24年度予算 全会一致で可決。

 平成24年度武蔵野市一般会計予算、下水道事業会計予算、国民健康保険事業会計予算、後期高齢者医療会計予算、介護保険事業会計予算、水道事業会計予算が3月27日の本会議で審議され、全会派一致の賛成で可決、成立した。なお、予算には予算審査特別委員会で可決した付帯決議も提案され、全会派一致で可決となった。

 以下は、私がおこなった賛成討論。



(実際の議事録とは異なっています)

 民主党無所属クラブを代表して平成24年度一般会計予算、四特別会計、一企業会計に賛成の討論を行います。

 予算に審議にあたっては、今後、大幅な税収増が期待できない一方、社会保障費の増大や施設維持、更新へ巨額な費用がかかることが見込まれる中で、どのように限られた財源、税金を効果的に使うことを考えているか。長期計画に記載されているように、市政の大きな転換期において、課題解決へどのように系統立てられているかなどに着目し審議を行いました。

 まず、このような状況だからこそ、重要になるのが、個別の事務事業の必要性や効果、効率性等を客観的に評価することによって、限られた財源、税金が有効に使われているかを判断し、具体的な改善手法や目的の見直し、時には廃止などを判断することです。
 このことは、行政評価と一般的には言われており、本市では、事務事業のみに行われています。この事務事業評価を行っていることや限られた事務事業だけですが、フルコストを示していることは評価をするところですが、24年度予算審議のさいに確認した範囲では、まだ課題が残されており、改善の余地があると痛感をしました。
 その大きな課題の大きなひとつは、長期計画や上位計画と連動していないことにあります。また、現行のシートでは、フルコストが明示されていますが、市が関与すべきかどうかに主眼が置かれており、事業の廃止や委託を進めるための理由を示すデータとなりがちです。目標設定自体が適切なのかの検証と、これまでにも提案をしてきていますが、長期計画と連動させた政策評価も行うべきと提案をします。
 そして、その評価は誰のために行うかがの視点が必要になります。
第五期長期計画の「本計画の基本的な考え方」には、市民視点の重視があり、『選択と集中の観点から事業の見直しを推進して必要があるとともに、市民志向・目的志向を重視した、市民の視点に立った公共サーヒ守スを展開していく。』とあります。
 ですが、市民視点、市民に情報が届いているかの課題が24年度予算審議ではいくつかの点で明らかになったといえます。市が決めたことを知らないほうが悪い、情報を探さないほうが悪いとならないか危惧をしています。主権者は市民であり、主役は市民とする邑上市政ですから、今以上に情報が市民に届いているかを重要視すべきです。
 事務事業・補助金評価については、今後は庁内のみで行うべきではないことも提案します。議会による評価を加えることや、当事者、市民による評価も考えるべきです。公募や無作為抽出による行財政検討委員会などを設置する自治体もあります。事業仕分けでは論点を明示し市民委員が判定する方式もあります。どの方式がベストとは簡単には決められませんが、最終決定は、市や議会が判断するとしても、事業の評価を行っていることを市民へ伝えることにもなり、廃止や改善策を共有化できることにもなりますので、検討を行うこと。また、決算と連動させたうえで、予算編成へと活かすべきではないかと提案します。

 さて、事務事業評価について、ながながと述べましたが、それだけ、24年度予算審議の大きなポイントであったことでもあります。

 24年度の各予算案については、おおむね適正に予算が算定されており、地域リハビリテーションや平和施策など長期計画に掲げられた施策展開が考えられていることや昨年の大震災をきっかけとして防災計画の見直しなどが迅速の考えられていることなどは評価をいたします。そのうえで、いくつか、予算の款ごとに見解を述べさせていただきます。
 
まず、総務費です。

 長期計画では課題とされ、施政方針でも豊かなコミュニティを育む必要があると書かれていますが、24年度予算を見る限りでは、どの事業が課題解決へ結びつくのかが明確ではありませんでした。もっとも、ひとつの事業がすぐに結びつくものでもありません。24年度予算にある「これからの地域コミュニティと市民自治の検討」における意識調査などで具体的な課題や目的設定、方向性が見出せるようにすることが必要と提案します。

 次に総務の款にありました歴史資料館です。設置が決まったのではないことは理解をしていますが、教育費の款で質問して分かったように、旧西部図書館は教育財産となっています。一般的に、公文書館ではなく歴史資料館とするのであれば教育委員会の所管となるはずでので、教育的意義や目的はどこにおくのかなどを資料の移送を行う前に行うべきではないでしょうか。
 もし設置となれば、設置条例を議会としても審議することになりますので、教育としての意義について、周辺住民との合意を前提として早期に検討をするよう提案します。

 選挙費については、投票率を上げる効果も期待し、法的な課題もないこと、他自治体で実施していることを考えれば、選挙公報をインターネットで公開することは可能です。早期に体制を検討し、実施すべきと提案をします。

庁内印刷については、市としても印刷量についての課題を認識しており改善を行うことを評価します。そのさい、なかなか進まない電子化、ペーパーレス化も進めるよう提案をします。

歳入面では、長期計画の冊子を無料で配布することには疑問が残りました。策定に関わった人や必要な人に無料で配布することはかまいませんが、それ以外の人へは低価格であっても有償にすべきではないでしょうか。無料になるとその価値をないがしろにすることが多々あります。他自治体と比較して、事業を止める判断をしているのに、多摩のなかで唯一、無料にしているのは矛盾があります。概要版などは無料で配布し、データはホームページで掲載。コストのかかる印刷物については、小額であっても費用負担を求めるべきではないかと提案をします。

 また、徴収率向上への努力は認めますが、多摩の自治体と比較すると芳しいとはいえません。24年度での向上を期待します。

次に民生費です。

 高齢者見守り支援事業については、見守り事業の選択肢が増えることになることは評価します。しかし、想定されている目標数は少なく、低所得者には利用できないことを考えると新聞販売店との連携など現状の施策拡充のほうが適切とも考えられます。早期に効果を検証されるように提案をします。

請求した資料からも明確なように、早期の待機児対策をおこなうことを提案します。本来であれば、認可保育所が必要と考えますが、0,1,2歳の待機児が多いことを考えれば、早期の対応が可能なグループ保育や認証保育所の開設を年度の途中でも行うように提案をします。
 保育園事業については、保育の質向上の取り組みがあることを評価します。現状では、子ども協会移管園の評価が高いことを考えると、公立保育園の存在意義を早期に明確化することが重要になります。庁内で検討を始めているとの答弁がありましたので、今後に期待をします。

 学童クラブ事業については、正規に土曜日開所をすることと第三次子どもプランの重点的取組に、質の向上のために人材確保が必要とされているとされているのですから、正規職員化など質向上へ早期に取り組むよう提案をします。

市民福祉ネットワークの再構築が検討されていますが、施設面ばかりを重視するのではなく、ソフト面、住民サービスの再編を優先するとともに、住民への情報提供、理解がなされているかを確認したうえで行うように提案します。

 次に衛生費です。

省エネルギー推進と再生可能エネルギーについて事業の拡充がされていることは評価をいたします。これらの事業や予算は、市長が明言しているように、武蔵野市からの脱原発へとつながることを、今後、より明確にしていくべきと提案をします。

放射線対策については、これまでと同様に行うとの答弁でした。このことは評価をします。今後とも、何が最も安全と市民の安心になるのかを優先し、適切な手段を選択するように提案します。

 がれき処理については、まず科学的に検証を行うことを提案します。
 震災復興へ協力することは否定しませんが、震災がれきをわざわざ遠方まで運び処理することがいいのか。がれきを沖縄まで運び処理することが、税金の使い方として効果的なのかの疑問があります。現地で処理したほうが雇用を生み出すと主張される被災地の首長もいますし、放射線については、1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置いて放射性廃棄物処分場に封じ込めてきたのに、広域処分にする場合は8000ベクレルと従来の80倍に基準を緩和したことへの疑問などから受入れを拒否している自治体もあります。がれきを運んだとしての、その後の土地利用はどうするのでしょうか。広域で処理できるがれきは、全体の2割程度との指摘もあります。
このような状況で、とにかく受け入れることを優先するのではなく、どのように効果的に復興支援に結びつくのかを検証することが必要です。受入れを本市として検討するのであれば、決定する前に情報を出し、科学的な議論を市民と積み重ねた上で決めるべきと提案します。

次に商工費です。

来街者調査を行うことを評価します。今後の税金の使い方を考えれば、補助金という現金による施策ではなく、情報で商業者などを支援することが重要になるはずです。何が課題で、どのように解決できる価などへの基礎データとなるよう調査目的を明確にした上で、多角的に展開できるよう調査を行うように提案をします。

観光振興事業については、期待をしている事業ではありますが、その成果を何で評価するのかが明確ではありませんでした。成果指標を設定することを疑問視する答弁がありましたが、民生費や教育費などに比べて、もっとも検証しやすいのが商業費ではないでしょうか。また、プレミアム付商品券の効果について、一定の効果はあったが、一部の市民しか購入できないこと、大型店での利用が大半であることなどの課題もあり、今後はより経済効果の大きいスタンプ事業や商店会への企画提案型補助事業を優先的に行いたい、と答弁があったことを考えれば、矛盾が起きます。そもそも、金額という数字で予算を編成しているのですから、一定の評価指数は必要なはずです。フィルムコミッションなどで成果は出てきているのですから、今後、明確化するよう期待をします。

次に消防費です。

 帰宅困難者対策備品の充実などを評価します。課題としては、防災安全センターWEBなどインターネットによる情報発信がありました。スマートフォンに対応させることなどのデザイン面の工夫、ミラーサーバーを活用することでの災害時に増大するアクセスへの対応などを早急に構築するように提案します。

次に土木費です。

この款では、事務事業のあり方評価・検討実施結果集に掲載されている二俣尾と農業ふれあい公園について質問をしました。即座に廃止する補助金がある一方で、目的設定からすれば大幅な事業見直しが必要と考えられるのに、検証が不十分と考えられました。予算を計上した以上、より目的を達成することや目標設定の見直しを含めて事業の再検証をすることを提案します。

次に教育費です。
セカンドスクールの宿泊期間が短縮となったことについて、その効果については同じとの答弁がありました。このことは評価をします。今後も適切な宿泊期間と目的達成のために学校とともに検討していくよう提案します。

24年度で教職員互助会交付金を廃止するとしています。都の職員に対して、武蔵野市だけが交付金を支出する理由が今日では見当たりませんので廃止は評価をするものです。ただし、この交付金については、市の方針として段階的な減額を行ったうえでの廃止をしたとの答弁がありました。他の補助金でも廃止するさいに経過措置を行うか、行わないかは、担当部署で判断する旨の答弁がありましたが、市としての一定の方針が必要ではないかと考えられます。今後、早急に検討することを提案します。

中学校の図書室サポーター拡充についても評価をします。本来であれば、司書教諭、図書館司書を配置すべきですが、現状を考えれば、ベターと考えられます。今後は生徒だけではなく、授業への支援も行うよう機能をより発揮できるように、教育委員会としても協力されていくよう提案をします。

 以上、一般会計のみに見解を述べましたが、最後にひとことだけ、述べさせていただきます。

ベストセラーとなった書籍に、五木寛之さんの「下山の思想」があります。この中に、『登山する時と下山の時では、歩き方が違う、心構えが違う 重心のかけ方が違う。見上げる時と見晴らす時では、視点が違う。ゆっくりと、優雅に坂をくだっていかなくてはならない』と書かれてありました。

 右肩上がりの税収が見込めないが今後です。税収が上がっていくときと同じようにして坂を下るべきではないということです。事業予算を新規計上することと廃止することは同じようにはできないということです。市民視点で考えれば、プラスとなる事業が急に始まることは喜ばしいことですが、今あるものを急になくせば、市民から反発を招くことは当然、考えられ慎重を期すことが求められます。

今まで経験してことがないことがおきているのが現在です。執行機関と議事機関である議会が対立するのではなく、二元代表制の両翼として、ともに市民にとっての最善は何かを模索し、議論し結果を作ることが求められています。
結果を見出すには、事務事業の見直しや予算編成を含め、執行と議会とがどのように新たなコミュニケーションを作るかが問われているともいえます。
議会としても検討を行いますので、執行部としても検討され、二元代表性の元、新たな時代の予算、自治をどのようにすればよいか、より市民のためはどのようにすべきかの議論をスタートとする予算にすべきと提案して、賛成討論とします。