新人議員が驚いた!? 議会の現実

開かれた議会110723 7月23日に「新人議員が驚いた! ベテラン議員も嘆く? 議会を開けニューパワー」と題したシンポジウムが開かれた(主催:開かれた議会をめざす会)。今年の統一地方選挙で当選された4人の新人議員がパネラーとなり、初体験した議会の感想からこれからの議会改革を考えるという内容だ。話を聞いていると、私にも同じような経験があったな、と思い出す一方で、市民に理解される議会にしていかなくてはとの思いを新たにしたシンポジウムだった。



 パネラーとなったのは、荒谷隆見多摩市議(公明党)、遠藤ちひろ多摩市議(みんなの党)、大槻研相模原市議(みんなの党)、そね文子杉並区議(生活者ネット)、ひがしまり子武蔵野市議(民主党)。 

 司会の奥山たえこ杉並区議から議会活動や一般質問などの感想を問われると次のようなコメントが話されていた。
「本会議では通告文を読んでいるだけ。1分あたり2万円かかるのに。コスト意識を考えたい」。
「本会議でいきなり休憩になった。家に帰って洗濯物が干せるかと思ったらできないのだという。疑問」。
「裕福な自治体を思っていたが、違っていた」。
「交渉会派の最低人数が突然、変えられた。少数会派、無所属の人が手の届かないところで勝手に決まることを体験した」。
「議会がガラパゴス化している。会社では役員会でもパソコンを持ち込んでいるのに、議会では持ち込めない、ネットにもつなげない。同じ新人議員が持ち込んで注意をうけて驚いていた」。
「決め事に時間がかかる。形だけのことばかりで無駄な時間が多いなと思った」。
「行政が作ったような質問ばかり」。
「委員会で質問する議員が少なく、すぐに終わってしまうこともある。それなのに委員長手当てなどがある。委員会としての獲得目標もない」
「一般質問に行政のヒアリングがあったが、そんなことをいうと見識を疑われると言われた」。
「上から目線の職員もいる」。
「職員は、議員がどう出てくるかを見て話しているようだ。こつこつやっている議員への対応は職員のほうが知っている。勉強をしなくてと思った」
「一番疑問に思うのは、議長と副議長を決めるが水面下で決まっていたように思えたこと。市民に説明できない」。
 などなどだ。

 その後、会場との意見交換となったが、いわゆるベテランと呼ばれる議員から「新人なら今だからこそ聞けるものがある。答弁が良くなくても、他の会派に足をひっぱらられても、言っていることが分かる職員もいるので、同じ内容を職員がやることもある。どんどん言うことで、問題を引っ張り出して市民へ伝えること、市民とつながっていくかが重要」。「裏の話はあるが、議員の力量で議会が変わる。制度だけではない」との発言もあった。

 コメンテーターの小林弘和専修大学法学部教授(地方自治、地方議会、行政学)からは、「地方議会は国会とは違い制度的に予算を伴わない立法権しか持っていないため、首長が圧倒的に強いなかでどうするか。新人のうちはいいが、2期目、3期目になると“危険物”になってしまう議員もいる。初心を忘れてしまうのが現実だ。例外はいるが例外では困る。だから、市民から見れば議会はいらない。議員を減らせしかない。議員を増やして欲しいが常識になる市はない。それではだめで努力して欲しい。“先生”と呼ばれたいような嫌な議員にならないように」とのアドバイスもあった。

 新人議員だからこそ驚くことは多い。それは市民にとっても同じだろう。なるべく分かりやすく、説明がつくように議会を“開く”ことは大切だ。とはいえ、議会独自の物事の決め方というのもある。結果として市民のために良くなることを最優先すべきとは思うが、どちらにも理屈があり、双方の兼ね合いが課題なのだと思う。

 新人議員が感じたことは、多かれ少なかれどの議員も通過するものだと思う。三期目となった私も同じような体験をしてきた。もう一度、初心に戻る必要もあるな、と思った一日だった。良い刺激にもなった。