議会をどうするか 具体案も示し総務省がパブコメ実施

 総務省が自治や住民参加、議会のあり方などについてパブリックコメントを募集している。現状の議会の課題を明らかにしており、議会制度などを変えようとしており、解決案を示しているのが注目される。現行のあいまない議会のあり方から議院内閣制にすること、もしくは、権限などを明確にして真の二元代表制を確立することが提案されていることは注目すべきだろう。

 パブコメの締め切りは平成22年11月29日(月)まで。今回の募集で特に注目されるのは、『地方公共団体の基本構造のあり方』にある議会のあり方だ。
『長と議会の関係の見直しの考え方』には、「議会による執行機関の監視を野党的な勢力のみが担いがち、条例提案など政策形成について議会が執行機関に依存、議会の議決行使の実態は長の提案を追認する傾向」「議会による不信任議決、長による議会の解散など、議会と長が対立した場合の解決手段が適切に行使されていない」と現状の議会制度について課題を明記されている。

 そして、以下の改革案が示されメリット・デメリットを検討したいとしているからだ(→は川名の解釈)。

(1)議会が執行権限の行使に事前の段階から、より責任をもつあり方
(例:長と議員から構成される内閣を設置)

 →議員内閣制(国会と同様に議会から長を選ぶ)、議会内閣制(橋下大阪知事が提唱した長が議員から部長などの執行部の人選をする)が現実味を帯びたことになる。

(2)議会と執行機関それぞれの責任を明確化することにより、純粋な二元代表制の仕組みとするあり方
(例:長への不信任議決・長による議会解散権の廃止、議会の検査権・調査権の拡充)

 →執行機関と議事機関としての議会の役割の明確化。議会基本条例、自治基本条例などでそれぞれの役目の明確化が必要になる。

 また、以下の議会についての課題も提示されている。

○議会は、団体意思決定機関、執行機関の監視機関としての役割があるが、このための政策議論が必ずしも十分でない、監視が不十分という指摘がある。

○議員構成は多様な層の幅広い住民の意見を反映しておらず、住民参加の取組みも不十分という指摘もある。

○議会に期待される機能に応じた議会のあり方
専門的知識を有する少人数の議員で構成される議会とする考え方、多人数の議員により構成される議会としていく考え方があり得る。

→議員はプロかボランティアかの選択になる

○「住民の縮図」としてふさわしい議員の構成
幅広い住民が議員活動を行うことができるようにするための環境整備(休暇制度、休職制度、復職制度)や夜間、休日等に議会を開催するなどの工夫について、具体的方策を検討。

○議会の議員の選挙制度のあり方
都道府県議会議員の選挙区が一律に郡市の区域となっていることについて、全国的に守られるべきルールを明らかにした上で、都道府県が条例で自主的に選挙区を規定できるようにすべきとの提言があり、今後検討。
また、地方議会の選挙制度は、個人本位であり、今後は、政策本位の選挙になるような選挙制度を目指すべきではないか、また、そのような方向で選挙制度を変更した場合の地方政治への影響などの論点についても検討。

→地方議員を政党選択により選ぶ比例代表性の可能性

○議員の位置付け
議会の果たすべき役割に加え、議員の職責・職務等を法律上明らかにすべきかどうか、この点が明らかでないことによって議員活動にどのような支障が生じているか議論。

 意見募集されているのは地方行財政検討会議で検討中の下記事項についての意見。他の地方自治制度に対する意見・要望ではないので注意が必要だ。

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1 総論
(1) 地方自治の理念の再整理(「地方自治の本旨」の具体化)
(2) 地方自治の基本法としてのあり方

2 自治体の基本構造のあり方
(1) 二元代表制を前提とした自治体の基本構造の多様化(議会、長・議員の解散・解職に係る直接請求を含む。)
(2) 基礎自治体の区分の見直し
(3) 大都市制度のあり方
(4) 都道府県間・基礎自治体間の広域連携のあり方
(5) 国・地方関係のあり方

3 住民参加のあり方
(1) 議会のあり方
(2) 一般的な住民投票制度のあり方(条例の制定改廃に係る直接請求を含む。)
(3) 長の多選制限その他の選挙制度の見直し
(4) 規模の拡大に伴う自治体経営への住民参画の手法

4 財務会計制度・財政運営の見直し
(1) 不適正経理事件等を踏まえた監査制度等の抜本的見直し
(2) 財務会計制度の見直し
(3) 長等に対する損害賠償請求権の放棄の制限

5 自治体の自由度の拡大(規制緩和)
(1) 執行機関(行政委員会など)
(2) 議会の組織・権能
(3) 財務規定
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★現行の議会制度の矛盾を解決しようと思い、具体的な手法も示しているは評価できるものだと思う。
 しかし、国による「議会改革」であることには違和感がある。地域主権を進めるのであれば、地域、地方こどが制度を考えるべきではないだろうか。特に議会について地方議員からの意見反映ができるのかが見えないことは疑問だ。
 議会制度を住民のために改革しようという議員は、例え少数かもしれないが全国にいる。そのような地方議員の意見をパブリックコメントではなく、地方行財政検討会議との議論の場を通じで反映してもらいたい。

【参考】
総務省 「地方自治法の抜本見直し」に関する意見募集