脱原発こそ民主党の進むべき道

 大飯原発を再稼動へと舵を切った野田政権や都民投票条例案を否決した都議会総務委員会(自民、公明=否決。民主、共産、生活者ネット=賛成)の様子からは、福島原発の事故を何も考えていない議員が多いのでは。いまだに原発を推進したいのか、と憤ってしまう。何よりも、民主党はどうなっているのだとも思ってしまう。
 しかし、民主党内部でも脱原発への動きが出てきおり、遅くとも2025年度までに脱原発との案も出てきている。民主党が脱原発へと進めるのか、今が重要な時期ではないだろうか。


遅くとも2025年度までに脱原発という案を示したのは民主党国会議員で作られている「脱原発ロードマップを考える会」。5月31日に衆議院会館で第6回目の会合が開かれ、案が示されていた。

 この会を傍聴してきたのだが、この日に案をまとめる予定だったようだが、大飯原発再稼動をどうすかで議論がまとまらないことやもっと切れ味が必要、ドイツが脱原発としたのは倫理の問題からだった。人間と共生できない核であることをはっきりさせないと意味がない。もっと時期を前倒しするべきなどの意見があったこと。9月にある党代表選挙で脱原発を目指す党代表を選びたいし、国民にも問えるようにすべきとの意見もあったことなど、参加している国会議員の思いが強く主張されたこともあり、再度、とりまとめを行なうことでこの日は終わりとなっていた。

 この日に示された案(第一次提言案)には、下記のことが記されていた。資料には、2012年脱原発(再稼動せず)、2020年に脱原発、2025年に脱原発、2030年に脱原発、脱原発までの「図解」もある。

 再稼動を納得してもらうようなデータもなく決めるよりも、何時までに脱原発をするのか、図表のように具体的に示して決めるほうが先ではないだろうか。

 この提言は、まとまった後に党に送られ、党の方針になるかは、まだ分からない。しかし、最低限、何時までに脱原発を果たすという方針は民主党として必要だろう。政権交代の期待に応えられない現状を考えれば、脱原発だけは譲れないと思う。

(下記は当日資料からの抜粋)
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1.基本的考え方

 原子力発電は、一旦事故が起これば無限大の被害が発生する可能性があり、かつ、放射性廃棄物の最終処理が確立できたとしても、100万年以上の長い管理が必要とされるものであることから、国民生活、日本経済、環境等への影響を懸案し、技術的に可能な範囲でできる限り早期に「脱原発」を実現すべきであると考えます。
原発による被害を受ける可能性が高いのは、原子力発電の利益を享受している現世代の人々よりも、事故のリスクに晒され、放射性廃棄物を大量に抱え込むこととなる「未来の世代」の人々です。意思決定することのできない「未来の世代j に膨大な付けを回すべきではありません。

2. 遅くとも2025年度までに脱原発

 本会の議論の中では、現在我が国のすべての原子炉が停止していることを前提として、このまま脱原発を実現すべきとの意見もありました。一方、全ての原子炉について停止のまま廃炉に向かうことが困難な事情もあることを考慮し、本会は、遅くとも2025年度までに原子炉の稼働をゼロとし『脱原発」を達成することを提言します。
 その際、併せて省電力及び再エネ電力を推進することとし、2025年度までに、2010年度総発電量と比較して、省電力20%かつ再生可能エネルギー電力シェアー30%(2025年度総発電量の38%) を実現することも併せて提言します。

3. 脱原発による新しいエネルギーシステムの転換
 脱原発を進めるため、エネルギー政策の主軸を、エネルギー効率向上および再生可能エネルギーへとシフトします。具体的には、コージェネや石炭からガスコンパインドサイクノレへの転換や、商業化された省エネ技術の普及促進、再生可能エネルギーの熱・電力総合利用を推進します。
 そのため、系統連携強化や発送電分離などの電力市場改革や、規制緩和・強化、税制改正、新たな制度の導入など、総合的な政策パッケージを打ち出し、中央集中型一辺倒のエネルギーシステムから分散型システムヘ新しいエネルギーシステムへと転換していきます。
 これはまた、新たな成長産業を創出し、圏内投資・雇用拡大につながると同時に、環境負荷・温暖化リスクや化石燃料リスクを最小化することでもあります。
 このように、脱原発のための新しいエネルギーシステムの構築は、エネルギー消費削減・温室効果ガス削減を達成しながら経済成長する、21世紀型の新たな経済社会システムへのパラダイムシフトをはかることでもあるのです。

4. 対処すべき課題

 本提言を実現するために次のような課題があります。これらについて、本会でも引き続き検討をすすめ、提言して行きます。

(1) 再生可能エネルギーの拡大及び化石燃料利用の効率化への取り組みについて
(2) 発送電分離、系統強化等電力システム改革のあり方
(3) 大量の使用済み核燃料の管理・処理の進め方について
(4)原発関係施設立地及び周辺地域が地域自立型経済に転換するための支援について
(5) 原子力の平和利用のための試験・研究の在り方について
(6) 地球温暖化の課題について

【早期に脱原発を達成するための課題】
(7) ピーク時電力供給の確保及びピークッカットのための施策について
(8) 電力会社の経営問題に対する対策について
(9) 電力の安定供給を維持し電力料金の高騰を防ぐ対策(特に化石燃料調達対応)について
(10) 原発関係施設立地及び周辺地域の経済的対策について

原発廃炉の前提条件
(1) 福島第一(1~6)、第二(1~4)、女川(1~3)、浜岡(2~5)は、直ちに廃炉とする。
(2) その他(2012年度完成島根3号機を含む)は「40年廃炉」基準で廃炉とし、原発の新増設は行わない。
(3) ただし、新たな原子力規制庁において、原子炉の経年劣化や活断層等の状況を十分に勘案して稼働年数の短縮を検討する。

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