議員向けに長期計画要綱、配付される。

 1月31日に市議会全員協議会が開催され、武蔵野市第五期基本構想・長期計画策定委員会と議会との意見交換が行われる。この全員協議会に先立ち、議員に討議要綱が配付された。内容を読むと、方向性は先日の案と大きく変わっていないようだが、やはり、なぜこうなるのか疑問に思う箇所もあった。


 討議要綱は、あくまでも議論するための素案で今後、市民からのヒアリングなどを経て変わっていくものだ。最終的には策定委員会から今年の9月に市長へ答申が行われ、市長の案となり議会へ上程され、可決することで成立する。

■位置付けはどうなのか

 現段階で気になっているのは、まず、この計画自体の位置付けだ。

 健康福祉総合計画や子どもプランなど個別計画があるが、その上位にあるのがこの基本構想・長期計画と位置付けられているのだが、「計画策定の基本的な考え方」には『個別計画を尊重しつつ、本計画においては、行政分野を見渡した上で総合的な観点から優先化・重点化すべき施策の検討を行う』(P5)とあるからだ。
 通常考えられる総合計画(基本構想と長期計画の一般的な呼び方)であれば、上位計画である総合計画を策定した後に、総合計画、特に基本構想で示された目標を達成するために下位計画である基本計画(武蔵野市の場合は長期計画)が策定され、さらに下位の個別事業計画が作られる。だが、この文を読む限りでは、上位計画である総合計画が、これまでに策定された下位計画に示された個別施策の優先度を決めることになり、個別計画の上位計画というよりも、個別計画の優先度を決める計画、つまりは総合的な実行計画になってしまわないかだろうか。
 話しがややこしいのだか、個別計画でやると決めた事業をこの基本構想・長期計画で、優先度が低くなったから止めよう、あるいは、先送りしようとなってしまわないか。それが上位計画なの、と思ってしまうからだ。

 さらに言えば、討議要綱を見るとどこが基本構想なのか、長期計画なのかも分からない。上位(基本構想)、中位(長期計画)、下位(個別計画)というピラミッド型の計画体系と考えると矛盾がでてしまうように思う。また、企業などの計画でも目指すべき目標を決め(上位計画)、数年単位で実行するために中期的な計画(中位計画)と単年度に近い個別計画・短期計画(下位計画)を構成するが、このような発想でもない。
 
 何よりも、この計画を達成すると何がどのようになるのかも良く分からないこともある。
 これらは今後の議論で固まるのもしれないが、現段階では位置付けが良く分からないと思えてしまった。

■疑問のある記載

 各論で言えば、1月7日版にあった内容とほぼ同じなので、同じ疑問が残されている。
 例えば、下記の項目だ(→=疑問点)

○経費老人ホーム「くぬぎ園は、活用方針を定め、建替えることで、地域に聞かれた施設を目指す。(p13)
→地域に開かれた施設とはなにか。経費老人ホームは続けるのか。

<子育て支援施設の再編>
○桜堤児童館は、その機能・役割を分散し、将来的に0123施設化を図る。
→児童館利用者の意見はどうなのか。児童館機能、役割はなくすのか。

○旧泉幼稚園跡地については、吉祥寺西コミセンとの役割分担を踏まえ、保育サービス機能を有する子育て支援施設及び公園として活用する。
→保育サービスの中身はなにか。保育園の考えがあったが、周辺住民から受け入れに賛意が得られなかった場所で可能性があるのだろうか。

<公立保育園の役割、あり方の検討>
○平成25年度までに公立保育園9園のうち5園の設置運営主体を、公益法人となる武蔵野市子ども協会に変更する。今後、国の制度改正の動向に留意するとともに、移管した5園の運営状況を検証した上で、残る公立保育園についてもその役割、あり方について検討する必要がある。(p13)
→残った公立園を民間委託することになるのか。それとも公設公営で残すのか。このことを検討するのか。
 
<少子化を踏まえた公立学校のあり方の検討>
○児童数の減少によって小学校では単学級の学年も生じている。また、少なからぬ子どもが市立小学校から私立等の中学校に進学する状況がある。このような状況を踏まえ、各学校の特色を生かした教育の展開や地域からのサポートの活用など学校経営のあり方について検討を進める。また状況に応じて学区域のあり方についても検討が必要である。
→学区を変更することは、小中学校の廃校もあるのか。(p14)

<生涯学習施策の推進>
○武蔵野プレイスでの図書館運営の状況を検証した上で、図書館の運営のあり方について検討する。
→プレイスは指定管理者制度を適用しているが、他の図書館にも拡大することか。それとも、民間委託することか。議会では、指定管理者制度を考え直すよう決議が出ている。(p14)

<地域コミュニティの活性化>
○地域コミュニティ活動の中心となっている市民の高齢化・固定化、新たな担い手不足といった状況は、どの活動においても共通した課題である。そのような状況の中で、地域コミュニティ活動は地域の課題解決を期待されていても、その全てを担うことは難しい状況にある。今後の地域コミュニティ及び地域コミュニティ活動のあり方について検討する。
 また、このことを受けて、市民によるコミュニテイづくりの拠点としてのコミュニティセンターの機能について検討する必要がある。
→コミセンは現行のままでは立ち行かなくなるということか。コミセン機能の縮小や事業目的、自主の原則を考え直すのか。(p15)

<市民文化発展の支援>
○武蔵野プレイス開館後、閉館する西部図書館の施設は、市民の利用可能なスペースを持つ歴史資料館として活用する。
→いつ、誰が活用すると決めたのか。住民の意見を聞くべきと議会では決議が出ているが、聞かないままで決めるのか。

○公会堂の建替についても検討を行う。
→検討はすべきだが、吉祥寺のまちづくりとも大きく関係する。どのような手順を考えるか。

○武蔵野プレイスの開館にともない、市民会館の図書室については廃止し、地域開放型の集会スペースを設置する。
→市民会館自体の事業をどうするのか。市民会館が貸館事業に近くなっていないか。社会教育自体をどのように考えるかが見えない。(p16)

<スポーツの振興>
○市民の健康の維持・増進のみならず、スポーツを通じた豊かな生活を身近な地域で営めるよう、旧桜堤小学校の校舎を解体し、体育館と共に運動公園として活用する。
→いつ、誰が決めたのか。他の活用法は考えていないのか。桜野小学校の学級数が足りなくなる懸念もある。(p16)

<三駅周辺まちづくりの推進 吉祥寺地区>
○都市高速道路外郭環状線及び幹線街路としての外郭環状線の2については、引き続き事業者である国や東京都に対し、適切な情報提供と住民への丁寧な対応を求める。
→対応を求めるだけなのか。外環の2(地上部)は廃止を前提としたまちづくりを検討すべきではないか。読み方によっては、丁寧に対応すれば推進しても良いと思われないか。(p17)

<持続可能な市政運営の確立>
○財政援助出資団体が担う行政サービスの範囲・量を拡大してきており、団体の効率的・効果的な経営が必要である。新公益法人への移行も踏まえ、再編を視野に入れた、今後のあり方についての検討が必要である。
→再編はすべきだが、各団体との意見調整ができているのか。その前に各団体の事業の仕分けも必要でないか。再編ありきになると、福祉三団体の再編で議会に陳情が出たように問題となるかもしれない。

■大きな課題 テーマは4つ
      
 討議要綱には、先の調整計画と同じように大きな課題としてA~Dの四つが提示されている。個別の課題もこの四つをどう考え、方向性を決めておかないと決められないかもしれない。このように提起することは好感が持てるものだ。
 記載されているのは下記だが、これは、策定委員だけではなく多くの市民が考え結論を出すべきだろう。
 基本構想・長期計画は市役所の計画、行政のための計画ではないはずだ。武蔵野市という団体の未来への海図にすべきだと思う。そのためには、どれだけ市民が関心を持ち、理解するかが問われるはずだ。そのための周知ができているのか、できるのかも課題ではないだろうか。

●課題A 地繊コミュニティのあり方の検討
 核家族化、単身世帯化、超高齢化などにより近隣関係の希薄化がいわれ、市民の地域からの孤立が深刻な問題となっている。この傾向が一層進むことが予想される社会状況の中で、地域コミュニティのあり方について改めて議論する必要がある。

●課題B 住み続けられるまちの構築
 地域には、保健・医療・福祉・教育・環境・安全などの多様なニーズを有する人々が生活している。支援が必要な子育て世帯や高齢者、障害者を中心に、先を見通すことができずに不安を感じている面がある。すべての市民が安心して、住み続けられるよう、生活ニーズに応じた支援・援助を選択し受けられる社会の実現を目指す必要がある。

●課題C 市民施霞ネットワークの再構築
 公共施訟は、昭和40年頃から、公会堂の建設や学校の鉄筋化を皮切りに急速に整備を進めてきた。しかし、各施綾の老朽化が進み施識の機能面での課題や、今後の管理コスト負担の増大が懸念されている。限られた財源の中で今後の行政需要に対応していくために、全市的、長期的な視点に基づく検討が必要である。

●課題D 都市基盤の再構築
 上・下水道や道路などの都市基盤は、市民生活を支える最も重要な施設である。さらに緑化の推進は、本市の姿を形づくった、まちづくりにおける軸となる考え方である。早期に整備した施設には老朽化がみられ、計画的な再整備が求められているとともに、緑化を軸としたまちづくりを継続する必要がある。都市基盤の整備は大きな財政負担を伴うが、その重要性から他の政策に優先して取り組む必要がある。

※討議要綱の市のホームページへの掲載は2月1日の予定。2月10日の市報でも公表される。
 討議要綱を早めにお読みになりたい方は、議員向けに配布された要綱をここにアップしてありますのでご参照を(同時に配付された第四期基本構想・長期計画と調整計画の実績と評価は別にあり)

★追記
 市のサイトで公開された。メールなどでの意見も募集中。
 下記をご参照ください。
武蔵野市 第五期基本構想・長期計画討議要綱