市役所職員への議員の圧力

 奈良市で職員にアンケートを行い、議員などから不当な圧力があることが明白になった。拒むと人事などでの報復があることから、口利きや圧力、暴力を黙認、容認する体質が市役所にあるとしている。


 このアンケートは、「土地開発公社が自治体を侵食する」などの著作があるフリージャーナリストの浅野詠子さんの“つぶやき”で教えていただいた。奈良市の入札制度等改革検討委員会が実施したもの。1655人を対象とし340名からの回答を受け付けている。

 報告にある公職者からの介入についての項目では、『5年以内に、340名中60名が介入を受けたことがあり、そのうち21名が不当な介入と感じたこと、特に市会議員からの介入が多い点に注目し、改革措置の必要性がある』、『特定の個人または団体に対しての特別扱いなので、市民全体として不公平だと感じる。市会議員の特権のようで不快』などの記載があった。

 原因は、『入札に入る以前の問題として、政策の立案決定、予算化の経過が不透明な事が、情報が一部の職員の物として扱われる傾向があるのではと思われる。政策化の過程がオープンにされず、一部管理職のみで立案されるので、問題意識されない。よって裏取引きされてもわからない』ことや『管理職あるいは係長など何十年働いている職員が、様々な要件の決定権を持っており、それらの職員は慣例に従う傾向にあり、善悪の判断が常識からかけ離れていても気付かず新しい意見を取り入れようとしないなど意識に問題があると思う。下の職員が正そうとしても押さえつけられる』『声の大きい業者や、議員等を介した文句などに対し、法的にダメと書いていないと業者や議員等の要望に対して「それは出来ない」と主張できない雰囲気になっている』ことなどがあるようだ。

 対策は、『現実問題、職員には市長、議員から自分を守る力もなければ暴力団等から守る力もないのではないか』の記載がある一方で、『職員のしがらみを無くすため3年から5年を目安として人事異動を行うべき』との記載もあった。

 回答数が少ないので、一部なのか、それとも氷山の一角なのかは分からないが、事実があることは確かだろう。市役所としてコンプライアンスを徹底的に行うことや内部告発制度を作ることが普通は考えられるのだが。

 しかし、昔にあったようなドラマのようなことが現実におきていることには驚きだ。アンケートは昨年行われたようで、現実の今のことなのだ。アンケートができたこと自体も驚きだが、これは市長が交代したことが大きいのだそうだ。

 このアンケートが公表されたことで議会の反応が気になるが、朝野さんによれば、議員名が匿名なのが弱いとされていた。武蔵野市ではあり得ないことだと思うが、他の自治体での実際はどうなのか。奈良市の今後も含めて気になる。

【参考】
奈良の声
 〈視点〉公共工事に不当介入の議員名、公開を奈良市の職員アンケート結果に波紋    浅野詠子