学童保育の統一基準  内容を考えてくれるのは歓迎だけど不安もあり

 
 朝日新聞が『学童保育に統一基準、法改正案を提出へ』と報道した(2月21日付)。学童クラブのニーズが高まっているのに統一した基準がないことから、来年度(2013年度)から統一基準を作り実施したいというものだ。歓迎したいのだが、地域主権の流れのなかで不安要素もある。

 朝日新聞によると、『市町村任せではなく国が基準を定めることで、一定の質を確保したうえで全国的な普及を図る狙い』としている。確かに自治体によって保育内容や開所時間はバラバラだ。施設も違う。費用削減目的で全児童対策事業(武蔵野市でのあそべえ)に統合する流れもあるなか、国が補助金を出す以上、一定の質を求めたいとの考えは理解できるものだ。
 しかし、具体的にどのようにするか報道された範囲では全く分からない。何よりも今の補助金が少なすぎるというそもそもの問題もある。そのため厚労省の担当者に聞いてみた。

 結果からいえば、詳細はまだ決まっていないということだった。24年度から実施を予定している子育て新システムのひとつとして学童にもなんらかの拡充をしたいというのがそもそもの話のようだ。新しい基準が、これだけをしないと補助金を出しませんよという最低基準なのか。実施内容の段階ごとに(例えば、開所時間は何時までとか年間の開所日数など)補助金をさらに出すという誘導的なものなのかも分からないという。何よりも今の基準よりもどう変わるのかも分からないようだ。
 この中身を議論しているのは内閣府による「子ども・子育て新システム検討会議の作業部会」。今後の議論によって具体的になる予定だ。

 しかし、だ。
 気になるのは、この議論のなかで国が一律の基準を作って補助金を出すのではなく、地域主権なのだから使途を決めないお金として地方自治体に渡すべきとの主張もあるということ。
 正論としては自治体の工夫によってさらに良くすることができる、とは思う。でも、安上がりの質の良くない事業でお茶を濁して他に使ってしまうことや事業自体をやらないで他の事業に使ってしまうことにならないか、との不安もある。
 例えば、学校の図書購入費として交付金を地方自治体に出しているのに、実際には2割強が本には使われていない。小学校の図書購入予算が標準的な予算額を満たしているかの項目での達成率割合見ると、全国平均は42.0%と半分以上の地方自体が、標準的な額を使っていない実態もあるからだ。(【参考】地域主権  地方に任せると本代は道路に?

 当然だが、そのようなおかしな使い方をしないようにするのが議会の役目。議会がしっかり機能していれば防ぐことはできる…、というのも建前。でもなぁ、と思ってしまうこともあるのだ。学童クラブは必要ない、全児童で十分だと主張する議員も少なくはないからだ。学童クラブの目的や保育内容が本来はどうあるべきかなど分からないでのことかもしれないが、不安要素はここにもあるということだ。さらに言えば、学童クラブをたんなる預け場所としか思っていない保護者もいるというから、なおさら大丈夫なのかなぁと思ってしまう。

 取り越し苦労とは思うが、この報道で余計なことが気になってしまった。