報酬審議会報告書   武蔵野市議報酬は据え置き。市長は4万円減。

 武蔵野市特別職報酬等審議会の報告書が市長宛に提出され、写しが議員にも配布された。報告書には、市長給与は市職員の減額が続いていることから月額4万円のカット(-4%)。議員は、増額が必要とも考えられるが、市民の理解を得にくいため据え置きとしている。



 審議会は市長、副市長や議員の報酬額を審議するもので、額の増減などについて検討し市長へ報告するために2年に一回、設置されている。報告書を元に報酬が決められることになる。
 審議会の委員は、武蔵野商工会議所会頭、成践大学長、武蔵野市商店会連合会長、武蔵野市コミュニティ研究連絡会長、人権擁護委員、武蔵野市医師会長、元武蔵野市議会議長、武蔵野青年会議所理事長、税理士、日本労働組合総連合会多摩東部第一地区協議会議長の10名。

■論点は市民の理解を得られるか

 審議会の議論では、長引く経済の低迷や雇用悪化の改善が見えていない状況で増額は市民の理解を得られない。一方で、平成8年から改定が行われていないこと。議員定数が昭和62年に6名、平成19年に4名削減され、議員一人当たりの役割の変化や議員報酬全体でのコストも考慮すべきとの意見があったとしている。

 結果は、市長、副市長については、職責の重さは考慮すべきだが、平成14年以降、職員給与の減額が続いているのに、市長及び副市長の給料が据え置かれていることは市民の理解は得にくい。過去10年間の一般職職員の改定率と同じにする4万円程度(市長)の減額が妥当というもの。

■議員報酬は据え置き。政務調査費は増やす検討を

 議員については、『議員ヒアリングを今回も実施した中で、行政範囲の拡大により議員の活動範囲が多様化し広がっていること、議員活動によっては現在の議員報酬の額ではまかないきれない状況があること、子育て世代では現在の議員報酬から様々な活動に要する支出を行った後の金額だけでは家計を維持していくのが難しいこと等の議員からの意見があった。一方で、、議員年金の廃止によって掛金の支出が減れば手取り収入は増になること、現在の社会経済情勢、市民感情の観点から報酬の増額を求めることは難しい旨の議員からの意見もあった』(報告書より)ことから、『一定額の増額改定が必要とも考えられるが、現下の社会経済情勢や市民生活において厳しい雇用情勢が引き続いていることなどから、増額については市民の理解を得にくい状況であると判断し、据え置くべきとの結論に達した』としている。

 また、付記事項として、市政調査研究費については、運用方法の見直しをした上で増額してもよいのではないかと議論があったことを付記している。理由は、『議員の活動範囲が拡大し、多様化している状況をふまえ、議員報酬額を据え置くことも勘案すると、市政調査研究費は、使途範囲の拡大も検討しつつ、使途のチェックを引き続き厳格に行うことを前提に、一定の増額を行うことで、市民の負託に応え得る議員活動の質的向上が図られるものと考える」というもの。

■市長退職金

 市長、副市長の退職手当についても検討され、他の自治体と比較などを行っても大きく変わりがないことや給料額を引き下げることにより期末手当や退職手当が減額になることから据え置きが妥当としていた。市長退職金は、市長任期の4年間で1712万円。今回の給与減額で64万円の減額となり1648万円になる見込みだ。
 邑上市長は、市長退職金は民間感覚からすれば高額なので引き下げると一期目の選挙公約で掲げ、実際に三分の一に減額している。二期目をどうするか議会で質問があったが、報酬審議会で議論をしてもらうとしている。今後、注目されるだろう。
 

【視点】
 報酬審議会のヒアリングには私も出席した。短い時間だったが、私が主張したのは、そもそも議員が何をするのかの定義がないなかで報酬額を決められるものだろうか。審議会委員には、逆に何をするのが議員と考えているか聞きたい。議会への出席が義務と考えるのなら、委員会などの出席日数で見ると年間28日の議員から84日の議員までいる(※)のに全議員が同額なのはおかしなことにならないか。議会が自ら議会基本条例などを作り、議員の活動を定義した上で額を審議すべきではないか、というもの(当然、委員が答える場でもないので、できないのだが)。そして、常勤職と考えれば生活できない額だ、と答えた。

 額の多い少ないは、その仕事の内容で変わる。その内容を何よりも見えるようにすべきだ。地方自治法が平成20年6月に改正され、たんなる報酬から「議員報酬」としている。この改正の目的は『議会活動の範囲を明確化するため』だ(20年6月18日 総務省自治行政局行政課長通知)。市民から見れば、何をしているか分からない議員活動を明確化することのほうが報酬額を決めるよりも先ではないだろうか。

(※平成21年度議員出席状況より。年度途中で辞職した議員は除く。会派に属さない議員は予算などの特別委員の委員になれないので出席数は少なくなる)

【参考】
武蔵野市 特別職報酬等審議会が市長へ答申