長期計画討議要綱案で気になったこと 歴史資料館(西部図書館跡)、市民会館、旧桜堤小、旧泉幼稚園、三鷹北口、そしてコミュニティ

 1月7日に武蔵野市第五期基本構想・長期計画策定委員会が開催され、討議要綱案が議論された。要綱案は、今後も議論をされ内容は修正され、議会や市民との意見交換を経て固まることになるが、いくつか論点になりそうな箇所が要綱案には書かれていた。
 それは、保育園や西部図書館跡、市民会館、三鷹駅周辺の公共用地、そして、コミュニティについてだ。



 要綱案は1月7日現在のもの。1月31日に議会との意見交換(全員協議会)が予定されており、それまでに修正が行われてより固められることになるのでこれで決まったのではない。今のところ、市のホームページで要綱案は公表されていないが、7日に配付された資料をいただいて読んでみると、まだ固まっていないとの前提ではあるが、以下のように書かれている箇所が気になった(→は、私が気になったところ)。

●公共施設
『現在130施設、総床面積32万平方メートル。将来の市民ニーズと全市的なバランスを想定しながら、長期的な視野にたって適正な配置を計画的に進める必用がある』
『行政需要の変化や新たな行政課題への対応は、現在ある施設の活用、転用及び複合化によるものとし、施設の総量(総床面積)を抑制していく』
→新たな公共施設は作らないということか。待機児対策など緊急性のあることへの対応はどうするのか。

●くぬぎ園は建替え
『経費老人ホーム「くぬぎ園」は、活用方針を定め建替えることで、地域に開かれた施設を目指す』
→経費老人ホームを増やすことか? それとも他目的にするのか。住んでいる人はどうなるか。家賃はどうなるか。

●桜堤児童館
『その機能・役割を分散し、将来的に0123施設化を図る』
→0123にすることの方向性はあったが、いつ、誰が決めたのか。児童館の機能とは何か。どこへ分散するだろうか。

●旧泉幼稚園跡地
『吉祥寺西コミセンとの役割分担を踏まえ、保育サービス機能を有する子育て支援施設及び公園として活用する』
→保育園を拒否された場所で新たな保育サービス機能ができるのだろうか。役割とは何だろうか。

●公立保育園の役割、あり方の検討
『平成25年度までに公立保育園9園のうち5園の設置運営主体を一般財団法人武蔵野市子ども協会変更する。今後、国の制度改正の動向に留意するとともに、移管した5園の運営状況を検証した上で、残る公立保育園について、その役割、あり方について検討する必要がある』
→検証によっては公立保育園をなくすということか。営利企業も含めた民間への委託、委譲を検討することだろうか。

●旧桜堤小学校
『校舎を解体し、体育館と共に運動公園とする』
→いつ、誰がどのように決めたのか。運動公園にすることで、何がどのようになるのだろう。大型マンションが建設されることで隣接する桜野小の教室が足りなくなる懸念はどう考えるのだろうか。

●西部図書館(歴史資料館)
『武蔵野プレイス開館後、閉館する西部図書館の施設は、市民の利用可能なスペースを持つ歴史資料館として活用する』
→歴史資料館はあくまでも想定、決まったのではないがこれまで市の答弁だったが、活用すると明言している。いつ、誰がどのように決めたのか。

●市民会館
『武蔵野プレイスの開館にともない、市民会館の図書室については廃止し、地域開放型の集会スペースを設置する』
→そもそもの市民会館の役割をどう考えるか。市民会館の会議室などは有料だが、集会スペースとの住み分けをどうするか。コミセンの話もあったがどうするのだろうか。

●自治基本条例
『自治体運営の基本的なルールづくりについても検討すべきである』
→いつまで検討をするのか。本来は、ルールを作った上で長期計画を策定すべきではなかったのか。

●コミニティ
『市民活動を中心になって支えるメンバーの高齢化・固定化や役員等の担い手不足、活動内容と団体能力の乖離、活動に対する負担感など「地域活動の担い手」に関わることが大きな課題となっている。
 一方、これらの公共サービスの担い手という側面だけではなく、そのベースとなる最も身近な市民の生活空間として不可欠な地域社会に、どのような地域コミュニティを望むのか、安心して住み続けることができる地域社会(地域コミュニティ)はどのようなあり方が望ましいのか、めざすべき地域社会像を改めて議論し、共有する必要がある。
 これまで自立的・自発的な市民自治を前提にコミュニティを考え、行政との関係を築いてきた。この考えは今後も地域コミュニティを考えるで継続してして必要がある。 
 この市民自治の原則を前提に、行政との関係性をふまえながら、多様な世代が関わる多世代型で、目的別・テーマ別に自主的に活動する市民団体が重層的に連携するネットワーク型の地域コミュニティを目指すべきではないか、等についての検討も必要である。
 これらの問題を「協働」という言葉で思考停止していなか』
→今のコミニティ、コミニティセンターでは今後は無理で新たなネットワークを考えるということか。コミュニティセンターへの評価をどうするのだろうか。今までの評価は意味がなかったということだろうか。「思考停止」には共感できる表現だ。

●三鷹駅北口
『市が保有する低・未利用地があるが、三鷹駅北口地域が活気ある地区となるよう、民間活力の導入も含めて、有効活用等について検討する』
→駐輪場など駅前に市有地があるが、民間活用となればもっとも考えられるのか高層建築物を民間に建ててもらいその一部を市が活用すること。ツインタワーで騒動になった地域に、今度は市が高層ビルを建てることになるのだろうか。

【視点】
 議論の分かれる課題について、今後が心配になった。
 これまでの計画には、とかく「検討」するという言葉が多用され、いつになったら決まるのか分からない表現が多かった。今回の案には「活用する」など方向を決めた表現が多いことは評価したい。だが、それをいつ、誰が、どのような理由で決めたのか。この案では分からないことに課題があるように思えている。それとも、このような方針を策定委員会が示して、市民などから異論がなければ実行するということだろうか。

 討議要綱なのだから答えを出すのではなく、複数の方向を示して議論の俎上にのせてはと思うのだが、計画策定のコンセプトは違うようだ。計画なのだから実行するとどうなる。あるいは、どうするための計画との位置づけも現状ではよく分からない。議会との議論だけではなく、主権者である市民がこれらのことをどのように考えるのだろうか。また、時間的な余裕がないのかも、と心配もしてしまう。

 武蔵野市という団体の意思、今後の10年(基本構想・長期計画の期間)をどのような手続きで、誰が決めるのか。行政なのか、市民なのか。それとも首長、議会なのか。このことを整理し明確化するのが、本来であれば自治基本条例ではないのだろうか。このことの整理もできていない現状での策定にも課題があるように思えてならない。いっそのこと、長期計画を止めてしまい首長選挙で問うべきとの論のほうが分かりやすいとも思えてしまうからだ。

 今回の案は討議要綱の案。たたき台のさらにたたき台で、今後は内容が変わってくるもの。今回の案では気になる箇所が多かったが、今後の議論でよりよくなるのだろう。武蔵野市の今後の10年とさらに未来を描く計画になると期待している。

【参考】
武蔵野市 第五期基本構想・長期計画を策定しています