図書館への指定管理者制度がなじまないのは常識。官製ワーキングプアの見直しを。総務大臣が通知

 総務省が昨年末の12月28日、「指定管理者制度の運用について」の通知を各都道府県知事、各指定都市市長、各都道府県議会議長、各指定都市議会議長あて通知している。内容は、指定管理者制度を適切に運用することを求めるものだ。
 片山総務大臣は、1月5日の記者会見でこの通知について、公共図書館が指定管理者制度になじまないのは常識。直営が望ましい。また、指定管理者制度により官製ワーキングプアを生み出していることを見直して欲しいと語っている。



 
 通知は、総務省自治行政局長の名前で出された。1月5日の片山大臣への記者会見でテレビ朝日の記者からこの通知についての質問があった。
 片山大臣は『指定管理者制度に誤解がある。自治体の利用状況を見るとコストカットのツールとして使ってきた。否定はできないが一番の狙いは行政サービスの質の向上にあるはず。お役所仕事から脱却をして、民間の創意工夫、経験などを導入することによって、利用者本位ではないと批判されてきた公の施設に新風を吹き込み行政サービスの質を向上、住民の満足度を高めたいるものだ。
 特に、懸念しているのは、本来、指定管理になじまない施設にまで、指定管理の波が押し寄せており懸念していたので誤解を解いたり、本来の趣旨、目的を理解してもらうために出した。じっくり読んでいただければ、はっと気が付いていただけるのではないかなと思う。

 具体的には公共図書館。まして学校図書館は、指定管理になじまないと私は思う。きちっと行政がちゃんと直営で、スタッフを配置して運営すべきだと思う。私が鳥取県知事のときもそうしてきた。法律には書いていないが良識とか、常識ですね。

 もう一つの認識は、これ指定管理だけではなく定員削減や総人件費の削減で外部化を総務省として進めてきたが、コストカットが目的になり結果として官製ワーキングプア生んでしまっている。このことへの懸念も示して、少し見直してもらいたいという気持ちからも出した。反応が無いか、有るか、有ってほしいと思うが、しばらく見てまた必要がありましたら、次の策も考えてみたいと思っています。
 自治体は地元の企業には、正規社員を増やしてくださいと働き掛けるのに当の自治体が、自ら内部では非正規化を進めて、官製ワーキングプアを大量に作ってしまったことへの自覚と反省は必要だろうと私は思う。その問題提起の意味も含めて見直しをしたということです』(概要)と答えている。

 武蔵野市は、武蔵野プレイスなどで指定管理者制度を導入している。片山大臣の「一番の狙いは行政サービスの質の向上にある」との指摘や図書館への懸念を、もう一度、考えてみるべきだろう。制度があるから導入するのではなく、何ためにあり、そのために何を大切にするのかでだ。
 図書館は、図書館員のスキル、能力が最も重要だ。施設や貸し出しシステムではないのだ。指定管理者制度では、最長5年の契約しかできない。これでは育てることも育つことも難しい。そもそも無料の原則があり利益を上げることもできない。民間の知恵を導入することは否定しないが、コストカット目的では、インターネットで得られる真贋の分からない情報ではなく、市民に適切で確かな情報を提供するという、そもそもの機能が成り立たなくなってしまう。無料の貸し本屋でもないことを今一度、考えるべきだと思う。

 ちなみに、武蔵野プレイスへ指定管理者を導入する議案に対しては、指定管理の期間が終了する(2015年)までに指定管理者制度が適切なのか検討を行うことを求める付帯決議を私から提出し全会一致で可決している。武蔵野市の場合、コストカットだけが目的にはなってはいないが、コストカットがいつの間にか最優先されてしまう危険性はある。図書館が何を求められ、何をすべきなのかを再考してみることが必要だ。議員も市民も。

【参考】
総務省 「指定管理者制度の運用について」の発出