TPPの前に日本の農業はどうなんだ

 若手の農業者と民主党の自治体議員との交流会が都内であった。互いに初顔合わせということもあり生臭い話はなしかな、と思っていたが、やはり話題はTPPについてとなった。話を伺うと農業者でも意見が分かれていることが分かったが、今の日本の農業のままでいいのかというそもそも論が先送りになっていることが、実は最も問題ではないかとも思った。

 交流会は、農業界と民主党議員とのコミュニケーションをさらに深めることを目的として浜田浩樹渋谷区議会議員と秋田県大潟村の農家、小林正明さんの呼びかけで実現したもの。国内各地の青年農業者をお招きして開催された。自治体議員と青年農業者が10名ずつ程度という規模なので短い時間ではあったが、国がTPPで大きく揺れているなか、実際の農業者の方々には、いろいろな考えがあり、TPP以外にも問題は山積みだなと思った。交流会に参加された農業者には、とにかくTPP絶対反対ではなく、順序が違うと主張されている方や輸出のためにTPPは賛成という方、果樹栽培をされており関税はすでに関係ないというような方など主張はそれぞれ異なっていたからだ。また、中国に進出されていた方からは、日本の農業技術を中国では欲しがっているとの話もあった。

 しかし、今の日本の農業政策のままではだめ。政府などの言うようにやってきても良くなっていないということは共通していたと思う。詳しく聞くまではならなかったが、自給率を上げるといいながら未だに減反を求めていること。戸別所得補償は米農家が対象になるので、兼業農家が多いことを考えれば、専業農家を助けることになっていない。新規の就農希望者がいても実際に農業を始めるには農地を確保することなどへのハードルが高すぎる。大規模農業をするには農地の集約化が必要だが、現在の法律では容易にできない。一方で大規模過ぎてしまうと、農作物への手をかけられなくなり結果的には良い農作物を収穫できない。適正規模があることを分かっていないなど興味深い、現実の話を多く聞くことができた。
 
 TPPは、実際、何がどうなっているのか情報がハッキリせず判断できないと思っている。そのような状況下で自治体議員として何ができるか、その答えも持っていないが、普段ではなかなか聞けない貴重な意見を伺えた会だった。自給率を含め、日本の農業の実質的なビジョンがまず必要ではないのか。生活できる所得を得られる農業はどうすればいいのだろうか。
 年収300万円の農家が年収1000万円の人に農作物の値段を値切られているのはどうなんだ、と聞かれても返事はできなかった。