石原都知事は外環ノ2を知らない?

 石原都知事が外環道路計画について、本線が地下に計画変更されたことで地上部(外環ノ2)の計画が残っていることを知らないかのような発言を記者会見で行っていた。地上部街路をどうするか、廃止を含めて市民参加による協議(話し合いの会)が現在行われているが、都のトップである知事は本線が地下になったのだから地上部がなくなっていると思っているのであれば、大前提が異なってくるの可能性が出てくる。

 記者会見は12月22日に行われたもの。東京都の総合計画(武蔵野市での長期計画)にあたる「2020年の東京」計画の策定について知事が
『やっと、国も動き出したような外環道をはじめ、東京と日本の成長を支える高度な都市インフラの整備を加速させたいと思ってますが、なかでも、20世紀の負の遺産である渋滞を解消するために整備を進めてきた3環状道路については、10年後の2020年までに完成させて、災害時においては、首都機能を守り、日本の東西分断を防ぐ要としていきたいと思っています』
 と発言したことへ記者が質問したことへの返答としてあったものだ。

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【記者】外環について。先週もちょっとお伺いしたのですけれども、地上の街路について、先週お伺いした時、知事、現地を見てみないと分からないとおっしゃったのですが、知事が初当選されて、1期目の時にご覧になられた吉祥寺の辺りの、まさに外環本線の真上に都道、幅員40メートルの都道をつくるという話なのですけども、そうすると、結局、地上の用地買収が必要になるということであれば、外環本線も多額な事業費をかけて、大深度地下(地中の構造物等より下の部分で、通常利用されない地下空間)につくらずともいいのではないかというような矛盾を感じるのですけれど、そこはいかがでしょうか。

【知事】その問題、私、あまりつまびらかにしていないんで、もう一回、都市整備局に聞きますが、私が現場見た時は、ここへつくるといって、家を改造することもできず、立ち退くわけにいかず、半殺しになっているようなレベルの住宅がずっと続いていましたよ。その地下に、結局、通さざるを得ないと私は思ったんだけれども、更にその上に、新しい都道をつくろうと言うの?

【記者】もとの都市計画決定、高架方式で最初に都市計画決定した時に、高架の側道としてつくる都道がまだ残ったままになっているんです。それを……。

【知事】道路計画として、今、残っているの?

【記者】ええ。それを今、各沿線自治体ごとに都の方で話し合いの会というのをやっているのですけれども。

【知事】そうですか。詳しい報告は聞いていませんが、問題があるなら、もう一回現場行って、確かめてきますけれども。いずれにしろ、話はそれることになるかもしれないが、地下で外環つくった時に、どこかにジャンクションをつくらないといけませんな。その周りの土地の収用というのは当然必要になってくると思いますけれども、最初、杉並区長は「ジャンクションは要らない」と言ったけれど、この頃、また指針も変わってきたようですが、いずれにしろ、外環は、新しい公共事業が起こる時に、多少の犠牲伴わざるを得ないけれども、それをうまく整理し、完成することが、東京だけじゃなく、国益につながると思いますんで、再三申しているみたいに、それができないと、一旦緩急の時に東西が分断されることになりかねませんから、絶対に必要なインフラだと思うし、東京のためじゃなく、日本全体のための問題ですから、そういう問題が出てきているのであれば、私、もう一回現場行って、確かめます。
(石原都知事記者会見 平成23年2011/12/22より転載)
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 この外環道路とは、外環道路大泉ICと東名高速を結ぶ自動車専用道として計画されているもの。武蔵野市の東側を南北に通過する計画だが、住宅街を貫くこともあることから現実的には計画が困難とされ地下40mという大深度を通る道路に計画変更されている。ところが、その側道となる外環ノ2の計画が残っており、本線が地下へ変更されたのに地上部へ道路を作る計画が残ったままとなっているものだ。現在、この道路をどうするか、廃止も視野に入れて市民参加による協議が続けられている。

 普通に考えれば、住宅街に道路を作るのが困難であるから地下へ計画変更をしたのだから、外環ノ2はなくなるはずだ。地上部に道路を作れるのであれば、本線を地下に変更する理由はないはずだからだ。しかし、一度作った計画は、いつまでもやり続けることが仕事としか思えないように外環ノ2計画は残ったままで、都は必要との認識でいる(本線は国の管轄)。
 
 この記者会見の様子を見ると都知事は、インターチェンジ周辺を除いて地上部が残っているとは思ってはいなかったと考えられる。本線が地下に変更されたのも石原都知事が現地を視察したことがきっかけだった。外環ノ2をもう一度考えるために、ぜひ、現地を見てもらいたい。現地を見れば、外環ノ2を武蔵野市で作ろうとは思うはずだからだ。今後を注目したい。

【参考】
石原都知事記者会見 平成23年
 2011/12/22 の映像とテキスト版をご参照ください

Tokyo Ring Step_東京外かく環状国道事務所