【脱原発】東電以外からの電力はPPSですでに可能。削減したコストは再生可能エネルギーの普及財源に

 福島第一原発の事故により、電力会社の一社独占体制のままで良いのか、多くの疑問が出てきているが、実は、大規模事業所に限ってだが、武蔵野で言えば東京電力以外からの電力を購入できる仕組みがすでにあるのだ。その電力会社とは、特定規模電気事業者(PPS)のこと。東京電力と入札にかけて競争することで電気料金を大幅に下げることも可能だ。その下がったコストを太陽光パネル購入の補助などにすることで、再生可能エネルギーの普及財源にできるのではないだろうか。

 東京電力などの既存の電力会社以外が電力を販売することは、“電力の自由化”の方針から平成11年度の改正電気事業法により認められたもので、国の認可を得た特定規模電気事業者(PPS)などが販売できるようになっている。PPSは、既存の電力会社の電線路を使うか自営の電線を電気を使い供給することが可能で、対象は、残念ながら一般家庭などではなく、契約電力が50kw以上の大規模事業所となっており、市役所や学校なども対象になるものだ。
 PPSは、23年6月1日現在で国内に45社がある。全ての会社が全国を対象にしてはいないので、武蔵野市での選択できる会社は少なくなるとはいえ、東京電力以外の電力会社から電気を購入することは、すでにできることだ。

 さらに、現在では環境配慮契約法(国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律)により、国などの機関には環境に配慮した契約が義務づけられているが、この法律はまた、自治体にも努力義務とは言え、価格と環境性能を含めて総合的に評価し、最もすぐれた製品やサービス等を提供するものと契約するように求めらている。この法律の趣旨は、環境に配慮した新技術やクリーンエネルギーを普及させる企業などにも経済的なメリットが得られることを目的としているもので、電力だけではなく、自動車の購入、建築物の契約なども想定をされているものだ。

 つまり、自治体にはすでに東京電力以外の電力会社からの購入を環境も配慮して検討すべきとなっていることになる。

 PPSから電力を購入することは、すでに立川市が立川競輪場で実施しており、2009年度の電気代約6,200万円が2010年度には約4,500万円となり、約1,700万円、約27%の電気代を削減している実例がある。立川市では他の市の施設にも同様に広げていくとしている。

 立川市にこの契約の方法について確認したところ、特定規模電気事業者に変更する際に必要なのは電気メーターの変更だけで、変更費用は東京電力自体が行うと定められているため、市としての初期投資はゼロということだった。しかも、何かあった場合には、いつでも東京電力に戻すことも可能だという。他にも愛知県の新城市、豊川市でも同様に検討が行われている。

 環境が整っているのだかから、市役所など市の施設の電力について、東京電力だけではなくPPSも入札に参加可能とする契約を考えるべきではないだろうか。入札という競争でコストが下がることは立川市の例をみれば明らかだろう。
 ただし、単にコストだけを追求すると、火力に頼ることが多くなり環境への負荷が大きくなってしまうことが懸念される。そこで、クリーンエネルギーをより利用している業者が有利になるような総合的な入札制度を導入することでコスト削減とクリーンエネルギーの普及ができるようにすべきだろう。
 
 そして、削減したコストを太陽光パネルの設置へ補助金への財源とすべきだと思う。脱原発は世の流れだが、国からの補助金はそうあてにできるものではない。市独自の施策を進めるにしても財源が必要だ。単に普及しろ、補助金を出せという安易な考えではなく、財源を考えた上での脱原発を進めるべきだと思うからだ。

 このことは、先の6月議会の一般質問で提案した。市長の答弁は、現在は東電との随契で行っているが、PPSについては今後大いに研究するべき事業方式だ思っている。ただ、CO2が発生する発電方式が多く環境面への課題も検討する必要があるが、基本的な方向としては、コスト削減だけではなく、クリーンエネルギーの推進に向けた取り組みの検討を進めたい、としていた。また、市長の個人的な見解として、脱原発を進めるべきとの答弁もあった。どちらも期待をしたい。
 脱原発は、自治体施策からもできることはあるのだ。

【参考】
朝日新聞 東電やめたら電気代3割節約 立川競輪場、契約先変更で資源エネルギー庁 特定規模電気事業者連絡先一覧