武蔵野市23年度予算案発表 その2

武蔵野市平成23年度の予算概要を読んでいて、注目したいと思えたのは、待機児対策と学童クラブの土曜開所、現在策定が進んでいる五期基本構想・長期計画を元にした計画的行政を行うというものだった。もしかしたら、これから議論雄ポイントになるのかもしれない。

 予算には基本方針が5つあり下記としている。

基本方針1:市民自治・コミュニティの活性化 (市民自治の推進と発展)
基本方針2:市民文化のさらなる発展 (平和・文化の発信)
基本方針3:安全で安心して住み続けられるまちの構築 (子育てしやすいまちづくり)
基本方針4:持続可能な都市基盤の構築 (「エコシティむさしの」の推進)
基本方針5:安定的な市政運営 (効率的で質の高い市民サービス)

 これらは武蔵野市の将来を考えれば当然のことであり、目指さなくてはならないこと。納得できる。ただ、それをどう具体的にいつまでにどのようにできるのかがこれから予算審議などを経て議論になるのだと思う。

■集合住宅でのグループ保育

 この中の基本方針3には、市内の新生児数は、900人前後で推移していたが、平成18 年から増加し昨年は1,121人と増加したことで保育園ニーズも高まり、保育園待機児解消は大きな課題と認識したうえで、認可保育園の定員拡充、グループ保育などの拡充、認定こども園の開設など、多様な保育サービスにより待機児解消を図るとしている。
 そのひとつとして、待機児解消に向けた緊急対策として、URの賃貸物件でグループ保育事業を試行するとしていた。はやい話、桜堤のザンヴァリエと緑町のパークタウンなどのURの集合住宅の一室を市が借りてグループ保育をおこなうというものだ。

 このことは、すでにマスコミでも報道されているが、0、1歳児を対象とすれば集合住宅でも可能と考えられることであり高く評価できるものだ。本来は認可保育園で対応すべきとは思うが、現実を考え短期で対応できるとなればこの手法が最適だと思う。

 というよりも、大型開発が行われるのであれば、開発事業者へ子どもへの施設を併設させるような条例なりを考えるべきだと思う。流山市では、100戸以上の集合住宅開発を開発する場合、子育て支援施設の設置義務付けを条例化しているのだ。子ども施設だけではなく、小学校の教室が足りるのかの課題もある。なんらかの協力を求めるべきではないだろうか。
 現在の武蔵野市まちづくり条例でも公共施設などの提供を一定規模以上の開発には定めているが、大型集合住宅の場合、一棟にせず複数の棟に分割することでこれに当てはまらないケースもある。まちづくり条例の修正も考えるべきだと思う。

■学童の土曜開所

 学童クラブ土曜日開所試行も記載されていた。
 土曜開所については、すでに「小学生の放課後施策推進協議会」で方向性が出され、具体案が示されているものだ。私は長年、開所すべきとしてきたこともあり、開所自体は評価できることだ。何よりも市が決めたことにしたがってもらうと言い切って閉所を強行したことを考えれば、どのように開所をするか、当事者だけではなくいろいろな立場の市民と行政が協議していることは、評価できることだ。

 ただ、土曜日は15時30分までの開所、あそべえとの連携でとの前提があり実質的に意味があるのか。そもそも学童保育をどのように考えているかの根本的な課題も残されている。
 先の協議会でも15時30分前の開所に異論が続出していことも考えれば、平日と同じ18時までの開所をすべきだ。施政方針には具体的な時間がかかれていないので分からないが、その後、行政側がどのように修正したかが今後の代表質問や予算審査で問われることになるはずだ。このことは、誰のために行政があるのかが問われる重要な問題だ。

■計画行政

 市政運営の今後を考える意味で興味深いのが、『基本構想・長期計画は、市の進むべき方向を示す指針であるとともに、分野を越えた施策の優先度を明らかにすることを目的としています。また、それを支える自律的な行政運営と財政の健全化の確保を図ることも、もうひとつの大きな目的であると考えています』と書かれていることだ。

 現在、地方自治法の改正案が国会に提出されており、基本構想の議決義務がなくなる可能性が高い。義務がなくなれば、多くの自治体で絵に描いた餅といわれている総合計画(武蔵野市での基本構想・長期計画)を策定する必要がなくなってしまう。策定にかかる費用や手間を考えれば、ムダともいえる計画であり、未来の計画を行政や議会だけで決めるのではなく、選挙で決めるべき、つまり首長マニフェストで4年先を有権者が決めるべきとの改革派首長の主張も考えれば、なぜ基本構想・長期計画を策定しなくてはならないのかが問われることになる。そのことを考えれば、この記載をした意味は何かが問われるからだ。

 総合計画を作るのであれば、市の行くべき姿を見せるべきなどは私からも主張していたことなので、記載されている内容自体は評価したい。だが、具体的にどのように組み立てるのか。他の個別計画との連携をどのようにするのか。それぞれの“見える化”をどのようにするかが問われると思う。市長、行政の考える姿と議会・議員側の考え方が議論になるかもしれない。

 また、基本構想・長期計画の策定は今行われているのだが、そもそも計画は誰のために行うのかを明確にすることも必要だと思う。計画でいろいろな言葉が書かれるが、その主語が今までは曖昧に思えているからだ。この主語をハッキリさせるべきだと思う。
 そして何より、誰のためにどのように決めるか行政側で決めてしまうのか、市民のかかわりをどの程度考えていくのか。地方自治法が改正されると議会の議決が必要になくなる。そのときに、議会・議員がどのように策定に関わるのか、あるいは、議案に対してだけ関わるのか(議決を条例化した場合)、議会を無視して計画を作るのかなども議論のポイントになりそうだ。

 他にもプレイスの開館、三鷹駅北口周辺地区の再整備方針の検討、建物の高さ制限の検討、東町の大型下水処理施設の建設、ムーバス料金のICカード化なども盛り込まれているが、これは別の機会に譲ろう。以下は、23年度予算で予算の拡充された事業(○)と新規事業(◎)。ご参考まで。
 詳しくは、市のサイトに予算参考資料などが掲載されている。

 今後の議会日程は、2月22日(火)10時から施政方針演説、23日(木)に各会派代表質問、28日、1日、2日(予備日)に一般質問が行われ、各常任委員会の後、15日から予算の審査が始まる。議会日程は、議会のサイトへ。【参考】 予算案その1

■23年度予算 拡充・新規事業

○ホームページ運営
◎市民活動促進基本計画(仮称)策定
◎文化施設・体育施設の予約システム
◎例規類集・要綱集管理システム再構築
◎住民情報系システム再構築
◎繁華街における安全・安心改善事業
◎施設整備計画立案のための公共施設外壁調査
◎健康福祉総合計画・地域福祉活動計画の策定
○みどりのこども館の管理運営
○障害者自立支援給付事業
○障害児の放課後対策の充実
○子育て支援事業(SOSの名称変更し子ども家庭支援センターに)
○学童クラブ事業
○保育の質向上の取組み
◎賃貸物件を活用した緊急待機児童対策事業
○病児・病後児保育事業の充実
◎境こども園(仮称)実施設計他補助事業
◎子ども協会立北町保育園実施設計他補助事業
◎子ども協会立保育園(千川、北町)運営事業
◎省エネ法等による中長期計画等策定支援業務
○太陽光発電設備の設置
◎生ごみ資源化三市共同研究
○新武蔵野クリーンセンター(仮称)建設事業
◎クリーンセンター周辺道路整備
◎子宮頸がん等ワクチン接種事業
◎商店街活性化・商店会組織力強化のための企画提案型補助金
◎文化伝統事業支援補助(吉祥寺薪能)
◎都市計画高度地区変更等高さ制限の具体化
◎三鷹駅北口周辺地区の再整備方針の検討
◎公共サインガイドライン策定
◎武蔵境駅周辺鉄道高架下駐輪場整備
◎ムーバス・交通ICカードの導入
◎八丁地下道警報表示システム設置
○都市計画道路3・4・27号線事業(武蔵境駅南口プレイスの西側の道路)
○景観道路事業
○武鉄中付第1、第2、第3号線整備事業(中央線武蔵境駅周辺の線路北側の道路)
◎住み替え支援事業
◎市営住宅・福祉型住宅の適切な管理の検討
○公園等建設事業(千川上水整備事業を除く)
◎千川上水整備事業
◎赤十字公園設備等撤去工事
○災害用トイレの整備
○気象観測システム更新
◎小・中学校空気調和設備設置工事
○小学校外国語活動指導員の派遣
○小学校高学年における理科専科教員の
◎学校図書館システム更改
○教育用コンピュータ(パソコン教室)更改
○音楽クラブ楽器購入・修繕
○一般財団法人武蔵野給食・食育振興財団に対する調理業務委託
○特別支援教育推進事業(学校支援人材の派遣)
◎総合体育館メインアリーナ等改修事業
○ 国体・障害者スポーツ大会推進事業
◎ひと・まち・情報 創造館武蔵野プレイスの管理運営
○公共施設改良保全整備
○公共施設劣化保全整備
○合流式下水道改善事業
○雨水貯留浸透施設設置事業
◎長寿命化計画策定(下水道)
○外国語版「国保のしおり」改訂
○国民健康保険税収納管理システム改修
○認定調査体制の強化(介護保険)