佐久市の住民投票 総合文化会館は建設中止に

 長野県佐久市で総合文化会館の建設の是非について住民投票が11月14日に行われ、開票の結果、建設反対31.051票vs建設賛成12.638票となり市は建設中止を決定した。市議会でも異論が出ていないようだ。今回の住民投票にあたって、市は既存の案のコスト、規模を縮減した案でのコスト、中止した場合のコスト(補助金の返還などがある)を示し、なおかつ、賛成派と反対派の市民同士による公開討論会まで開催していた。



 投票は、建設賛成か反対かを選び、賛成の場合、従来案か規模を縮小した圧縮案を任意で選ぶというもの。それぞれの市の負担額も示されていての投票だった。

・従来案 建設費=98億9916万8000円/ランニングコスト(※)=2億1020万円~2億9480万円
・圧縮案 建設費=90億6826万1000円/ランニングコスト=1億5960万円~2億2520万円
・中止案 市負担額=64億9060万円(土地取得費等:33億1155万3000円+31億7905万円:建設を前提に借り入れていた事業債の返金額)

 結果は、反対=3万1051票、賛成=1万2638票。賛成のうち、従来案は5363票、圧縮案は4327票だった。投票率は、54.87%。

※ランニングコスト=経常経費(維持管理費+人件費-貸館収入)+自主事業経費(自主事業費-自主事業経費)

 この結果を受けて柳田市長は建設中止を表明、議会へも報告した。新聞報道によると議長は建設中止を受け入れる姿勢だという(読売新聞長野版11月16日)。建設を中止するとはいえ、土地はすでに購入済み。この土地の利用方法を今後、検討することになる。

 佐久市総合文化会館は、1986に議会に陳情があって以来の長年の懸案事項だったという。当初の計画ではJR佐久平駅から徒歩5分の場所にある約2万3000平方メートルの敷地に延べ床面積8000平方メートルの施設が2012年に完成し、芸術文化の拠点となる予定だった。昨年の市長選挙で柳田市長は、慎重に検討すること表明。対抗馬の市長候補は、不況対策にもなるとして建設を推進していた(武蔵野プレイスの述べ面積は9809.76平米メートル。容積対象の延べ面積は8871.06平方メートル)。

★大型の公共施設建設の是非について、この佐久市の例は参考になるのではないだろうか。住民同士の公開討論会は、残念ながらみることできなかったが、別件で会ったさい柳田市長は、議論をしっかり聞きたいと話されていたが印象的だった。建設の是非で住民同士の軋轢が心配されるが、公開の場で議論をしようとの強い意志には好感を覚えた。時代は動き経済状況は変わっていく。一度、立ち止まること。情報を開示したうえで主権者である住民が議論をする。このような手法は、これからの自治、市政運営には非常に参考になるのだと思う。

【参考】
佐久市総合文化会館の建設の賛否を問う住民投票 投開票結果
佐久市総合文化会館トップページ

広報佐久9月22日 号外 佐久市総合文化会館住民投票特集 (PDF版)

追撃コラム&取材メモ 佐久市長選と佐久病院移転問題 ジャーナリスト、おくあき まさおさんのブログ。佐久市の政治的状況が書かれている。地域医療で有名な佐久病院も実は市長選の争点だったことが分かる。