名古屋市長選挙 議会のあり方が争点?

 市議会解散の是非を問う住民投票と同時に名古屋市長選挙が行われ県知事選挙とのトリプルになっている。注目したいのは、市長選挙での争点のひとつに議会のあり方があることだ。
 議会との対立で辞職して再び選挙に挑んでいる河村市長が主張するように、庶民感覚がないという議員の定数を削減し、報酬も半減すべきか。それとも、対立候補となった石田前衆議院議員(元犬山市長)が「議会内閣制」(※)を主張しているように制度的に責任を持たせて自治体運営に関わらせる議員、議会にすべきかという主張がぶつかり合っているからだ。



 
 名古屋市長選挙には、共産党の八田ひろ子氏も立候補しており、「住民からの多様な意見を反映するため、議員は増やすべきだ」と主張している(朝日新聞より)。

 市長選挙は名古屋市の未来を有権者が選択するものだが、同時に、議会の未来を選択することにもなりそうだ。結果は名古屋だけではなく、他に自治体にも大きく影響するのではないだろうか。首長による議会改革、もしくは、議会たたきが票につながると考えれば4月の統一地方選挙で、あえて主張する首長が増えるのではなろうか。

 首長によって改革されるのではなく、議会、議員自ら変わるべきが今なのだと思う。改革された議会はあるにはあるが、全国の約1800の議会の数からみれば圧倒的に少数だ。議会の機能権限強化が必要と主張している石田氏でさえ「議会内閣制」は、『政治主導で税金の取り方と再配分を決めるのは、諸外国では当たり前。予算を作れない地方議会は盲腸みたいなもの。そこにメスを入れる』(朝日新聞より)というように、現状の議会、議員のままではダメとの前提なのだ。このことは多くの議員自身が自覚すべきことだろう。

「尾張名古屋は城でもつ」という言葉がある。尾張名古屋は、市長でもつのか、議会でもつのか。それとも、両者が切磋琢磨してもつのだろうか。

※議会内閣制
 予算編成や行政責任を議会にも持たせるため、議員が副市長や局部長など自治体の幹部を務めるとういうもの。
 橋下大阪府知事が提唱し注目されたが、橋下知事の提案は、首長が指名するもので、首長の部下になり議会を配下にしてしまう危険性から異論が多い。これに対して、議会が自ら選ぶ内閣制もあり、この方式には議会に主体性を持つことになる。考え方は、国会と同じともいえる。この場合、首長は対外的な交渉を行うことなど儀礼的な存在になることや逆に議会が決めた方針を執行するシティマネージャーになることも考えられるが、自治法改正などハードルがある。

【視点】
 議員が執行責任を負う内閣制にするのではなく、現行のままでの議会でも十分機能を発揮できると主張する研究者や議員も少なくはない。何よりもの問題なのは、議員の資質というが大方の見方ではないだろうか。そして、その議員をどのように選ぶかが、実は最も大きな課題だと思う。
 地域主権を進めるとなれば、どのような議会制度がいいのか。住民が自ら選べるようにすべきではないだろうか。

【参考】
朝日新聞 
論点チェック(3)議会改革 「報酬削減」か「制度」か【タブーを破り譲らず 票にならぬ?不安も】
名古屋市政ウオッチ
 2・6トリプル投票:名古屋市長選 民主・石田氏「議員を市執行部に」
河北新報
 問われる二元代表制/「内閣制」賛否渦巻く
川名ゆうじ
 自治体「内閣制」に意義あり!