新施設はもう作らない!? 泉幼稚園、桜堤小、西部図書館、市民会館など公共施設の再配置のあり方報告  

2010年11月22日公共施設配置のあり方(概要)_ページ_12010年11月22日公共施設配置のあり方(概要)_ページ_2

 11月22日の市議会総務委員会で「今後の公共施設配置のあり方について」の行政報告があり、旧中央図書館跡地、旧桜堤小学校、来年3月で移転により廃館になる西部図書館、旧泉幼稚園跡地、中町駐輪場などの今後の活用方法について、検討のたたき台となる案が示された。報告書では、原則として新設は作らないとしてあり、この考え方も含めて今後の大きな議論になりそうだ。


 武蔵野市では、老朽化している公共施設の建替えやこれまでの行政へに需要の変化への対応、現在使われていなかったり、あまり利用されていない土地や施設の有効活用方法について庁内で検討してきており、その結果がこの報告書となる。行政報告は概要版の資料(画像)が提出されての報告となった。この資料の他に本編は議員に配布されている。この報告書は、武蔵野市第五期基本構想・長期計画の策定のさいの議論のたたき台と位置付けで、実際の活用方法などは今後の議論となる。

 再配置への基本的な考え方としては、利用者の対象をコミュニティレベル、3駅圏レベル、全市的なレベルの施設なのかを分類し、今後の公共施設への考え方の原則も示されていた。
 その原則は、新たな行政サービスへの対応は、現在ある施設の活用、転用、複合化で対応することを基本にするというもので、原則として新たな施設は作らない。施設の総量は抑制していくという考え方となってい。

 また、用途の役割を終えた施設や機能に複合がある場合は、廃止・統合の検討。廃止・統合が可能な借地、借家施設については、返却を進めることで経常経費を節減する。市単独で設置すると非効率と考えられる業務は、スケールメリットも考え周辺自治体との共同化を検討することも記されていた。

 本編のなかで具体的に案として活用方法が記されていた公共施設、土地は下記。

○武蔵野公会堂
 老朽化対策やバリアフリー対応を図るため、吉祥寺駅周辺の公共施設全体の再配置を進める中で、必要な機能を精査した上で、建替えを検討する。
 
○吉祥寺美術館
 美術館の拡充の要否とあわせて、音楽室の移転又は廃止を検討する。

○本宿子どもクラブ
 校内移転を行った後、建物は解体し、本宿東公園を拡張する。

○下水道ポンプ場跡地(東町)
 本田東公園を拡張し、仮設公園部分についても都市公園とする。

○有里寿駐車場/ 西友吉祥寺庖駐車場
 当面は、荷捌き施設と駐輪場の共同施設として活用する。長期的には、吉祥寺駅周辺の公共施設全体の再配置を進める中で活用方法を検討する。

○吉祥寺東部地区自転車駐車場
 吉祥寺駅周辺の公共施設全体の再配置を進める中で、高度利用による吉祥寺駅周辺の駐輪スペースを確保した上で、周辺土地の取得や近隣地権者との共同ピル化も視野に入れ、公共施設建替え用地として活用を図る。

○本町コミュニティセンター
 検討中の地区計画も踏まえ、暫定駐輪場として活用している土地を含め、吉祥寺駅周辺の公共施設全体の再配置を検討する中で、建て替えを検討する。

○旧泉幼稚園跡地
 地域における課題の解決にあたり、吉祥寺西コミュニティセンター(学童クラブ跡)の今後の機能と本跡地における機能との役割分担について検討を進め、本施設に必要な機能を明確にしたうえで、泉文庫と樹木を活かし、保育サーピス機能を有する民間の子育て支援施設及び公園として活用する。

○中央市政センター
 当面継続して使用することとするが、長期的には、市政センターの機能を改めて整理した上で、中央市政センターの位置づけについても明確にする。歴史資料館開設準備担当事務所については、西部図書館施設へ移転する。その後の施設の活用については、三鷹駅周辺の市有地、公共施設全体の効率的な利用を進める中で検討する。

○中町第1駐輪場/中町第2・一時駐輪場
 三鷹駅周辺の市有地、公共施設全体の効率的な利用を進める中において、三鷹駅周辺に必要な駐輪スペースを確保した上で、民間活力の導入を含めて検討し、高度利用による土地活用を図る。

○中央コミュニティセンター
 当面継続して使用することとするが、長期的には、コミセンとシルバー人材センターの敷地の一体的な活用を検討する。

○旧中央図書館跡地
 公共施設建て替え用地として活用する。

○八幡町コミュニティセンター移転後跡地
 公園用地として活用する。

○市営西久保住宅跡地
 公共施設建替用地として活用する。

○西部図書館
 歴史資料館(公文書・民俗資料等)として活用する。その際、保存していくべき資料を厳選していく。また、資料の閲覧の他、市民の利用可能なスペースを確保する。

○桜堤児童館
 0123施設として活用する。ただし、1フロアは、平成24年度については「プレこども園」として使用することとし、その後については、周辺地域における保育需要も勘案しながら、桜堤保育園の分館的利用を検討する。

○境市政センター(ヒューマンネットワークセンター含む)
 市民の利便性を考慮し、市政センターは高架下等へ移転する方向で検討する。ヒューマンネットワークセンターについては、センターの今後のあり方を検討したうえで、他の施設への移転を検討する。

○市民会館
 武蔵野プレイスの中心機能である図書館と重複する図書室を廃止し、地域開放型の集会スペースとして活用する。
 
○くぬぎ園
 桜堤地域福祉施設のあり方検討委員会の報告を踏まえ、建替えを前提に、今後必要となる施設の検討を進める。

○桜堤調理場
 当面継続して使用することとするが、北町調理場を含め、効率的な調理施設のあり方を検討する。(※北町調理場 昭和47年度 第一種住居敷地1500平米 延床1279.94平米)

○旧桜堤小学校
 校舎については解体し、体育館とともに運動公園として利用を図る。

★報告書は、あくまでも庁内の検討結果であり、今後、検討するためのたたき台だ。結論ではない。とはいえ、市が具体的な方向を示したことで、基本構想・長期計画で大きな論点になることは間違いがないだろう。そのことを踏まえてか、個別施設への賛否とならないよう全市的に考えるべきという基本原則を明確化していたのが報告書の印象だった。
 
 西部図書館や旧桜堤小学校についてはこれまでのも書いているので、今回は触れないが他にも利用方法について意見が分かれ議論となりそうなものもある。例えば待機児対策として保育園が一時期考えられていたが、結果としては利用方法が決まらないままとなっていた旧泉幼稚園跡地だ。
 市民会館についても、社会教育施設としての位置づけも含めて集会スペースがどのような役割を持つのか。現在の利用者の思いも含めて議論になるように思う。
 他にも新たな課題となりそうなのが、三鷹駅近くにある中町の駐輪場を高度利用と書かれていることだろう。高度利用とは、高層建築物を建てるということだ。駐輪場のフロアは残すとしても何階程度の建築物にするのか。必用な公共スペース以外は、マンションなどにしてしまうのか。PFIなど民間活用は行うかなど議論になりそうだ。
 

 総務委員会では、今後の社会状況を考えれば、高齢化や子ども環境を良くするためには施設が必要になることもなことが出てくるだろう。そこへ、新施設を作らないことを原則とすると足かせになるという質問があった。答弁では、原則は作らないが、政策目的や実現手段を明確にしたうえで既存施設との整合性も含めて検討するのであってまったく作らないのではないという趣旨の答弁だった。
 この考え方も今後の議論になるのだろう。選挙の目玉で作ってしまい後から困った施設になってしまうことは、一般的にはあることだ。このような施設は、よく事業仕分けの対象になりがちだが、政策的がハッキリしていない施設、他施設でも対応できるかを検証してからでないと作らない、という原則ではないか、と委員会での議論を聞いていて範囲では思ったことだ。
 
 いずれにせよ、これまで大きく考えられてこなかった、先送りになっていた武蔵野市の課題がここにまとめられているような報告書となっている。議論が起きることは想定されているなかで、検討して出したことは高く評価したい。
 しかし、このことだけでも大きな論点になるが、他の課題も多くあるのが基本構想・長期計画だ。策定作業は大変になることは疑いのない事実で課題を解決できるのだろうか、時間的にも議論の深さとしても大丈夫なのだろうかと少々不安に思った。そして、これらの論点が市民に知られているか、伝わるかも気になる。

 今後は、報告書に書かれていることが結論ではなく、基本構想・長期計画の策定での議論のタネとして使われ、より多くの市民・議会も含めて武蔵野市の将来のために議論が行われ結果が出ることを期待したい。

【参考】
今後の公共施設配置のあり方について ~第五期基本構想・長期計画のたたき台~(PDF 3.16MB)
※議員に配布された資料としての報告書。施設の所在地地図は省いた。いくつかの修正点があるので正式版は別に出されるはずだ。

【追記】
市のサイトで正式版が公開されたのでこちらをご参照ください(PDF)。