GPで考える本当に必要な電気

 原発再稼動へ政権が前のめりになっているように思えてならないが、是非を考える前に、本当に必要な電気はどの程度なのかを考える必要がないだろうか。どこまでが最低限必要なのかを考えないと、電気を使うことで利益を上げる会社の構造から、電気をドンドン使え、だから原発が必要という構造から“脱”ができないように思うからだ。 
 そこで、発明家の藤村靖之さんが提唱しているGPという単位が重要になると思う。GPとは、「ジーピー」と読み、1GPは、原発一機分のエネルギー消費量として考えるものだ。今使っている電化製品が、原発何機分になるかで考えれば、原発がどこまで必要かが分かりやすくなるはずだ。



 例えば24時間、いつでも熱いお湯を出す電気ポットがあるが、どの程度の電気を消費しているかご存知だろうか。藤村さんが実際に測定したところ、電気使用量は電気冷蔵庫よりも多く、400リットルの冷蔵庫よりも2リットルの電気ポットのほうが電気使用量は多いのだそうだ。この様なポットを日本の全世帯で24時間使っていると仮定すると原発3機分の電気を消費していることになるのだそうだ。
 最近では蓋が自動的に上がって驚かせるようなウォシュレットがあるが、消臭機能付きウォシュレットの電気使用量を計算し全世帯で使ったとすると原発1.5機分の電気量になるという。

 つまり、電気ポットは3GP、ウォシュレット、1.5GPとなる。
 他にも電気炊飯器は、2GPになるそうだ。藤村さんは、「半分の世帯が電気炊飯器をガス+圧力鍋に替えるだけで、原発1基分の電力を減らすことができる」と提唱している。

 また、家庭での用途別(機器別)の電気使用量を見てみると、冷房は意外に小さいのに対して、照明・TVの消費量が群を抜いて大きく、次に冷蔵庫の消費量が多いことが分かるとしている。冷房よりも、照明やTVの使い方を工夫するほうが電気をより使わないようにすることもできるということだ。

 藤村さんの著書「愉しい非電化」には、電気を使い夜でも明るすぎる照明を使うことで、離婚が増えたのかもしれない、との記述がある。この深い意味は別としても、本当に必要なのか、人の幸せにつながっているのかでも電気の使用量は考えるべきだろう。明るすぎる照明よりも、程よい明るさのほうがリラックスできないだろうか。

 電気ポットが必要か、24時間暖房便座が必要かも考えて、原発が必要なのか。必要とすれば、どこまで、何機まで必要なのか。原発でなければならないのか。そして、将来も原発が必要なのかを再稼動ありきではなく考えべきだと思う。

 藤村さんとは、「愉しい電力自給自足生活」(洋泉社)の取材でお世話になった。那須町の除染や放射線対策への協力もされている。電気を使わない電化製品(非電化)や家などを数多く発明している。

【参考】
非電化工房
 上記サイトの「新しいエネルギーの単位『GP』」

原発に頼らないスローな家