市民協働サロンの行く先

 1月22日に市役所7階にある市民協働サロンで「市民協働サロンの未来像~お聞かせください、あなたの声を」があった。市民協働サロンに登録している団体が集まり、23年度の事業など今後をどのようにしていくかなどの意見交換をおこなうというもの。今年の7月にオープンする武蔵野プレイスに、場所の面積で見ると現状の約65平米から約7倍の面積になるように事業としては拡充されることから、市役所内にある現在のサロンを縮小することを市では検討しているためだ。

 意見交換に先立ち、どのように利用しているかなど登録団体に行ったアンケートの結果の報告があった。アンケートの回答数132通(回収率40.7%)のうち、実際に利用した機能の回答を見ると印刷機が88で最も多く、スタッフによる支援が19、コーディネーターへの相談が18というものだった(回答は複数可)。

 この集計結果や当日の意見から考えると、登録団体が今の協働サロンを利用する目的は、印刷機を使うこと。しかも、コミセンなどにある印刷機よりも安価であるからが多いように思える。協働サロンには、協働推進・活動支援・交流促進・情報発信という4つの機能があり、専属のコーディネーターなど人を配置し、団体の運営や各種の助成金の申請方法へのサポート、団体同士の交流などを担うなど中間支援組織だが、この日の意見やアンケートだけを考えると、コスト削減の意味も含めると縮小は仕方がないのかな、と思えてしまうものだった。

 しかし、市役所の中にあることで、市とダイレクトに連絡することや調整がしやすくなること。市から考えれば、市民が望むことを自らの部署以外と交渉することなど市職員のスキルを高めることなどメリットもあるはずだ。各部課ごとに市民の相談を行っているから必要ないとの考えもあるが、複数の部課にまたがる課題や自らの担当以外の課題を見出すことなどにより総合的な施策を考えるときに役立たせることもできるとも思う。

 何よりも、市民と行政が直接交渉することは意外とハードルがあり、本音で言い合えるような関係は簡単にはできるものではない。そのために、中間的な組織が双方の仲立ちをするまちづくりセンター(※)的な機能を重視した事業としてもいいのではないか、とも思う。もちろん、行政側にそのような組織は必要ないとば別なのだが。

 市民との協働は市政の大きなテーマ。協働とは、NPO、市民団体を行政の下請け組織ではなく対等のパートナーと考えるのであれば、市と市民協働サロンの運営を担うNPOが対等に、どのようなミッションを持っているのか、持つべきかを十二分に話し合って欲しい。印刷機の貸し出し場所、中間支援だけではないミッションがあるはずだと思う。他にもっと大きな機能がないのか。なかったのか、必要ないのかを再検証する必要もあるはずだ。

 議会では、これまでにプレイスにできる活動フロアと市役所の市民協働サロンの違いは何かとの質問があり、市と関係が深い団体は市役所の市民協働サロンを利用するとの市の見解だった。縮小を検討しているということは、決まったのではないとしても、この考えを変えようとしていることにもなる。それはなぜなのか。コストか、方針変更なのか。それとも他にあるのかだろうか。

 それにしても、この先を考える必要性は認めるが、市民協働サロンの縮小話はちょっと急ではないかだろうか。プレイスの開館は、かなり前から決まっていたことだからだ。どの方向に向かうかは分からないが、この点は気になる。方向性を変えるのであれば、いつ、どのように変えていくのか、手法も課題になりそうだ。

※まちづくりセンターには、建築紛争の調停役や市民への情報提供、講師派遣などだけではなく、市民と行政の橋渡し役を持つところもある。この機能は、建築系だけでなくてもいいはずだ。