまう審議会なのか、と思ってしまった。

■学童クラブも保育料だが

 保育料審議会について調べていると、「東村山市保育料等審議会条例」が認可保育園だけでなく、児童クラブ費も審議していることが分かった。保育園も学童も児童福祉法に基ずく事業であり、本来はどちらも保育。そう考えれば、保育料を審議するのなら、両者を審議すべきだと考えてだろうか。このことは、いいことだと思う。さらにいえば、上記のように認証や認可外の保育料も審議すべきではないか。保育をトータルで考えて、認可やそのほかの保育料はいくらが適性なのかを考えるべきではないか、と思った。

 ちなみに、武蔵野市の学童クラブの育成料は、学童クラブ条例が施行されていらい見直しが行われていないため、どのように見直すかの手法が条例では決まっていない。このことも考える必要がありそうだ。

 保育料とは何か。認可保育園だけでいいのか。そして、それは収入額の数字だけで判断すべきなのか。審議会を調べてみると…、そもそも論で考えてしまった。

画像は、保育料の概要(保育概要2011より)