あそべえと学童クラブ 再び一体化の記載【長期計画案】

 第5期長期計画案には、地域子ども館あそべえ(全児童対策事業)と学童クラブの一体化を考えていると思えてしまう記述もある。19ページにある『「小学生の放課後施策推進協議会」と協議しながら、運営の一体化についても検討していく。』というところだ。
 学童クラブと全児童対策事業の一体化については古くから市は考えてきており、その都度、保護者からの反対が起こり実現はしてこなかった。第5期長期計画で、再びこの問題が持ち上がるのだろうか。

 


 
 10月4日の市議会全員協議会では、この点について策定委員に質問をしてみた。この記載では、学童クラブと全児童対策事業のあそべえを一体化することになる。運営の一体化ではなく、運営主体の一体化の間違いではないか。現在は、第3次子どもプラン(子ども施策の個別計画)に基づき連携を模索している段階であり、学童クラブの土曜開所でさえ試行の状態。方向性や評価でさえ放課後施策推進協議会で結論が出ていない状況で、一体化を検討と書いてしまうのでは、協議会の議論が行われていないうちに頭ごなしで結論を決めてしまうことになる。訂正すべきだとの提案だった。このことについては、他の議員からも質問があった。

 策定委員からの答弁では、このことは、ワーキンググループで議論をしての記載だが、運営を一体化するとは考えてない。学童もあそべえも事業内容に同じようなこともあり、目玉焼きのようなものと考えればいいのかもしれない。例えば障害児など運営主体を一体化した後、学童とあそべえを超えた対応が考えられる。そのために検討をする余地を残すために記載したと理解をしている。運営の一部を一体化することで、より子どものためになる運営の可能性を10年間で検討するための記述、としていた(複数の答弁の要約)。
 それであるならば、あそべえと学童クラブのそれぞれの事業目的は残しておくなど、誤解を招くような記載にすべきではない、と提案をした。

 答弁どおりに解釈すれば、あそべえと学童クラブを一体化させてしまうように思えず、そう心配することはないのかもしれない。しかし、学童とあそべえの名前は残したままで、別事業にしてしまう可能性は、今後10年の間で否定できないと思う。策定委員が答弁しても、実際に事業を進めるのは行政であり、解釈に幅があれば変更は簡単にできてしまうからだ。
 
 また、第3次子どもプランでは、学童指導員やあそべえの館長を正規職員化することで質を高めるとの記載があったが、この長期計画案では触れられていない。このままでの記載では、正規化、質の向上はどうなるかとも思えてしまう記載ともいえる。委託しても今と同じ。もしくは、もっと経費削減で事業目的さえ果たせない事業になる可能性は否定できないとも思う。全員協議会では行革のために外郭団体に委託するのだから正規化すべきではないとの意見を述べる議員もあり、また、過去には一体化をすべきと主張していた議員もいることともを考えれば、楽観視はできない状況でもあるのだ。

■一体化問題は切り離せないのが学童クラブ

 多くの自治体で学童クラブと全児童対策事業は、コスト削減を主な目的として一体化とする例が多くなっている。同じように武蔵野市の学童クラブも、常に一体化問題は背中合わせの歴史だ。私の知る限りでまとめてみると下記の流れがある。

・1988年(昭和63) 
 武蔵野市「子ども問題懇談会」報告書に、当面の課題として制度化・保育料徴収(※)があり将来課題として 地域全体の子ども施策との同時解決等を提言(全児童対策事業への事業変換)と記載。

・89年(平成1)
 武蔵野市「第二期長計・第二次調整計画」に措置児専用施設充実(※2)か全児童対象施設への改組かについて検討していく。

・92年(平成4)
 武蔵野市「第3期長期計画」討議案(10月)に「将来的には全児童対策に収斂」と記載されたことから、反対運動がおき、46,000筆となる署名へとつながる。

・2004年(平成16)
 05年度からの第4期基本構想・長期計画案には、「連携を深めるとともに統合についても研究する」と記載されているが、これは議会に提案された当初案では、統合が先に書かれてあり、統合の研究を先に行う、一体化をまず行うことが考えられる記載となっていた。
 第4期長期計画議案を議会で審議したさい、決議を付けたことで(提案者は私)連携と一体化と言葉が入れ替わる。

 以降、まずは連携を行うことが優先する(邑上市長答弁)として行われてきた経緯がある。

 しかし、一体化を絶対にしないとはなっていないのが現実だ。いつ、一体化の考えが蘇ってくるか分からないという状況でもあるのだ。
 取り越し苦労かもしれないが、この記述が何を意味するのか注目すべきだろう。記述だけを読む限りでは、何をしたいのか、あるいは、何かをしたいのか読み取れないともいえるからだ。
 今後、長期計画市民ヒアリングなどでの市民から意見が出されるのか注目される。何よりも、今の学童クラブ保護者が学童クラブを保育として必要としているのかも問われるようにも思えている。

※当初の学童クラブは法律に基づく事業ではなかったので、育成料がなかった(おやつ代は別)。98年に児童福祉法が改正され、法律に基づく事業となったことで育成料を徴収するようになった。

【参考】
武蔵野市第5期長期計画案